CRMをアップセル・クロスセルに活用|ロイヤルカスタマー化の実践方法

アップセル・クロスセルは、本来、顧客へのメリットを増やし満足度向上に役立つものです。しかし、適切な方法を用いなければ逆効果になってしまいます。ここでは、CRMを活用したアップセル・クロスセルを成功させるポイント、ロイヤルカスタマーを増やす方法を紹介します。

             

CRMを活用したアップセル・クロスセルに成功するためのポイント

CRMを活用したアップセル・クロスセルに成功するためのポイント

アップセル・クロスセルは、いずれも顧客単価を引き上げ、LTV(顧客生涯価値)を最大化するための施策です。成功させるにはどのようなことがポイントとなるのか、見ていきましょう。

顧客データを活用する

顧客の状態やニーズを把握しないまま、やみくもにアップセル・クロスセルを提案しても成果を上げるのは困難です。アップセル・クロスセルを行う際は、CRMの顧客データを用いて以下の分析を行い、「誰がどのようなニーズを持っているか」を明確にすることが重要になります。

・購買履歴
・行動履歴
・顧客が抱える課題
・顧客の期待

アップセル・クロスセルが「顧客にとってプラスの効果をもたらすこと」を前提に提案することが成功のポイントです。

上位の商品・サービスの付加価値を見直す

アップセルは、現行の商品・サービスから上位のものへとアップグレードすることをいいます。しかし、上位の商品・サービスが顧客にとって魅力的に映らなければ、「高い料金を払ってまで乗り換える必要はない」と判断されてしまいます。

アップセルを成功させるには、顧客ニーズを把握した上で、下位の商品・サービスとの違いやメリットを明確に差別化することが必要です。

商品ラインナップを見直す

商品のラインナップが顧客ニーズを満たせるものになっているかという点も、注意すべきポイントです。

クロスセルは関連商品を提案することで顧客単価を上げる手法ですが、顧客ニーズに見合った関連商品がなければ、みすみす販売機会を逃してしまうことになります。購買行動のデータを分析したり、アンケート調査を行ったりして、効果的なクロスセルができる商品のラインナップになっているか見直してみましょう。

アプローチの見直し

アップセル・クロスセルのアプローチで重要なのは、提案内容と提案するタイミングの2つです。

提案内容は売り手側の都合ではなく、顧客視点から考えることが肝要です。たとえば、「グレードアップすることで、どのような利点があるのか」「関連商品を使うことで、どのようなプラスアルファを得られるのか」といった、顧客が享受するメリットを明確にします。

提案するタイミングも、成功を握るポイントです。BtoCの場合は、購買意欲が高まる時期に提案すれば成功確度を高めることができます。BtoBであれば、契約更新時や予算確定の時期、課題が浮上しているタイミングなどが効果的です。

タイミングを逃さずに提案するには、普段から顧客と接点を持ち、情報を的確に把握しておくことが重要になります。CRMの顧客データ・分析機能を活用して、最適なアプローチを検討しましょう。

顧客ロイヤリティを向上させる

アップセル・クロスセルの成功率は、顧客ロイヤリティと関連性があるといわれています。顧客ロイヤリティが高いということは、現行の商品・サービスに満足しており、アップセル・クロスセルの提案にも好意的な反応を示すためです。

したがって、アップセル・クロスセルを増やしていくには、顧客ロイヤリティを向上させる取り組みが必須となります。顧客ロイヤリティは、商品・サービスや企業の対応に対する信頼や愛着を表すものです。より良い顧客体験の提供を通じて、育成していくことが必要です。

アップセル・クロスセルの注意点

アップセル・クロスセルの注意点

アップセル・クロスセルを行う際の注意点を見ていきましょう。

顧客ニーズを的確に理解する

どのような施策を行う場合でも、顧客ニーズを的確に捉えておくことが重要です。自社都合の提案は、せっかく満足していた顧客にネガティブな印象を与えることになりかねません。「顧客にとってのメリットは何か」という観点を忘れずに、ユーザーファーストの提案を行いましょう。

効率的な運用を意識する

アップセル・クロスセルでは「誰に何をどのようにアプローチしていくか」を明確にし、最適なタイミングで提案することが重要です。そのため、情報のキャッチアップからデータ分析、アプローチ方法の策定、効果測定と改善施策まで、効率的な運用を目指すことが必要になります。部署間の連携が必要になる場合は、事前に体制を整えておくとよいでしょう。

CRMを活用したロイヤルカスタマー化の実践

CRMを活用したロイヤルカスタマー化の実践

CRMは顧客データを管理するツールです。しかし、単に顧客管理の効率化を図るだけでなく、データをもとにした適切なアプローチにより、顧客との関係性向上やLTVの最大化を実現するのが本来目指すべきところです。

