Webアンケートの作り方とコツ|Webアンケートシステムの機能・選び方

Webアンケートは気軽に実施できる調査手法ですが、作り方の基本を押さえていないと想定していた調査結果を得られないこともあります。ここでは、Webアンケートの作り方を手順に沿って解説するとともに、作成時のコツ、Webアンケートシステムについても説明します。

Webアンケートの作り方の手順

 

まずはアンケートの作り方の基本を5つの手順に沿って見ていきます。

1.アンケート調査の目的を明確化

最初のステップは、アンケート調査の目的を明確にすることです。具体的にするのは、以下の内容です。

●現状と課題:調査によって、どのような課題を解消したいのか

●調査テーマと目的:何を明らかにするためのアンケート調査か

●調査結果の活用:アンケート調査で得た結果を何に活用するのか

これらをはじめに明確化することで、調査対象者や設問項目などを決める際にも進めやすくなります。また、アンケートは実施したものの「結果をどのように活かせばいいのかわからない」という事態を避けることができます。

2.調査計画を策定

Webアンケートの調査計画では、以下の点を明確にしておきましょう。

●調査対象者
調査目的に沿って、どのような人を調査対象者とするのか、条件を明確にします。性別・年齢・職業などの属性のほか、行動特性、ライフスタイルなどで絞り込む方法があります。

たとえば、自社商品の購入実態や満足度について調査したい場合は、購入経験(直近○カ月以内に購入した人、直近1年以上購入していない人など)を具体的に設定する必要があります。

●調査スケジュール
Webアンケートを実施するときは「調査準備→調査実施→回収→集計・分析」の流れとなります。スケジュールを事前に計画しておくことで、次の施策に活かしたい場合なども余裕を持って進めることができます。

3.調査票を作成

次に設問項目と回答形式を決めて、アンケート調査票を作成します。調査には、自社の仮説が本当に正しいのかを検証するための「仮説検証型」と、新たな課題や仮説を発見するために行う「仮説探求型」の大きく2パターンがあり、それぞれに設問項目の考え方が異なります。

仮説検証型の場合は、どのような設問をすれば仮説を確かめることができるのかを念頭において項目を決めます。仮説探求型の場合は、たとえば「○○を利用するシーンにおいて潜在的な課題を発見したい」など、どのような気づきを得たいのかを明確にして設問項目を検討すると失敗がありません。

このほか、満足度調査や実態調査、顧客の意識調査など調査の内容は様々です。いずれにおいても、調査目的を果たせるように設問項目を検討していきます。

設問内容を決めたら、設問ごとに適した回答形式を決めます。回答者の負担が少ない回答方法か、答えやすい形式になっているかの2点に留意しながら検討しましょう。

4.配信前の最終チェック

調査票が完成したら、本番で配信する前にテストを行い、最終チェックすることをおすすめします。調査票の作成者本人は不備や矛盾に気づきにくいものなので、事前のテストで設問文や回答形式などの問題点を洗い出すようにします。

テストは社内の人などに本番同様に回答してもらい、回答者の目線からわかりにくい点や答えにくいところがないかどうかを確認していきます。また、意図した回答結果を得られない場合は、設問文や選択肢が適切でない可能性があるため再度検討しましょう。

このステップを踏むことで、一斉配信したあとにミスが見つかるといった失敗がなくなります。

5.配信・回収~分析

アンケートを調査対象者に配信し、回収→集計・分析と進めていきます。Webアンケートシステムの多くはリアルタイムで回収状況を確認できるようになっているので、思ったように回答が集まらない場合は、リマインドメールを送るなどの工夫をしましょう。

回答結果が集まったら、集計・分析します。グラフを活用するなどして、視覚的にわかりやすくなるよう意識しましょう。

Webアンケートを作るときのコツ

 

精度の高いWebアンケートを実施するには、いくつかのコツがあります。とくに重要なポイントを紹介します。

設問文を精査する

設問文を作成するときは、次の点に留意することが大切です。

●誰が見てもわかりやすい簡潔な文章を意識する
●専門用語・業界用語は避け、平易な言葉を使う
●1つの設問文で聞くことは1つのみとする
●回答を誘導する表現になっていないか注意する

