Salesforceとは|基本的な活用方法やメリット・注意点を解説

世界中の企業で導入・活用が進んでいるSalesforce(セールスフォース)。営業やマーケティングの効率化に役立つ多彩な機能を備え、企業のビジネス拡大を後押しします。本記事では、Salesforceの基本的なサービス概要やメリット・注意点を説明します。

Salesforceとは

Salesforceとは

まずは、Salesforceとはどのようなものなのかを見ていきましょう。

世界No.1のCRM

Salesforceとは、米国のセールスフォース・ドットコム社が提供するクラウド型のCRM(顧客管理)プラットフォームです。

営業やマーケティング、カスタマーサポートなど様々な部署に散在している顧客情報を一元管理・共有し、顧客との関係性構築やビジネス拡大に役立てることができます。

Salesforceは大手企業から中小企業まで全世界で15万社以上(2021年時点)の企業が導入しており、CRM市場で世界シェアNo.1を誇ります。

主要サービス・活用例

Salesforceは顧客管理や営業支援の機能を中核に、様々なサービスを提供しています。自社の課題や目的に応じて複数のサービスを組み合わせ、独自のプラットフォームをカスタマイズすることが可能です。

ここでは、代表的なサービスを4つ紹介します。

Sales Cloud/セールスクラウド

Salesforceの中核的なサービスが『Sales Cloud(セールスクラウド)』です。SFA(営業支援)とCRM(顧客管理)の機能を備え、見込み客の獲得やナーチャリングを支援します。

<主な機能・活用例>
●取引先情報の管理
●案件・商談の進捗管理
●見込み客の管理
●売上予測

Service Cloud/サービスクラウド

顧客対応やカスタマーサポート業務の効率化を支援するサービスです。問い合わせ情報や対応経緯を一元管理・共有できるほか、チャットボット機能やCTI(Computer Telephony integration)との連携により顧客対応を自動化します。

<主な機能・活用例>
●オムニチャネルの問い合わせ管理
●稼働状況やスキルに応じた担当者の自動割り振り
●FAQなどのナレッジマネジメント
●CTIとの連携
●アンケートの配信

Marketing Cloud/マーケティングクラウド

様々なタッチポイントでOne to Oneマーケティングを実現するサービスです。顧客一人ひとりのカスタマージャーニーに合わせて、適切なタイミングでパーソナライズされたアプローチを可能にします。

<主な機能・活用例>
●顧客の行動履歴や購買履歴の収集
●AIによるパーソナライズ分析
●メルマガの作成・自動配信
●プッシュ通知やSMSを活用したモバイルメッセージの配信
●広告管理・分析
●Webコンテンツの作成

Pardot/パードット

『Pardot(パードット)』はBtoB向けのMA(マーケティングオートメーション)ツールです。Webサイトのユーザーから有望な見込み客を獲得して育成を行い、マーケティング部門と営業部門のスムーズな連携を支援します。

<主な機能・活用例>
●見込み客の行動履歴のトラッキング
●見込み客のスコアリング
●メルマガのターゲット配信
●アンケートフォームの作成・配信
●マーケティングROIの測定
●Webコンテンツの作成(ランディングページやメールフォームなど)

Salesforceを導入する6つのメリットと注意点

Salesforceを導入する6つのメリットと注意点

Salesforceを導入・活用すると、どのようなメリットや効果が得られるのでしょうか。6つのメリットを注意点と共に紹介します。

顧客情報の一元管理・ノウハウ共有

顧客情報を部門やチーム、担当者ごとに収集・管理している場合、企業の情報資産として活かしきれないことがあります。

Salesforceでは各部署で取得したあらゆる顧客情報を集約し、一元管理できるようになります。基本的な属性情報はもちろん、案件の進捗状況や問い合わせ情報などもまとめて管理できるため、営業活動や顧客対応の知識・ノウハウの共有にも役立ちます。

営業活動の効率化

様々な顧客へのアプローチを効率的に進めるには、チームでのスムーズな情報共有と連携が不可欠です。Salesforceでは、顧客が抱えている課題や予算、商談時の提案内容など、営業活動に必要な情報が可視化されます。上司やチームメンバーも営業プロセスを一目で把握できるため、速やかに次の一手を打てるようになります。

