顧客ロイヤリティの向上事例4選|ロイヤリティを高めるためのポイントとは

顧客満足度(CS)は高いのに、具体的な成果につながらないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。「顧客ロイヤリティ」は商品やサービスに対する愛着と信頼を指す言葉です。顧客ロイヤリティが高いほど、より良い企業として成長出来ると言われています。この記事では実際に顧客ロイヤリティが向上した事例を紹介します。

顧客ロイヤリティとは

顧客ロイヤリティとは

顧客ロイヤリティとは、顧客が企業・商品・サービスに対して感じる好意的な感情を指す言葉です。顧客満足度のような一回のみの購入体験ではなく、定期的に商品を購入したり、サービスを受けるなど、より長期的な商品・サービスに対しての愛着を表す指標となります。

ロイヤリティの高い顧客は、商品・サービスに対する愛着が強く、リピート率の向上や新規顧客の獲得にもつながると言われています。また、家族や友人など親しい人へ紹介をしてくれる場合も多く、商品・サービスを積極的に宣伝してくれるロイヤルカスタマーとして大切にすることが重要です。

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顧客ロイヤリティが向上した事例 4 選

顧客ロイヤリティが向上した事例 4 選

ここでは、顧客ロイヤリティが向上した事例を紹介します。

事例1:チューリッヒグループ

チューリッヒグループは、170 カ国以上に損害保険や生命保険などの保険商品を提供している会社です。

背景

チューリッヒグループは以前より市場調査を実施して顧客の声を集めていたものの、具体的な改善ポイントを明確にすることができずにいました。

実施内容

・主要な業績評価指標に顧客ロイヤリティや継続意向を知るための指標である NPS® を採用した。
・SMS、E メール、コールセンターなどで顧客のニーズを集め、自動的に出現する文字列や単語を分析するテキストマイニングを行って、各改善点に優先度を設定した。
・改善効果の高い施策については別拠点でも共有して、他支店でも効果を上げるように努めた。

結果

・ある国ではチューリッヒに対する NPS® が 20%も向上した
・ロイヤリティが高い顧客が、そうでない顧客に比べて 27%の高い利益をもたらし、12 ヶ月以内の解約率が 1/5 になることがわかった。

(出展:Zurich Insurance Case Study: Promoters spend 27% more than detractors

事例 2:ソニー損保

ソニー損保は、ソニーフィナンシャルホールディングスを主要株主に持つ損害保険会社です。

背景

ソニー損保では顧客との長期的な関係を築くために、より適切な顧客サポートの必要性を感じていました。

実施内容

・部署を横断して顧客をケアできる体制を作った。
・顧客のニーズに対し、「改善しました」「検討します」「申し訳ございません」という三択で回答できる「コエキク改善レポート」というコミュニケーションサイトを構築した。
・顧客の悩みに対して担当者がコメントすることで、顧客が納得できる仕組みを作った。

結果

・顧客それぞれのニーズを具体的に把握できるようになり、NPS® や顧客ロイヤリティが向上した。

(出展:コエキク改善レポート – お客様とソニー損保のコミュニケーションサイト)

事例 3:Airbnb(エアビーアンドビー)

Airbnb は、「空き部屋を貸したい人」と「空き部屋を借りたい人」を結びつける仲介プラットフォームです。世界 34,000 の都市でサービスが展開され、国内でも 53 万人の利用者がいます。

背景

Airbnb では友人紹介による売上が多数を占めていたため、NPS® による顧客ロイヤリティの向上が課題になっていました。

実施内容

・約 60 万人のユーザーから NPS® を取得し、どのようにしたら友人紹介が増えるのかを分析しました。

結果

・Airbnb の批判者は 2%しかいないことがわかった。
・推奨者であってもサービス利用後にレビューを書かない顧客は、リピート率が低い傾向があるとわかった。
・NPS® に回答しないユーザーでも、サービス利用後にレビューを書いた顧客は、リピート率が高い傾向にあるとわかった。

