アンケートのお礼メールの書き方|謝礼の種類・相場と景表法上の注意点
アンケートのお礼メール・お礼状に入れる内容
アンケートに回答してくれた方へのお礼メール・お礼状は、自社や担当者への信頼や愛着を育てるコミュニケーションのひとつです。入れるべき内容は大きく3つあります。一つずつ見ていきましょう。
お礼を伝える言葉
はじめに、アンケートへの協力に対するお礼の文章を入れます。回答者は時間を割いてアンケートに答えてくれているため、感謝の気持ちが伝わるように意識して書きましょう。
アンケート結果が有効活用される旨
アンケートが有効活用されることがわかれば、回答者は「回答した甲斐があった」と感じ、より良い関係性につながっていきます。
アンケートのお礼メール・お礼状には、アンケート結果が何に活用され、どのような場面に役立てられるのかを入れるようにしましょう。たとえば、「商品開発に活かされる」「サービスの改善・向上に活かされる」など、可能な限り具体的な内容を入れることをおすすめします。
また、回答結果を一般に公開するアンケートの場合は、公開時期や公開するWebサイトなどを合わせて記載するとよいでしょう。
個人情報の取り扱いについて
アンケートで個人情報を取得する場合は、個人情報の利用目的や取り扱いに関する問い合わせ窓口を明確に記載することが個人情報保護法で義務付けられています。回答者へのお礼文においても、個人情報を調査目的以外に利用しないことや、管理をしっかり行う旨をあらためて伝えると安心感につながります。
アンケートのお礼の書き方と例文
アンケートのお礼文は、以下の順に構成するのが基本的な流れです。
・件名(アンケートへのご協力の御礼 など)
・お礼の言葉
・アンケート結果の活用について
・謝礼について(謝礼を用意している場合)
・個人情報について(個人情報を取得している場合)
・結びの言葉
自社の内容に合わせて盛り込む内容を決めましょう。
以下に、アンケート協力に対するお礼の例文を紹介するので参考にしてください。
<例文>
件名:アンケートへのご協力の御礼 このたびは、お忙しい中に弊社のアンケート調査「○○についての調査」にご協力いただきまして、誠にありがとうございました。 おかげ様で貴重なご意見を多数頂戴することができました。 皆様からいただいたご意見は今後の商品開発に活かし、新たな価値を提供できるよう役立てていく所存です。 このたびアンケートにご回答いただきました方全員に、謝礼として○○を進呈しております。順次発送となりますため、お手元に届くまで今しばらくお待ちいただけると幸いです。 なお、お客様の個人情報につきましては、取り扱いに十分に注意するとともに、本アンケート調査の目的以外に利用することはございませんのでご安心ください。 今後もお気づきのことがありましたら、お気軽にご意見・ご要望をお聞かせいただければと存じます。 今後とも○○をご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 |
アンケート回答者への謝礼の種類・相場
アンケート回答者への謝礼として何を用意すべきか迷うケースもあるでしょう。とくに幅広い層にアンケートを実施する場合は、誰でも喜びそうなものを選ぶことがポイントです。ここでは、おすすめの謝礼の種類と相場を紹介します。
謝礼の種類
アンケートの謝礼は、大きく分けて金銭的なもの・非金銭的なものの2つがあります。
金銭的な謝礼
金銭的な謝礼には、以下のものがあります。
・商品券
・デジタルギフト
・ポイント還元
・割引クーポン
・自社の商品・サービス
なかでも郵送の手間やコストがかからないことから、昨今増えているのがデジタルギフトです。デジタルギフトとは、SNSやメールで送れるギフトカードのことです。現物を郵送するのではなく、URLやクーポンコードなどを利用してWeb上でギフトを届けることができます。
デジタルギフトの種類は様々あり、ギフト券や電子マネー、電子クーポン、コンビニエンスストア・店舗・ECサイトで使える商品引換券などを贈ることができます。
非金銭的な謝礼
非金銭的な謝礼には、次のようなものがあります。
・回答することで各種チャリティへの寄付ができる
・優待サービスや特典の付与
・記念品やグッズのプレゼント
アンケート回答者の特性に合わせて、喜んでもらえるものを選択するようにしましょう。
アンケート回答者への謝礼の相場
アンケート回答者への謝礼の相場は、回答にかかる負荷や難易度などを考慮して決める必要があります。目安として、一般的な相場を紹介するので参考にしてください。
・Webアンケート:数十円~数百円程度
・郵送アンケート:数百円~1000円程度
・ホームユーステスト(自宅で試用後にアンケートに回答):数百円から数千円程度
アンケートの謝礼品に関する景表法上の注意点
アンケートの謝礼品を用意する際に注意しておきたいのが景表法(景品表示法)です。景表法とは、消費者の誤認を誘うような不当な広告や、消費者の判断を誤らせる要因となり得る過大な景品の提供を規制する法律のことです。
謝礼品の提供の仕方によって景表法が適用されるか否かが変わりますが、景表法の適用対象となる場合は景品類の上限額が以下のように規制されます。
・一般懸賞(抽選で景品類を提供):売上予定総額の2%まで
・総付景品(対象者全員に景品類を提供):取引価額1000円未満の場合は200円まで、1000円以上の場合は取引価額の10分の2まで
アンケートの謝礼に置いて景表法が適用されないケース、適用されるケースをそれぞれ見ていきましょう。
※参照:景品規制の概要|消費者庁
景表法が適用されないケース
アンケートに回答してくれた方全員に謝礼品を提供する場合は、通常、景表法は適用されません。
景表法が適用される景品類とは、「顧客を誘引する手段としていること」「商品・サービスの取引に付随して提供していること」「これにより利益を得ていること」が該当する場合です。一般的なアンケートは顧客を誘引するための手段としていないため、景表法の規制を受けません。
景表法が適用されるケース
アンケートの謝礼において、景表法に注意しなければならないのは次のようなケースです。
ケース1)商品・サービスを購入してアンケートに回答すると○○をプレゼント
上記のような広告表示をした場合、顧客を誘引するための手段と見なされる可能性があり、景表法が適用となることがあります。
ケース2)継続的に商品・サービスを購入し、継続的にアンケートに回答してくれた方に謝礼
このケースではアンケートの謝礼を継続的な取引を促す手段にしていると見なされる可能性があり、景表法の適用対象となることがあります。
アンケートに協力してくれた方には迅速にお礼を伝えよう
アンケートに協力してくれる方は、たとえ数分であっても時間を割いて情報を提供してくれています。お礼メール・お礼状を送ることで感謝の気持ちが届き、今後のより良い関係へとつながっていくことも期待できます。
また、お礼のメールや文書は回答してもらった直後に送るなど、できる限り迅速に届けることも大切なポイントです。アンケートを顧客や取引先とのコミュニケーションのひとつと捉え、より良い関係性づくりに役立てましょう。