売上アップの鍵は「見える化」!営業のプロが語るSalesforce活用法 〜CX college vol.1〜

こんにちは、クリエイティブサーベイ法人チームです。本記事は2019年11月18日に開催した「あらゆるシーンでの顧客体験(CX)を最大化させるための情報最前線」をテーマとした勉強会CX college vol.1のレポートです。

「Salesforceを導入しているけど、うまく使えていない…。」そんな営業担当は少なくないのではないでしょうか?そこで今回は、営業のプロに「売上を上げるSalesforceの活用法」について講演いただきました!
登壇者は、株式会社CINCにてSaaS組織立ち上げ責任者を務める赤司誠氏です。


講演は赤司氏の会社紹介・自己紹介からスタートし、さっそく本題へ。

SaaS企業を含め、BtoBの企業の営業で売上を上げるためには、いくつか重要なポイントがあると語る赤司氏。彼自身いつも意識しているというのが、次の4つのポイントだといいます。

・見える化
・施策のPDCA
・仕組み化
・グルーヴ感

営業で売上を上げる4つのポイント


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赤司氏: ポイントの1つ目は、数字の「見える化」です。2つ目は、見える化して分析した結果に基づき、正確に早く「施策のPDCA」を回すこと。3つ目が、PDCAを回したうえで、成功事例と失敗事例の両方を資産にしていきつつ「仕組み化」に落とし込んでいくこと。最後の4つ目が、チームワークともいえる「グルーヴ感」です。

なかでも、見える化・施策のPDCA・仕組み化の3つに対しては、Salesforceが必要不可欠だと考えています。

本日はこの4つのポイントのうち、「見える化」に重きを置きつつ、Salesforceの活用法も交えてお話できればと思います。

商談を進めるうえで知っておきたい「営業フェーズ」

売上を上げる「営業力」には、課題解決提案力やラポール構築力など、大事なことがたくさんあります。なかでも私が1番ポイントだと思っているのが、「商談を前に進める力」です。これが、一番再現性を持ちやすいんですね。

そこで理解しておきたいのが、営業フェーズです。

私が実際に設定しているフェーズの内容は、次の通りです。

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このフェーズの定義は今回のお話で何度も出てくるので、ぜひ意識してもらえればと思います。

商談の見極め〜決裁者の合意までがポイント

特に重要なのが、01の「商談の見極め」から04の「【キーマン】・【決裁者】との提案内容の合意」。担当者の上司などにあたる決裁者の合意がとれる状態までを、をどう「見える化」「仕組み化」して商談を前に進めていけるかがポイントになります。05以降は契約の手続きで、最終的に08で「受注」となります。

3つの定義で考える「失注」

表の下に3つ記載した「失注」も、3つの定義に分けられます。まずは、初回商談後に失注になるケースである「No Opportunity」。こちらはリサイクルでも一番優先度が低く、インサイドセールスにFBしてリードの質の改善に務める材料となります。次は、営業の現場で解消できたはずのネックがあった場合などの「No Decision」。これは、ネクストアクションを管理して追えるものです。最後に、営業の現場で競合他社にコンペなどで負けて失注になった場合の「Lost」。こちらは契約した競合サービスの更新タイミングの2~3ヶ月前にネクストアクション日をセットし、そのタイミングで追う案件となります。

情報の質も変わる?見える化に欠かせない「情報の集約化」

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見える化の重要性は、1つの場所に情報を集約することで、仕組み化に必要な「基」と、施策PDCAを検討、実施、記録できる「場所」を作り出せることにあります。

情報を集約できているケースとそうでないケースでは、圧倒的に分析のディティールに差異が出ると思います。いかに1つの場所に情報を集約させて、情報をエビデンスにしてPDCAを回せるかが重要です。

私自身いろいろな会社を経験していますが、情報が分散しているケースは多い印象です。例えば、案件はスプレッドシートで管理して、契約はSalesforceで管理、営業の現場にはEvernoteで商談メモを取ったり……。これをSalesforce上にまとめて集約するだけでも、圧倒的に情報の精度、質が変わってきます。

改善すべきは「受注率」と「契約までの日数」

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続いて、見える化と仕組み化において改善しやすい「可変変数」について紹介します。