(出典:Airbnb Engineering & Data Science)

事例 4:ヴァージン・メディア

ヴァージン・メディアは、ケーブルテレビやインターネット接続を提供しているイギリスの大手通信事業者です。

背景

ヴァージン・メディアでは、サービスの解約率やリピート率を改善するために NPS® の向上が課題になっていました。

実施内容

・NPS® で 10 点をつけてくれた推奨者のコメントを壁などに掲示し、従業員のやる気を刺激した。
・NPS® で批判者となった顧客には 48 時間以内に電話によるフォローアップを徹底するようにした。
・NPS® の結果を経営幹部のボーナスに反映した。
・マーケティングや営業にとどまらず、経営陣から現場スタッフまで集中的に施策に取り組んだ。

結果

・2 年間で NPS® が 15%向上した。

・サービスの解約率が月間で 0.7%減少した。

・顧客サービスの評価で、顧客維持率が業界最低から中位まで上昇した。

(出展:NPS® の活用と顧客ロイヤリティの向上で、収益をリアルに改善した 3 つの事例

顧客ロイヤリティを向上させるためのポイント

顧客ロイヤリティを向上させるためのポイント

ここでは、顧客ロイヤリティを向上させるためのポイントを紹介します。

お客様からの声を正確に分析する

顧客ロイヤリティを向上させるには、顧客の声を正確に分析することが大切です。取得した顧客データは、商品に対する愛着度などでリスト分けして、マーケティング施策の検討に利用しましょう。リスト分けされた顧客ごとに、適切なアプローチをすれば企業の収益性も向上するかもしれません。

収益指標を用いるときは、顧客ロイヤリティの向上が収益のどの要素に影響を与えているのかを把握することも大切です。顧客ロイヤリティが影響を与える要素を明確にすることで、どのような顧客にアプローチすればよいかがはっきりするからです。

NPS®(ネットプロモーター・スコア)を活用する

NPS® は顧客ロイヤリティをアンケート形式で計測する指標です。顧客に対し、「この企業(または、商品、サービス、ブランド)を家族や友人に、どの程度すすめたいと思いますか?」という質問を行い、0 点から 10 点までの 11 段階で評価してもらいます。点数によって以下のように分類します。

・推奨者:9 ~ 10 点を付けた顧客
・中立者:7 ~ 8 点を付けた顧客
・批判者:0 ~ 6 点を付けた顧客

この内、「推奨者の割合-批判者の割合を引いた値= NPS®」として、顧客ロイヤリティの算出に利用します。

CX(カスタマーエクスペリエンス)を改善する

CX とは、顧客が商品・サービスに接触する際の一連の体験のことです。商品・サービスを購入して使用するだけでなく、Web サイト・SNS・メルマガなどの情報発信や、店頭での接客なども対象に含まれます。購入検討時のスタッフの対応や購入後のサポートなども同様です。

CX を改善するには、企業活動のうちどの要素が「重要な顧客との接点」になっているかを把握することが大切です。重要な顧客との接点は、顧客の声を分析した結果をもとに顧客ロイヤリティを数値化することで確認できます。

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まとめ

顧客ロイヤリティとは、顧客が商品・サービス・ブランドなどに抱く好意的な感情を数値化したものです。リピート率の向上や新規顧客の増加に影響を与える重要な指標なため、多くの企業に導入されています。顧客ロイヤリティの向上を狙うには、まずは顧客の満足度調査を行い、顧客を理解することが重要なポイントです。

CREATIVE SURVEYでは、顧客の満足度調査と親和性が高いアンケートツールを提供しています。インターネット調査・顧客からのフィードバック・購入後のメールなど、様々な顧客との接点から、ロイヤリティを分析できます。顧客ロイヤリティについてお悩みの方はぜひ一度お問い合わせください。

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