ここでは、CRMを活用したロイヤルカスタマーを増やすための実践方法について見ていきます。

顧客を分析する

ロイヤルカスタマーを増やすには、まず顧客を分析するところから始まります。CRMを活用することで、顧客分析が容易になります。代表的な分析手法を3つ紹介しましょう。

LTV(顧客生涯価値)

LTVとは、顧客が商品・サービスの利用開始から取引を終了するまでに自社にどれくらいの収益をもたらしたのか、総額を算出したものです。以下の計算式を用います。

 
LTV=購買単価×購買頻度×継続期間

LTVが高いほど、自社の収益に貢献している顧客ということになります。

RFM分析

RFM分析とは、次の3つの指標から顧客を分類する方法です。

 
・Recency:直近の購入日
・Frequency:購入の頻度
・Monetary:購入金額

直近の購入日が近い顧客のほうが、数年前に購入した顧客よりもアクティブな状態にあると見ることができます。また、購入頻度や購入金額が大きいほど、自社への貢献度が高い顧客となります。

RFM分析では、これらの数値をスコアリングして顧客をランク分けします。顧客の状態に適したアプローチが行えるようになり、効率的にロイヤルカスタマーへと育てていくことができます。

CPM分析

CPM分析はCustomer Portfolio Managementの頭文字をとったもので、購買データをもとに顧客をグループ分けする手法です。購入回数や総額、在籍期間、離脱期間といったデータをもとに、顧客の状態を現役客から離脱客まで10のセグメントに分けます。

RFM分析では、現状で自社への貢献度が高い顧客をセグメントするため、一定期間在籍していない離脱客はリストから外れることになります。これに対し、CPM分析は購入からの経過期間に着目している点が大きく異なります。

たとえば、一定期間に購入がない離脱客の中にも、初回購入で離脱するケース、継続的に購入していたのに離脱してしまうケースなど様々なパターンがあります。CPM分析を用いることで、離脱客の中からも優良顧客となる可能性を見つけることが可能になります。休眠顧客にも目を向け、育成していきたいという場合に役立つ分析方法です。

自社のロイヤルカスタマーを設定する

自社のロイヤルカスタマーとはどのような状態を指すのかを明確に定義し、目標を定めます。ここで重要なのは「よく購入してくれる」といった曖昧な設定ではなく、「3か月以内にいくら以上の購入がある」というように、具体的な数値に落とし込むことです。

代表的なものではLTVを算出して定義する方法がありますが、このほかにもRFM分析やCPM分析をもとに購入頻度や単価といった基準を設定するというやり方もあります。

また、NPS®も多く用いられている方法の一つです。NPS®はネット・プロモーター・スコアの略で、顧客ロイヤリティを数値化する調査方法です。「商品やサービスを友人・知人に薦めるか」という質問を投げ、0~10点で評価してもらい算出します。

NPS®をロイヤルカスタマーの定義に加えることで、たとえば、現在の購入金額は少ないけれど、顧客ロイヤリティは高いといった顧客を見つけることができます。こうした顧客群はLTVだけでは抽出できませんが、ロイヤルカスタマーへと育つ可能性が高い層です。そのため、LTVとNPS®を併用して定義するという方法もとられています。

NPS®(ネットプロモータースコア)とは?|顧客満足度との違いやメリット・導入事例まで紹介も参考にしてください。

※ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、NPS、そして NPS 関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

One to Oneマーケティングで顧客体験を向上

ロイヤルカスタマーを育成するには、一人ひとりの顧客に対し、より良い顧客体験を提供するOne to Oneマーケティングが重要です。これを実現するには、CRMの活用が必須といえるでしょう。

CRMは、顧客の属性や購買履歴、問い合わせ履歴といった多岐にわたる顧客データの一元管理および分析機能を備えています。これにより、顧客を分類してセグメントメールを送るといった個別最適化されたアプローチが可能になります。

顧客体験が向上すれば、顧客ロイヤリティやLTVが高まり、ロイヤルカスタマーを増やすことにつながっていきます。

アップセル・クロスセル成功のカギを握るのは顧客ロイヤリティ

アップセル・クロスセルの手法には様々なものがありますが、成功に導くためには顧客の理解が必要不可欠です。また、成功のカギを握るのは顧客ロイヤリティであり、日々のマーケティング活動においてロイヤルカスタマーを増やしていく取り組みが重要になります。CRMを有効に活用し、成果を高めるマーケティング活動の実践に役立てましょう。

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