基本的に、受注による売上(獲得金額は、商談数×受注率×1件あたりの平均MRR金額)で出せるかと思います。また、BtoBの企業では、提案日からの「契約期間」というのもありますよね。

ここで改善がしやすいのは、「受注率」と「契約までの日数」です。

売上構築の全体感の中で、商談数や平均MRR金額というのは、マーケ側やインサイドセールス側との連携が必要となります。さらに、平均MRRを上げていく作業は非常にテクニック的なものも求められるんですね。だからこそ、Salesforceの活用によって見える化、仕組み化して即座に改善していけるのは、「受注率」と「契約までの日数」なんです。

契約までの日数についても、目標から逆引きして、いつまでに何件の商談を確保していけば獲得金額を達成できるのかを把握するのは、非常に大事なことです。予算目標を達成していくためにも、Salesforceでこういった数字を見える化して、変数を把握していただければと思います。

売上アップ!受注率・契約日数の改善施策とは?

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ここからは、受注率と契約までの日数を改善するための方法についてお話していきます。改善施策は、大きく4つあります。

①フェーズの引き上げ割合の改善
②ネクストアクションの質と管理
③失注理由の分析
④管理職の案件把握・管理

順番に見ていきましょう。

改善施策①フェーズの引き上げ割合の改善

1つ目は、フェーズの引き上げ割合の改善です。

BtoBの営業の場合、それぞれのフェーズを定義づけたうえで、定量・定性のアクション管理ができるかどうかによって、受注率は圧倒的に変わります。

各フェーズの引き上げをどう改善できるかが、売上改善に大きく寄与するんです。私の経験上、これができるかどうかで、売上が2倍くらい変わりました。

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この資料には、01から04までのフェーズを記載していて、それぞれに引き上げのポイントがあります。

「01商談の見極め」〜「03担当者合意」のポイント

01の商談の見極め〜02の課題解決策の合意への引き上げのポイントは、「SDRからの情報連携」です。

インサイドセールス側からどれだけ情報共有してもらえるか、そしてセールスが商談前にどれだけ提案の事前準備ができるかが、引き上げの割合を大きく変えます。

ここで情報共有や提案の準備がしっかりとできさえすれば、02の課題解決合意のフェーズ、つまり見込み案件のフェーズに入ります。

02課題解決合意から03担当者合意への引き上げのポイントは、営業の現場における「ヒアリングと課題解決」です。ここでは、テクニック的なものが求められます。

「03担当者合意」〜「04決裁者合意」のポイント

この「03担当者合意」〜「04決裁者合意」への引き上げは、とても重要です。ここでのポイントは、「BANTのグリップ」です。BANTとは、予算、決裁権、ニーズ、タイムライン(導入時期)の4つのこと。これをどれだけ握れるかがポイントになってきます。というのも、このフェーズでは、担当者から決裁者にイエスをもらうための「上申の質」が求められるからです。

BANTのグリップによって、どれほどの予算や決裁権が必要なのかなどを把握できていれば、上申の質が上がります。逆に、質の悪い上申をしてしまうと、提案はすぐに弾かれてしまうわけです。

いかに現場でBANTをグリップできるかに加え、個人的には上申の方法や資料をいかにテンプレートにできるかがトリガーになると思っています。

改善施策②ネクストアクションの質と管理

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フェーズの次に大事だと思っているのが、ネクストアクションの管理です。

案件提案をしてその場で即決するケースは、かなり少ないですよね。特にナショナルクライアントなどにおいては、提案から受注まで半年ほどかかるケースも往往にしてありえると思います。

だからこそ、ネクストアクションの質と管理も、売上の変数を大きく左右します。

ネクストアクションの改善施策は、大きく4つあります。

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1)直近2週間以内のアクション管理

1つは緊急性というところで、直近2週間以内のアクションをどれだけ管理できるかということ。

セールスの現場では、お客さんに提案して、温度感の高い状態でいかにネクストアクションを起こし続けられるか、というのが大事です。このアクションが遅くなった時点でどんどん受注率が下がっていくので、2週間のアクション管理はぜひ意識してほしいですね。

