効果的なセミナーアンケートを作成するコツ・注意点・目的別の質問項目
セミナーや講演会、ワークショップなどの参加者の意見を集めるには、イベント終了後にアンケートを実施するのが効率的です。しかし、アンケートの作成方法が不適切だと、有用な結果が得られなくなってしまいます。そこで今回は、セミナーアンケートの主な質問例や効果的に作成するポイントを紹介します。
セミナーアンケートは位置づけ・目的を明確に
セミナーの参加者にアンケートを実施する際は、あらかじめ目的と実施方法を検討しておくことが大切です。それぞれについて詳しく説明します。
まずは「何のためのアンケートか」を考えよう
アンケートは目的の明確化が重要です。なぜなら、結果を何に活用するかによって、必要な質問項目が変わってくるからです。
一般的な企業セミナーにおけるアンケートの主な目的は以下の通りです。
・ セミナーの評価を把握したい
・ セミナーを改善したい
・ 見込み客の情報を収集したい
・ お客様のニーズや課題を把握したい
やみくもにアンケートを作成すると、分析の焦点がぼやけて回答結果を有効活用しづらくなってしまいます。しかし、目的をあらかじめ明確にしておけば、有用なアンケートを作成することができます。アンケートを作成する前に、まずは実施目的を整理しましょう。
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紙とWeb、どちらで実施すべき?
アンケートの実施方法も早めに検討しておきましょう。企業セミナーでは紙によるアンケートを実施するケースが多いですが、最近はWebアンケートという選択肢もあります。
媒体別のメリット・デメリットは以下の通りです。
<紙のアンケート>
メリット | デメリット |
会場で回答してもらえるので回答率が高い デジタル端末に不慣れな人でも回答できる |
参加人数が多いセミナーだと印刷コストがかさむ 回答をExcelなどに入力する手間がかかる(入力ミスのリスクも) 集計までに時間がかかる為、アクションが遅れる オンライン、ウェビナーでは運用できない |
<Webアンケート>
メリット | デメリット |
印刷・配布の手間がかからない 集計ミスが発生しにくい リアルタイムに集計ができる |
作成に多少の知識が必要 紙に比べて回答率が低くなる場合がある 回答がデジタル端末ユーザーに偏る |
実施方法は、セミナーの参加人数や参加者の属性に応じて選ぶことをおすすめします。
参加者の年齢が高めの場合は、紙によるアンケートが適しています。セミナー終了後に回答する時間を設ければ、確実に回収できるでしょう。
反対に、スマホやパソコンの操作に慣れている参加者が大半を占める場合や、セミナーの規模が数十人〜100人以上になる場合は、Webアンケートのほうが実施・集計がしやすいです。紙と同じように回答時間を設定したり、クーポンや資料提供などのインセンティブを用意したりすれば、回答率を高められるでしょう。
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セミナーアンケートに盛り込むべき質問項目
次に、アンケートの主な質問項目を確認しましょう。最低限押さえておきたい基本項目と、目的別の質問例を紹介します。
セミナーアンケートの基本的な質問項目
セミナーのアンケートでは、必ず以下の項目を訊きましょう。
・ 氏名、年齢、職業、所属
・ 連絡先(電話番号やメールアドレス)
・ セミナーを知ったきっかけ
・ セミナーに参加した理由
・ セミナーの満足度
属性情報はセミナー後のフォローや情報提供をする際に必要ですし、認知経路は告知・集客方法の改善に役立ちます。
認知経路のように回答がある程度想定される項目については、「ホームページ・DM・広告・口コミ・その他」といった選択肢を用意しておくと効率的です。満足度も「とても満足・やや満足・普通・あまり満足していない・不満」と選択肢を設けておきましょう。または、NPS®で満足度を確認する方法もおすすめです。
参加者の属性情報やセミナー自体の評価を把握することが目的であれば、上記項目だけで事足ります。アンケートをセミナーの改善やリード獲得につなげたい場合は、目的に沿った質問を追加します。
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※ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、NPS、そして NPS 関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。