リアルタイムなデータ分析

Salesforceにはレポート機能が備わっており、売上や問い合わせなどを登録するとリアルタイムに集計・グラフ化されます。ダッシュボード(管理画面)では複数項目の集計結果やグラフが一覧表示されるため、様々な切り口で営業の進捗状況や売上状況を把握することができます。

アプローチや商談の精度向上

Pardotなどのマーケティング機能を活用して見込み客の動向追跡やスコアリングを行うことで、顧客の検討状況に応じたアプローチが可能になります。また、蓄積されたデータを元に受注案件や失注案件の要因を分析して営業プロセスの改善を図ることで、確度の高い提案・商談を行えるようになります。

教育コストの削減

研修やOJTなどで新人を育成するには多くのマンパワーを要し、教育担当者の業務負担も懸念されます。

Salesforceを導入すれば、様々なケースの案件情報や営業資料を新人と共有できるようになります。新人は過去のデータからリアルな営業ノウハウを学びとることができるため、研修やレクチャー資料作成に費やす時間や人的コストを削減できます。

社員の適正な評価

営業プロセスがブラックボックス化していると、担当者を適正に評価するのが難しい場合があります。Salesforceには目標管理機能が備わっており、契約数や売上、粗利率などの目標値と実績データを入力することで進捗状況をリアルタイムに管理できます。別途Excelなどで入力・管理するより正確に達成度を把握できるため、客観性の高い評価ができるようになります。

導入前に知っておきたい注意点

Salesforceを活用すると様々な利点が得られますが、注意点もあります。

使いこなすのに時間がかかる

Salesforceは多機能ゆえに使いこなせるようになるまで一定の期間を要します。Salesforceを自社の業務プロセスに効果的に組み込むには、様々な機能や構造を理解して操作方法を習得しなければなりません。

担当者が入力してくれない可能性がある

現場の担当者がSalesforceの有用性を理解していない場合、日々のデータ入力がおろそかになることがあります。業務プロセスが変わることへの不満から、Salesforceを敬遠する社員も少なからず出てくるでしょう。

すぐに成果は出ない

Salesforceの真価はデータを蓄積・分析することで発揮されます。データ蓄積には一定期間を要するため、導入当初は入力作業が増えた割に効果を感じることができず、担当者のモチベーションが低下してしまう可能性があります。

Salesforceの運用を定着・成功させるポイント

Salesforceの運用を定着・成功させるポイント

最後に、Salesforceの運用を軌道に乗せるためのポイントを3つ紹介します。

導入目的を明確にする

各担当者にSalesforceをしっかりと活用してもらうためには、導入目的を明確にして社内に周知することが肝要です。Salesforceで解決したい課題や達成したいこと、なぜデータ入力が重要なのかを丁寧に説明し、理解を促しましょう。

管理項目を増やしすぎない

機能や管理項目を増やしすぎると入力作業が増大するため、できる限り絞りましょう。特に、導入初期の段階であれもこれもと追加してしまうと、現場に混乱をきたします。担当者が慣れるまでは必要最小限の項目で運用し、段階的に規模を拡大することをおすすめします。

試用期間を設ける

初心者がSalesforceを使いこなすのは難しいため、本格運用の前に研修やトレーニングの機会を設けましょう。あらかじめシステムの構造や操作方法、Salesforceの有用性を理解・体感すれば、担当者の意識向上が期待できます。

データを効率的に集める

Salesforceには様々なアプリを追加して活用できるアプリストア「AppExchange」があります。
アプリで不足している機能を補うことができ、Salesforceだけでは実現できない課題も解決することができます。

顧客へのヒアリングやアンケートをオンラインで効率的に行うアンケート連携サービス 「CREATIVE SURVEY for Salesforce」といったAppExchangeを活用することでデータの収集を効率的に行う方法もあります。

戦略的な営業管理で競争優位を高めよう

めまぐるしく変化する市場で自社の優位性を高めるには、営業やマーケティングの効率化が欠かせません。Salesforceを活用すれば、ブラックボックスになりがちな営業プロセスが可視化され、スムーズかつ効果的な社内連携や顧客アプローチが可能になります。

戦略的な顧客管理・営業管理を推進したい方は、Salesforceの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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