2)各メンバーの02案件、03案件の数管理

2つめは、主に管理職の方向けで、各メンバーの02案件(課題解決策合意)、03案件(担当者合意)の数管理です。

例えば、02の案件数が20件あった場合を考えましょう。02〜03への引き上げ割合が40%、その後の03〜04への引き上げの割合が40%と想定します。すると、04案件化にいたる見込みは、3.2件という結果になります。つまり、02の案件数が20件あっても、最終的に売上として見込めるのは、実質3件ほどになってくるわけです。

このように、自分やチームの案件数と引き上げの割合を意識しておけば、そこから逆引きをして、いつ、誰に、何件の商談が必要なのかがわかってきます。

3)02・03案件に対するアクション管理

3つめは、各メンバーの02、03案件に対するアクション管理です。

02、03案件は、重要性の高い案件。一方で、決裁者合意にあたる04以上は、契約を進めるだけになります。そのため、直近2週間のアクション管理とは異なり、重要性の高い案件を可視化して、それぞれの案件ごとにアプローチするのが大切になってきます。ネクストアクションは、緊急性と重要性を合わせて見てもらうのがいいかと思います。

4)ネクストアクション漏れの防止

最後は、ネクストアクション漏れの防止です。

みなさん並行して相当な数の案件数を持ってらっしゃると思うので、いかに漏れを防ぐかどうかが大事になります。「ネクストアクション日」で切ってみたときに、アラートを活用するなどしてそれを管理できる体制を作り、 漏れを防げるかがポイントです。

改善施策③失注理由の分析

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改善施策の3つ目は、失注理由の分析です。定性的になりがちな要素ではありますが、この失注理由をいかに科学できるかがポイントになります。

改善策としては、失注直前のフェーズ、失注理由、失注タイプ、個人の4つに分けられます。

まずは、失注直前のフェーズを可視化することです。それにより、何がボトルネックになっているのか把握でき、改善の余地が見えてきます。失注理由は、01、02、03、04のどのフェーズで失注しているのかで大きく変わってきます。

担当者の合意が取れていないのか 、現場での営業の仕方が間違っていたのか、上申が間違っていたのかなど、それぞれのフェーズの問題に合わせて修正していきます。

失注の理由については、私が必ずやるケースでいうと、過去失注した案件をバーっと並べて要素に分けて構造化、分析します。例えば、そもそもニーズがなかった、予算が捻出できなかった、決済者をグリップできなかった、など。この理由ごとに改善の方法はあるはずです。それぞれの件数を可視化することで、失注の傾向に基づいた受注数の改善が可能になります。

失注タイプは、先ほど紹介したNo Opportunity、No Decision、Lostなどのタイプ別に、リードの質がよくないのか、提案力が問題なのか、競合他社なのか、といった要因を分析し、改善を促していきます。

最後は、個人の問題です。管理職の方々は、個人ごとにどんな失注をしているのかといった詳細や失注理由を分析することで、個別改善ができるかなと思います。

改善施策④管理職なら気をつけたい「案件管理」


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管理職の方々向けにはなりますが、「ヨミを精緻にすること」「リアルタイムで案件の動きを把握すること」も大切だと思っています。

「ヨミの精緻」についていえば、よくあるケースだと思うんですが、人によってポジティブな人もいればネガティブな人もいますよね。そのため、例えば、フェーズが03って書いてあっても、ポジティブに捉えているだけで実際は02だったり、本来は04なのにネガティブに捉えて03と書いてある、なんてことも十分ありえます。管理職の方々は、個人の特性をもとに、自分のロジックでヨミを緻密にしておくことが必要です。

続いて「リアルタイムでの案件把握」についてです。フェーズは日々上がったり下がったりしますし、ネクストアクションも起こったり起こってなかったりします。ネクストアクションの漏れを防ぐためにも、リアルタイムで、案件の動きや数字の変更といった情報を把握することが大切です。

Salesforceを活用した「見える化」の実例

実際に、私がSalesforceを活用して見える化を実践している項目をご紹介します。

SalesForceで可視化しているのは、ざっくりいうと『基本的な数字サマリー』『当月・来月見込み』『ネクストアクション』『失注理由などの詳細分析』の4つです。

見える化の例①数字サマリー

まず、ダッシュボードで可視化したい最低限の項目が、次の内容です。

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今期の受注件数や商談数の受注数は、個人ごとに出しています。今期獲得のMRR金額や受注率、契約までの平均日数も、個人ごとに違いが出るので、全体と個人単位で見ています。