セミナーをブラッシュアップするための質問例
アンケートを通じてセミナーをブラッシュアップしたい場合は、以下のようなセミナーについて掘り下げる質問を盛り込みましょう。
Q. 特に参考になった話・印象的な話があれば教えてください
Q. わかりづらい・説明が不十分な内容があれば教えてください
Q. 今後、どのようなテーマ・内容のセミナーに参加したいですか
Q. 講師の話はわかりやすかったですか
Q. 講師の声は聞き取りやすかったですか
Q. 資料は見やすかったですか/わかりやすかったですか
Q. セミナーの長さは適切でしたか
参加者の理解度や講師の質、セミナー運営についての質問を入れておけば、課題を具体化でき、次回以降のセミナーの質向上に役立てることができます。
リード獲得・商談につなげるための質問例
セミナー終了後、参加者にアプローチしてリード獲得・商談につなげたい場合は、以下のような質問を追加しましょう。
Q. セミナーで紹介した商品Aをご存知でしたか
Q. 商品Aに興味がありますか
Q. 商品Aについて魅力を感じた点があれば教えてください
Q. 商品Aについて知りたいことがあれば教えてください
Q. 御社(またはご自身)のビジネス上のお悩み・困りごとがあれば教えてください
セミナーとは直接関係のない商品・サービスについて唐突に訊くと不自然なので、あくまでもセミナーの内容に沿った質問を作成してください。
セミナーアンケートの効果を高める5つのコツ・注意点
アンケートの有用性を高めるには、回答者の立場に立って作成することが大切です。以下に効果的なアンケート作成のポイントを5つ挙げるので、ひとつずつチェックしましょう。
ポイント1:コンパクトにまとめる
質問数が多いアンケートは回答者に手間感を感じさせ、丁寧に回答してもらえなくなる可能性があります。質問項目を増やすと多くの情報が得られると思いがちですが、質問数を抑えてコンパクトにまとめたほうが回答の質を高められます。できる限りA4用紙1枚分におさまるよう質問を選別し、短時間で回答できるよう配慮しましょう。
ポイント2:重要な項目を先に訊く
アンケートの回答率は質問順に低下する傾向があるため、重要度が高い項目を前半に入れるのがおすすめです。質問の優先順位をふまえてアンケートを構成しましょう。なお、Webアンケートの場合は、必須項目を設定しておけば確実に回答してもらえます。
ポイント3:選択形式の項目をメインに
自由回答欄が大部分を占めるアンケートは、回答者の負担が大きいため回答率の低下につながります。選択肢の設定が可能な項目はすべて選択形式にし、自由回答は1〜3項目程度に絞りましょう。自由回答が少なければ、しっかりと記入してもらいやすくなります。 また、自由回答欄に記入例を記載しておけば、回答者が自身のケースを振り返ったり、考えをまとめたりする助けになります。
ポイント4:抽象的な訊き方をしない
「セミナーはいかがでしたか」「講師のレベルはどうでしたか」といった抽象的で漠然とした質問は回答しにくく、回答の方向性にもばらつきが出てしまいます。できる限り具体的な訊き方を意識して、迷わず回答できるように配慮しましょう。そうすれば、作成者の意図に沿った回答が得られ、集計・分析もしやすくなります。
ポイント5:プライバシーポリシーを提示する
氏名や連絡先、職業などの個人情報をアンケートで取得する場合は、必ずプライボシーポリシーを提示し、個人情報の利用目的・範囲を回答者に伝えてください。プライバシーポリシーの下に「同意する」というチェック欄を設けておけば、同意の可否を明確に確認できます。
なお、プライバシーポリシーの内容と実際の利用方法が異なると、トラブルにつながる可能性があります。ネット上のひな形をそのまま転用するのはリスキーなので、自社の個人情報の取り扱い方法に沿ったものを作成することが肝要です。
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有用なセミナーアンケートを作成しよう
アンケートの回答は、セミナーに参加した見込み客や既存顧客の意見・ニーズを知るための貴重な情報源です。セミナーで適切なアンケートを実施すれば、次回以降のブラッシュアップや営業活動に活用することができます。ここで紹介したポイントや注意点をふまえ、次につながる有用なアンケートを作成しましょう。
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