また、設問項目が多すぎると回答者が負担に感じ、回答率が下がったり、回答の精度が下がったりすることがあるため注意しましょう。

一般には、20問を超えると回答者のストレスが高まるとされています。設問項目が多くなっている場合は、重要度を比較して本当に必要な項目を精査します。

設問文の並び順を検討する

設問の並び順を考えるときは、回答者の答えやすさに着目することがポイントです。以下の点を踏まえて、順番を決めます。

●時系列に並べる
設問文は「過去→現在→未来」のように、時系列で並べるのが基本です。時間の流れに沿って聞くことで、回答者が思考しやすくなります。

●答えやすい質問を先頭に持ってくる
先頭に心理的なことなど答えにくい質問をすると、回答が面倒になり途中で離脱してしまう可能性が出てきます。はじめは「はい/いいえ」で回答できる設問や、既知の事実に関するものなど、答えやすい設問を配置するとよいでしょう。

適切な回答形式を選択する

回答形式を選択するときは、「どのように分析したいのか」を念頭に置いて決めることが重要です。以下に、よく使われる回答形式を整理したので参考にしてください。

●単一回答
選択肢の中から1つのみ選んでもらいます。「はい/いいえ」の2択の場合と、3つ以上の選択肢から1つのみ選んでもらう場合があります。

●複数回答
選択肢の中から該当するものを複数選んでもらいます。当てはまるもの全て選んでもらう場合と、「○つまで」のように数を制限する場合があります。

●自由記述
文章や単語を使って回答してもらいます。

●段階評定法
段階評定法は、「程度」を知りたいときに適した回答形式です。例を見てみましょう。

例)
1.とてもそう思う
2.ややそう思う
3.どちらともいえない
4.あまりそう思わない
5.全くそう思わない

上記のように、程度を段階に分けて回答してもらいます。一般に5段階評価が多くなっていますが、分析したいレベル感に合わせて3段階から7段階程度まで分解することもあります。

●順位法
順位法は、複数の選択肢を並べて順位をつけてもらう方法です。選択肢全てに順位をつけてもらう場合と、「1位から3位まで」のように定める場合があります。順位法が適しているのは、優先度や重要度などの順位を確認したいケースです。

たとえば、「以下の中から、あなたが○○を購入するときに重視することを1位から3位まで順位をつけてください」と聞き、選択肢に順位をつけてもらいます。

回答率を高める工夫をする

Webアンケートを実施するときは、回答率を高めるための工夫も重要です。以下に例を挙げます。

●冒頭でアンケートの目的と個人情報の取り扱いについて説明して安心感を得る
●冒頭で回答にかかる所要時間の目安や設問数などを明記し、面倒に感じさせない
●調査対象者が回答しやすいタイミング(時期・曜日・時間帯など)に配信する

Webアンケートシステムとは

 

ここでは、Webアンケートツール・システムの基本機能と、選ぶときのポイントを紹介します。

Webアンケートシステムの基本的な機能

Webアンケートシステムに搭載されている機能は各社で異なりますが、基本的な機能として以下のものがあります。

●アンケートフォーム作成機能(テンプレートを選べる、デザインを選べるなど)
●アンケート送信・回収機能(実施期間の設定、自動配信など)
●データの自動集計機能(回答データのリアルタイム集計、各種ファイルへのエクスポートなど)

Webアンケートシステムを選ぶ際のポイント

Webアンケートシステムは多様なものが提供されているため、自社の状況に照らし合わせて最適なサービスを選ぶことが大切です。以下の比較ポイントを参考にしてください。

●自社に必要な機能が備わっているか
基本機能となるアンケートフォーム作成機能のほか、デザインのカスタイマイズ性、分岐質問の可否、選択肢のランダム表示(バイアスを低減できる機能)、自動配信・管理機能、リアルタイム集計機能、外部システムとの連携機能(SFAやCRMなど)も提供されています。自社が実現したいことに合わせて比較検討しましょう。

●セキュリティ対策は取られているか
アンケート調査では個人情報を取り扱うため、セキュリティ面のチェックは必須です。無料・有料含めて様々なアンケートシステムが提供されていますが、なかにはセキュリティ基準が回答者の企業の水準に満たないために「回答に協力できない」というケースがあるため注意が必要です。

こうした状況になると、せっかくアンケート調査を行っても必要な回答を得られなくなります。十分なセキュリティ対策がとられているか、どのような企業にも対応できるレベルであるのかは事前にしっかり確認しておきましょう。

Webアンケートの基本を押さえて有用性の高いデータを取得しよう

Webアンケートは、マーケティング活動や商品開発、社内アンケート、来場者アンケートなど多くの場面で活用されています。手軽に取り入れられるリサーチ手法である一方、調査票の作り方次第で回答結果に影響が出るため注意しなくてはなりません。ぜひ本記事を参考に、有用性の高いWebアンケートの実施に役立ててください。

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