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契約の総価格にあたるTCV、フェーズの引き上げ率も、全体平均と個人ごとに出して把握しています。

見える化の例②当月・来月見込み

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当月・来月の見込みも可視化し、ヨミを緻密にしています。今期の実績やMRR、受注率に加え、当月の実績、当月06以上、04以上、03以上とフェーズごとに案件を可視化。さらに「今月見込み案件のフェーズ一覧」として、各フェーズごとに金額ベースで可視化します。料金プランごとの合計金額、レコード件数も把握するようにしています。

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来月の見込みでは、当月見込みと同様、フェーズごとに可視化。さらに、営業担当別に何件アポが入っているのかも把握します。これと、現在の商談数、平均の契約日数を合わせて見ることで、目標に対して商談数が足りているのかも判断できます。

「失注要因」や、完了予定日が偏っていないかという「来月までのパイプライン」も合わせて把握します。

見える化の例③ネクストアクション

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ネクストアクションも、ダッシュボードで管理を徹底し、ネクストアクション日がすぎている案件は迅速に対応するようにしています。

「直近2週間のネクストアクション把握」については、ネクストアクション日順に並べて確認していますね。「当月、来月の02・03案件確認」では、重要性の高い案件を確認したり、レコード件数が少ない担当者にアポをふるのに活用しています。

そのほか、見込み件数が足りていないときには、放置されている案件を見て動かしにいくこともあります。

見える化の例④失注分析などの詳細分析

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管理職なら、失注理由などの詳細な分析も必要になってきます。弊社では、失注の分析においても、単純な失注理由だけでなく、個人ごと、失注フェーズごとなどいろいろな角度から分析をかけ、フィールドバックするようにしています。

まとめ

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売上改善のためには、まず「見える化」から始めていきましょう。変数のうち改善しやすいのは、「受注率」と「契約までの日数」です。

受注率と契約までの日数を改善するには、「フェーズの管理」、「ネクストアクション(NA)の管理」、「(失注などの)要因分析」「(管理職の方は特に)日々のモニタリング」が有効です。

上記を中心に何を可視化したいのか事前に決めて、項目を整理し、それからSalesforce上で項目をセットするのがよいかと思います。項目がどうレポートやダッシュボードに反映されるのかも、逆引きで考えましょう。

個人的に、Salesforceは売上を上げるための魔法の杖だと思っています。私自身、Salesforce使いこなせるようになってから目標達成ができる組織に変えることができたので、ぜひうまく使っていただければなと思っています。


■登壇者

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赤司 誠
株式会社CINC ソリューション事業本部推進部副部長

【経歴】
2019年10月、株式会社CINCジョイン。SaaS組織立ち上げと全体最適化をミッションにSDR、FS、CS、SEの業務・プロセス設計を管掌。 前職、株式会社WACULではセールス&ディベロップメントグループ部長兼事業開発責任者として、全社売上責任を持ち、事業戦略策定・プロダクト改善PMO・バリューチェーン全体最適化・新規商流開拓等を遂行。 前々職はランサーズ株式会社にて法人事業を管掌するビジネスソリューション部部長としてデジタルマーケティング支援事業を牽引。また、子会社クオント株式会社のボードメンバーとして会社立ち上げからグリー社へバイアウトするまで事業開発部部長として遂行。

株式会社CINC:https://www.cinc-j.co.jp/
競合サイト調査ツール「Keywordmap」:https://keywordmap.jp/


■モデレーター

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菊地 孝行
クリエイティブサーベイ株式会社 代表取締役

【経歴】
新卒で人材系企業に入社。人材紹介部門の立ち上げに参加し、法人セールスやキャリアコンサルタント等に従事。2005年に株式会社ワークスアプリケーションズに入社。主に大企業・地方自治体へのセールスとコンサルティングを担当し、2012年よりセールス部門のVice Presidentとしてマネジメントに従事。2019年4月にクリエイティブサーベイ株式会社の代表取締役に就任。


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