ユーザーヒアリングの目的とは|手法と質問項目を作るコツ

ユーザーヒアリングとは、商品開発やマーケティングのヒントとなる情報をユーザーから集めることです。顧客体験の向上を目指す上でも役立ちます。ここでは、ユーザーヒアリングの目的を整理した上で、どのような手法でヒアリングするのか、質問項目を作るときのコツについても解説します。

ユーザーヒアリングの目的とは

ユーザーヒアリングは、主に次の3つの目的で実施します。

ユーザーの実態や特性を知る

優れた商品・プロダクトを開発しても、ユーザーの実態に即していなければ価値を感じてもらえません。ユーザーヒアリングをすることで、行動実態や価値観・趣味嗜好などの特性を深く理解した上で商品開発やマーケティングに活かすことができます。

また、ユーザーは様々な影響を受けながら絶えず変化を続けるため、現状を把握する上でもユーザーヒアリングが役立ちます。たとえば、既存商品の売上が低迷しているときに、原因の特定を目的に実施することもあります。

隠れたニーズをつかむ

商品・サービスの企画や改善にあたって陥りがちなのが、自社の視点で最適解を探してしまうことです。先入観や思い込みで自社にとって都合がよいように考えてしまうと、真のニーズを見逃してしまうことがあります。

「ユーザーにとっての価値は何か」を追求することも、ユーザーヒアリングの目的です。行動や選択の背景にある課題・期待を的確に捉えることで、表層的には見えていなかった潜在ニーズを発見することができます。

ユーザー自身も気づいていない潜在ニーズを探り当てることができれば、独自のポジショニングを築くことが可能になります。他社との差別化を図りやすくなり、商品開発・マーケティングにおける成功の確度を高めることができます。

自社商品・他社商品への評価を確認する

自社商品の価値は、競合商品との比較において形成されるものです。機能性や使い勝手、価格面、サービス面のほか、広告クリエイティブやパッケージ・ネーミングによるイメージの違い、問い合わせ時の対応、メルマガのコミュニケーションなど、様々な場面でユーザーは商品・サービスを評価します。

ユーザーヒアリングを実施することで、自社商品のどのような点に満足・不満があるのか、他社商品と比較した際の強み・弱みを明らかにすることができます。ユーザーの声をもとに商品・サービスの改善やマーケティングの見直しを図ることで、より効果的な展開につなげることが可能です。

ユーザーヒアリングの方法

ユーザーヒアリングの方法は、Webアンケート、ユーザーインタビュー、SNSを活用したソーシャルリスニングの3つが代表的です。それぞれの特徴を見ていきましょう。

Webアンケート

Webアンケートは、手軽にユーザーヒアリングができる方法です。匿名性を確保できるため、ユーザー側も本音を伝えやすいという利点があります。

Webアンケートの大きな特徴は、短期間で数多くの情報を集められる点です。ユーザーの実態・特性を定量分析する、フリーアンサーから重要なキーワードを抽出するなど、集計・分析が容易にできるというメリットもあります。

たとえば、利用頻度や購入金額など特定の条件に合致するユーザーを対象にアンケートを実施したり、定期的に実施して変化の推移を確認したり、目的に応じて様々なユーザーヒアリングに役立てることができます。

ユーザーインタビュー

ユーザーインタビューは、ユーザーに直接インタビューする方法です。従来はオフラインで実施する方法が主流でしたが、現在はビデオ会議ツールを活用してオンラインで行うケースが増えています。居住地が制限されず、移動の手間やコストがかからないというメリットがあります。

ユーザーインタビューは、モデレーターとユーザーの1対1で行うデプスインタビューと、複数名のユーザーを集めて行うグループインタビューの2パターンがあります。

●デプスインタビュー

デプスインタビューは、1人のユーザーに対して30分から120分程度の時間をかけてじっくり話を聞き出す手法です。行動・選択の背景にあるインサイトを探り当てたい場合に適しています。定量調査では得にくい詳細な情報を聞き出せるというメリットがあります。

●グループインタビュー

グループインタビューは、3〜8名程度のユーザーを集めて座談会形式で行う手法です。あらかじめ定めておいた質問項目に沿って、自由に意見を述べてもらいます。参加者同士で活発な意見交換がなされるなど、デプスインタビューにはないグループダイナミクスが期待できるというメリットがあります。

SNSを活用したソーシャルリスニング

ソーシャルリスニングとは、SNSや口コミサイトなどのソーシャルメディアに寄せられた情報を収集・分析する手法です。ユーザーが日常的に発信しているリアルな声を集められる点が大きなメリットです。商品・サービスの改善に役立つほか、広告やキャンペーンの効果測定、トレンド予測など様々な場面に活用できます。

ソーシャルリスニングでは膨大な情報を収集・分析する必要があるため、通常はソーシャルリスニングツールを利用して実施します。時系列で情報を整理できるほか、投稿画像からヒントを得ることも可能です。

ユーザーヒアリングの質問項目を作るコツ

ユーザーヒアリングを行うときは、事前に質問項目を精査することが重要です。求めている情報を得る上で、押さえておきたい3つのコツを紹介します。

仮説を立てる

質問項目を検討する上で重要となるのが仮説の設定です。たとえば、「○○の場面で自社商品を利用している人は、耐久性を重視しているのでは?」「競合商品Aを選ぶ人は、○○の機能を重視しているのでは?」というように具体的にすることがポイントです。仮説を立てることで、明らかにすべきことが明瞭になり質問項目が自ずと決まります。

仮説を具体的にできるほどの情報を持っていない、仮説の精度が低いという場合は、仮説設定のためのアンケートを実施するのも一案です。

たとえば、「属性別に商品の利用シーンに違いがあるのか」「どのような点に満足・不満を感じるのか」などの情報を集め、ユーザーヒアリングで確認すべき事柄を明確にするというやり方があります。

仮説を検証できる質問項目を設定する

仮説はあくまでも推測となるので、質問項目は仮説の正誤を検証できるように設定する必要があります。

たとえば「○○のシーンで商品Aを使う人の目的は時短では?」という仮説がある場合、これが正しいか否かがわかるように、利用シーンと利用目的について明確にできる質問項目を用意します。

また、仮説A・仮説Bというように、いくつかの仮説を用意して質問項目を設定することで、より深い考察を得ることができます。

たとえば「自社の商品を選んでいる人はデザインを重視しているのでは?」「競合商品と比較して価格的なメリットを感じているのでは?」など複数の仮説を検証すれば、重点的に取り組むべきことが明確になります。

ユーザーの行動・感情・期待を聞く

ユーザーヒアリングで行動・感情・期待などの実態を詳細に把握したい場合は、共感マップ(エンパシーマップ)を活用して質問項目を用意するという方法があります。共感マップはユーザー理解を深めるためのフレームワークで、以下の6つの要素からユーザー像を掘り下げていく手法です。

●Think and Feel:考えていること・感じていること
●Say and Do:言っていること・行動していること
●Hear:周囲から聞いていること・参考にしている人
●See:見ていること
●Pain:課題に感じていること・ストレスになっていること
●Gain:得たいこと・期待していること

上記の観点を踏まえながら質問項目を設定することで、ユーザー理解を深めることができます。

目的を明確にして次のアクションにつなげよう

ユーザーの実態を的確に捉えることができるユーザーヒアリングは、マーケティング活動の成果を高める上で有効な方法です。ヒアリングした結果を何に活かすのか、目的を明確にした上で実施することが次のアクションにつながるポイントです。コツを押さえた上で実施すれば、有用性も高まります。

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