顧客満足度調査に役立つツールとアンケート設計・分析のポイント

こんにちは、クリエイティブサーベイ法人チームです。顧客起点のマーケティングに欠かせないのが顧客満足度調査。顧客の実態を把握することで、スピーディかつ的確な改善に役立てることができます。本記事では、顧客満足度調査に役立つツールの紹介からアンケート設計・分析手法のポイントまでわかりやすく解説します。

顧客満足度調査に役立つツール

 

顧客満足度調査とは、自社の商品・サービスを購入・利用した人の満足度を計測する調査のことです。主にアンケート形式で調査を行い、満足・不満の実態を把握します。まずは顧客満足度調査に役立つ3種類のツールを紹介しましょう。

Webアンケートシステム

顧客満足度調査の主要なツールとして用いられているのがWebアンケートシステムです。Googleフォームなど無料で利用できるものと、多様な機能を備えた有料のシステムがあります。搭載されている機能は提供各社で異なっていますが、Webアンケートシステムの基本機能は以下の通りです。

<基本機能>
・アンケートフォーム作成(各種テンプレート)
・設問・回答形式の設定
・回答画面のURL発行
・自動集計機能

Webアンケートシステムを選ぶ際は、とくに次の点に留意しましょう。

●自社に必要な機能が備わっているか
基本機能はほとんどのシステムに搭載されていますが、たとえば分岐質問の設定の有無、回答形式の種類、テンプレートやデザインのカスタマイズ性などの機能は各社で幅があります。アンケート作成者の効率化はもちろん、回答者がストレスなく入力できる工夫がされているかなど、自社とユーザーの双方の視点から機能比較することをおすすめします。

●セキュリティ対策がとられているか
アンケートでは個人情報を取り扱うため、セキュリティ面はとくに注視したいポイントです。BtoBで利用するときは、取引先のセキュリティ基準に満たないシステムだと回答してもらえないケースも出てくるため、しっかり確認しましょう。

NPS®ツール

NPS®とは、商品・サービスに対してどれくらい愛着や信頼があるか、顧客ロイヤリティを計測できる調査手法です。「商品・サービスを知人・友人や家族に推奨したいか」という質問をして、0〜10の11段階の中から度合いを選んでもらいます。

容易に実施できる調査手法ながらNPS®のスコアは業績との相関性が高いことがわかっており、重要指標として定期的にモニタリングする企業が増えています。

NPS®はWebアンケートシステムを活用して調査することもできますが、NPS®ツールとして提供されているものもあります。たとえば、自由記述式で回答してもらった推奨理由を分析できるテキストマイニングの機能が備わるなど、NPS®の分析に特化している点が特徴です。

※ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、NPS、そして NPS 関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

テキストマイニングツール

テキストマイニングとは、テキストデータを解析して定量的に分析できるようにする手法のことです。テキストマイニングツールは、アンケートの自由記述やSNSの口コミ情報、コールセンターに寄せられた声などを分析する際に用いられています。

具体的には、文章を文節や単語単位に分解して頻出度の高いフレーズを抽出するほか、単語同士の関連性を示す共起分析、ポジティブ・ネガティブを分類するセンチメント分析などを視覚的にわかりやすくアウトプットする機能を備えています。

アンケート調査の自由記述では重要な情報を得ることができますが、一方で全てのテキストに目を通したり分析したりする手間がかかるという課題があります。テキストマイニングツールを活用することで、効率的に精度の高いテキスト分析が可能になります。

顧客満足度調査~アンケート設計のポイント

 

顧客満足度調査を実施するときに重要となるのがアンケートの設計です。ここでは、とくに押さえておきたいポイントを見ていきます。

調査結果の活用方法を明確化

顧客満足度調査を実施する際は、必ず調査結果の活用方法を明確にしましょう。このステップを曖昧にしたまま進めてしまうと、「アンケートは回収したものの、次にどう活かせばいいのかわからない」ということになりがちです。また、何に活用するかによって必要な設問も変わってきます。

顧客満足度調査の活用方法には、次のようなものがあります。

●定期的に顧客満足度をモニタリングして、施策の振り返りと改善につなげる
●自社の課題を特定して、優先的に取り組むべきことを明確にする
●自社商品と競合商品に対する満足度の違いを調べて施策に活かす
●自社商品に対する満足・不満の傾向を顧客の属性別に分析して施策に活かす
●顧客満足度を公表して、広告の訴求力を高める

上記例のように顧客満足度調査は様々な場面で効力を発揮します。活用方法とあわせて、調査対象者(基本属性や購入頻度などのサブ条件)、必要サンプル数、調査スケジュールも明確にしておきましょう。

分析を踏まえた設問設計

「どのような分析結果を得たいのか」によって、適切な設問・回答形式が変わります。たとえば、NPS®では顧客ロイヤリティの度合いを数値で把握できますが、合わせて他者に推奨する・しない理由を自由記述で答えてもらうことで、自社の強み・弱みを深掘りすることができます。

また、アンケート集計の基本となるのがクロス集計です。クロス集計では、2つ以上の設問を掛け合わせた数値を算出することで、様々な角度から分析することができます。あらかじめクロス集計したい項目を決めておくことで、必要な設問を漏れなく設定できるようになります。

顧客満足度のクロス集計で多く用いられている分析例を挙げるので、参考にしてください。

●全体満足度×基本属性(性別、年代別、居住地別などで差異を確認)
●個別満足度(機能・品質・価格などの評価項目を設定)×基本属性(性別、年代別、居住地別などで差異を確認)
●購入頻度×基本属性(性別、年代別、居住地別などで差異を確認)
●購入理由×基本属性(性別、年代別、居住地別などで差異を確認)

顧客満足度調査の分析手法の例

 

顧客満足度調査で押さえておきたい分析手法を2つ紹介します。

相関分析

相関分析とは、データ間の相関性を数値化して分析する手法のことです。顧客満足度調査に用いることで、満足度への影響度が高い要素(機能・品質・価格などの評価項目をあらかじめ設定)を特定することができます。

縦軸に満足度(%)、横軸に各要素の相関係数(相関性が高いほど重要度が高い)を置き、4象限の区分で優先度の高さを判断します。

満足度高い×重要度高い 重点的に維持すべき項目(自社の強み)
満足度低い×重要度高い 重点的に改善すべき項目(自社の弱み)
満足度高い×重要度低い 現状維持に努める項目
満足度低い×重要度低い 優先度は下がるが改善に努める項目

 

RFM分析

RFM分析とは、R(Recency:最終購入日)・F(Frequency:購入頻度)・M(Monetary:購入金額)の3つのデータから顧客をグループ分けして分析する手法です。優先的に対策を講じるべき顧客を見極めることができます。

たとえば、購入金額は高いが直近の購入がないという場合、離反の可能性が高いため早期に施策を検討する必要があります。また、NPS®のスコアと組み合わせて分析することで、RFM分析では優良顧客であっても他者への推奨度が低いといった課題を見つけることができます。この場合は理由を特定して、適切な対策を検討します。

ツールの活用で顧客満足度調査を効率化

顧客の実態を把握できる顧客満足度調査は、マーケティングの成果を高める上で欠かせないものとなっています。現在は様々なツールが提供されているため、より効率的に実施することが可能です。アンケート設計や分析手法のノウハウも合わせて習得し、ぜひ有益な調査を実施してください。

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