ファーストパーティデータ・ゼロパーティデータとは|ポストCookie時代のCX向上戦略

こんにちは、クリエイティブサーベイ法人チームです。
これまでマーケティング活動に用いられてきたサードパーティCookieの規制にともない、注目されているのがファーストパーティデータ、ゼロパーティデータです。今回は各データの違いを見ていくとともに、ポストCookie時代のゼロパーティデータを活用した顧客体験の向上について解説します。

ファーストパーティデータ・ゼロパーティデータとは

ファーストパーティデータ・ゼロパーティデータとは

デジタル化が進むとともに、広告の効果測定や顧客の購買行動を理解する上で、様々なデータが用いられてきました。まずは各データの特徴を見ていきます。

ファーストパーティデータとは

ファーストパーティデータとは、自社のチャネルを使って顧客から直接取得したデータのことです。氏名・住所・生年月日・メールアドレスなどのほか、購買履歴や自社のWebサイトでの行動履歴などもここに含まれます。顧客から直接集めるデータとなるため、情報の信頼性は高いといえます。

ファーストパーティデータは、以下の方法で収集することができます。

●自社のWebサイトでの会員登録
●自社のWebサイトでの行動履歴
●自社で行うアンケート
●POSデータ など

セカンドパーティデータとは

セカンドパーティデータとは、他社から入手したデータのことです。親会社・子会社間での共有やパートナー企業と共有するケースが多いですが、データを販売しているメディアから購入する場合もあります。セカンドパーティデータは他社にとってのファーストパーティデータであり、自社での収集が難しい情報を集めたいときに利用されることが多くなっています。

セカンドパーティデータには、次のようなものがあります。

●SNSデータ
●第三者のWebサイトでの行動履歴
●第三者が取得したアンケートデータ など

サードパーティデータとは

サードパーティデータとは、第三者が取得した外部データのことをいいます。データ収集を専門とする事業者から購入するほか、国や自治体が無料で提供しているオープンデータもここに分類されます。

サードパーティデータには、次のようなものがあります。

●WebサイトやSNSから集めたデータ
●市場調査データ
●国や自治体が公表する統計データ など

サードパーティデータの大きなメリットは、膨大な量のデータを集められることです。ただし、情報を提供する事業者によって収集方法が異なるため、データの正確性については注意を払う必要があります。

ゼロパーティデータとは

ゼロパーティデータとは、顧客が自ら提供している情報のことをいいます。ファーストパーティデータの一部と捉えることができますが、顧客自身が意図的・積極的に企業に提供するデータを区別してゼロパーティデータと呼んでいます。

ゼロパーティデータの例を以下に挙げます。

●興味関心のあること
●趣味・嗜好
●購入意向

顧客の同意のもとで集められたデータであり、貴重な情報源として注目度が高くなっています。

ポストCookie時代にゼロパーティデータが重視される理由

なぜ今、ゼロパーティデータの重要性が高まっているのか、その背景を見ていきましょう。

個人情報やプライバシー保護の観点からデータ収集における規制が強まっている中で、サードパーティデータの収集に使われるCookieは廃止される方向で進んでいます。

そもそもCookieとは、Webサイトを訪問したときの行動履歴を保存するテキストファイルのことです。これまでマーケティング活動の様々な場面で活用されてきましたが、一方でユーザー側が利用されることに対して不安や不快感を持つことが指摘されてきました。

AppleのSafariではすでにサードパーティCookieが制限されており、GoogleのChromeも2023年を目途にサードパーティCookieをブロックすることを公表しています。こうした背景のもとポストCookie時代に突入している今、Cookieに頼らずに顧客情報を収集するファーストパーティデータやゼロパーティデータに注目が注がれているのです。

情報の信頼性が高くパーソナライズ化に対応

サードパーティデータの場合、膨大な行動履歴データをマーケティングに活かせるというメリットがありますが、実際に顧客がどのような背景や考えのもと行動に移しているのかは、あくまでも想像となります。

ゼロパーティデータは顧客が自ら積極的に提供しているデータであり、情報としての正確性・信頼性が高いといえます。言い換えれば、ユーザーは自身の情報を提供することによって何らかのメリットを期待している、あるいはより自分に適したサービスの提供を期待していると見ることができます。

つまり、企業側はゼロパーティデータを活用することで、より精度高くパーソナライズ化に対応できるようになり、自社独自の価値を提供しやすくなるといえます。

ゼロパーティデータの集め方

ゼロパーティデータの集め方

ゼロパーティデータを集める方法を見ていきましょう。

アンケート

ゼロパーティデータの収集方法として代表的なのがアンケート調査です。ただし、ここで留意したいのは、ユーザーは情報を提供することにより何らかのメリットを期待しているということです。そのため、データを取得するためには対価を明確にすることがポイントとなります。

たとえば、プレゼント企画やキャンペーン、イベント・セミナーなどを実施してアンケートを取る、アンケートに回答した人には特典を付与するなどの方法があります。

SNS・チャット

顧客と直接コミュニケーションできるチャネルにおいて、ファーストパーティデータを集めるという方法もあります。たとえばSNSやチャット、コールセンターなども情報収集の手段となります。

具体例を挙げると、これらのチャネルを使って興味関心があるジャンルや趣味・嗜好についてヒアリングし、データを蓄積していくというやり方があります。ただし、いずれの場合も情報提供に関する同意を忘れずに取ることが必要です。

ゼロパーティデータの活用による顧客体験の向上

ゼロパーティデータの活用による顧客体験の向上

ゼロパーティデータは、顧客体験の向上に役立てられる貴重な情報です。どのような活用方法があるのか見ていきましょう。

カスタマージャーニーの解像度を上げる

購買行動が多様化している今、カスタマージャーニーマップを作成してマーケティング施策を検討している企業も多いでしょう。しかし、顧客情報が不足しているためにリアリティを欠くものとなってしまい、結果としてうまく活用できていないというケースも少なくありません。

ゼロパーティデータは、顧客が自ら提供してくれる価値の高い情報源です。カスタマージャーニーマップの解像度が高まり、より有効な施策につなげることができます。

データを統合してパーソナライズ化を実現

顧客データを部署単位で管理しているという企業も多いでしょう。しかし、顧客体験の向上を目指すには、商品・サービスの購入前から購入後までの全体の流れの中で顧客理解を深めることが第一歩です。

収集したゼロパーティデータを統合して管理することで、よりパーソナライズされたサービスの提供が可能になり、顧客満足度や顧客ロイヤリティにつながっていきます。また、これを実現する上では、顧客データを統合管理できるツールやシステムを導入するなどして仕組み化することもポイントです。

顧客のフィードバックを商品・サービスの改善に活かす

ゼロパーティデータは、商品・サービスの改善に活用することができます。たとえば、アンケートやインタビュー調査を実施して、商品・サービスに関するフィードバックをもらい、改善していくという方法があります。

ここで重要なのは、フィードバックしたユーザーが自分の顧客体験が向上したと感じられるようにすることです。実感を得たユーザーは満足度やロイヤリティが向上し、より良い関係性が構築されます。

ゼロパーティデータはパーソナライズ化を実現する鍵

ポストCookie時代にあって、ゼロパーティデータはパーソナライズ化を実現する鍵であり、顧客との良好な関係性を築く上で欠かせないものになっていくといえます。ゼロパーティデータを有効活用するには、収集と管理が重要になります。ビジネスの継続的な成長を目指す上でも、早期に取り組む必要があるといえるでしょう。

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