顧客満足度調査(CS調査)|成功のポイントとアンケート項目・分析手法の例

自社の商品・サービスを向上させる上で欠かせないのが顧客満足度調査(CS調査)です。顧客視点から現状を客観的に把握することで、顧客体験の向上につなげることができます。ここでは、顧客満足度調査を成功に導くポイント、アンケート項目例、分析手法の例を紹介します。

 

顧客満足度調査(CS調査)を成功に導く5つのポイント

顧客満足度調査(CS調査)を成功に導く5つのポイント

有意性のある顧客満足度調査を実現するには、設計段階をしっかり行っておくことが重要です。押さえておきたい5つのポイントを見ていきましょう。

1.調査目的を明確にする

顧客満足度調査を設計する際の第一歩は、実施目的を明確にすることです。「調査によって何を明らかにしたいのか」「次にどのようなアクションにつなげていきたいのか」の2つを具体的にすることがポイントです。

顧客満足度調査で明らかにできるのは、次のようなことです。

・ 商品・サービスに対する満足度・評価
・ 満足度を高めている要素・下げている要素
・ 満足・不満と回答したユーザーの特徴
・ 商品・サービスに対してユーザーが期待すること
・ 競合の商品・サービスと比較した場合の強み・弱み

求める結果を得られる顧客満足度調査となるよう、目的を明確にしておきましょう。

2.調査手法・対象者を決める

顧客満足度調査の方法には次のものがあります。実施目的に応じて選択します。

●Webアンケート調査
顧客満足度調査の代表的な方法がWebアンケートです。様々なユーザーを対象にした調査が可能で、母数を数多く集めたい場合に適しています。アンケートの回答形式を「選択式+自由記述」にすることで、ユーザーの実態や意識を定量・定性の両面から把握することができます。

●グループインタビュー調査
テーマを決めて、複数人のグループにインタビューする調査方法です。ターゲットと同じ属性・特徴を持つ参加者を5~8人程度集めて行うのが一般的です。定量調査では収集できないような意見やアイデアを引き出せるというメリットがあります。昨今では、オンラインで行われるケースも増えています。

いずれの調査方法においても、事前に調査対象を明確にしておくことが必要です。調査目的に沿って、以下の観点から決めるとよいでしょう。

・ 自社がターゲットとするユーザーの属性・特徴に該当する人を対象とする
・ 「直近〇年以内に購入実績あり」など特定の条件に該当する人を対象とする

3.指標を決める

顧客満足度には機能的な価値・感情的な価値の両面が影響しており、顧客の期待値を満たしたり超えたりしている場合に高い評価となります。そのため、事前に顧客満足度を測る指標を明確にしてから質問項目を考えることが大切です。多く用いられているのは、次の2つの指標です。

●JCSI
JCSI(Japanese Customer Satisfaction Index)は、顧客満足度における要因と結果に着目して6つの指標からスコアリングする手法です。指標は以下の通りです。

・ 顧客期待:利用前の期待・印象
・ 知覚品質:利用して感じた品質への評価
・ 知覚価値:顧客が感じる価値への納得感やコストパフォーマンス
・ 顧客満足:利用後の満足度合い
・ 推奨意向:他者への推奨度合い
・ ロイヤリティ:継続的利用の意向

それぞれの指標ごとに質問し、100点を満点として数値化します。

●NPS®
NPS®(ネット・プロモーター・スコア)は、顧客ロイヤリティを数値化する方法です。「この商品・サービスを他者に勧めたいか」という質問を投げ、0~10点で評価してもらいます。次の計算式でスコアリングします。

・ 0~6点:批判者
・ 7~8点:中立者
・ 9~10点:推奨者
【NPS®=推奨者の割合-批判者の割合】

NPS®は業績との相関が高く、LTV(顧客生涯価値)への影響が大きいことがわかっています。調査方法・集計がいたってシンプルなため、顧客満足度調査では多く活用されている指標です。

※ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、NPS、そして NPS 関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

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4.分析方法を決める

アンケートの質問項目を決める前に、どのように分析するかを決めておくことで質問項目や回答形式を設計しやすくなります。

たとえば、「どんな顧客が・何に・どれくらい満足しているか」といった結果を得たい場合は、クロス集計による分析を前提とした質問設計が必要になります。あるいは、商品・サービスに対するイメージや、満足・不満のキーワードなどを知りたい場合にはテキストマイニングによる分析が有効ですが、こうしたデータを得たい場合は、あらかじめ自由記述式の項目を設けておく必要があります。

調査で得たデータをどのように分析・活用するかによって、適切な質問・回答形式が変わってくるので、事前に決めておきましょう。

5.目的に合わせた質問を設計する

質問項目を考えるときは、調査目的・対象者・指標・分析方法を踏まえて設計することが失敗を防ぐポイントです。たとえば、調査結果をサービス改善に役立てることが目的の場合は、「どのような顧客に・何をすべきか」を明らかにするための質問が必要になります。

また、事前に顧客の心理・行動における仮説を立てたうえで質問項目を考えることも必要です。たとえば、「継続意向を下げる要因は、○○や○○が想定されそう」といった仮説がなければ、適切な質問を投げられず有意性のあるデータを集められません。仮説を立てるのが難しい場合は、関連部署にヒアリングするなどして情報収集しましょう。

顧客満足度調査(CS調査)アンケート項目の作り方

顧客満足度調査(CS調査)アンケート項目の作り方

顧客満足度調査を行う際のアンケート項目の作り方を見ていきましょう。

アンケート項目の例

一般的な顧客満足度調査のアンケート項目例を以下に挙げます。調査目的に応じて取捨選択しましょう。

・ 回答者の属性(年齢・性別・居住地・職業など)
・ 商品・サービスを知ったきっかけ・経路
・ 購入理由
・ 購入頻度
・ 満足度(総合的な満足度、各機能・サービスなどの部分的な満足度)
・ 満足の理由・不満の理由
・ 競合の商品・サービスとの比較(品質・機能・価格・サポートなど)
・ 継続意向
・ 他者への推奨度合い(NPS®)
・ 商品・サービスに対するイメージ
・ 商品・サービスに対する要望・意見

アンケート項目を設計するときの注意点

アンケート項目を設計するときは、以下の点に留意しましょう。

回答者に負荷を与えない質問数にする

質問数が多すぎると「答えるのが面倒」と思われ、回答率に影響します。質問数は20個以内に抑えるのが理想です。また、回答にどれくらいの時間を要するのか、目安時間を冒頭で伝えるなどして負担に感じさせない工夫も大切です。

適切な回答形式にする

アンケートの回答形式には、以下のようなものがあります。「質問内容に適しているか」「想定している分析ができるか」という点を踏まえたうえで、最適な回答形式を選びます。

・ 単一選択:選択肢から1つのみ選ぶ
・ 二者択一:Yes/Noを選ぶ
・ 複数選択:該当するもの全てを選ぶ
・ 段階選択:複数の段階から合致するものを選ぶ
・ 自由記述:自由に答える

顧客満足度調査(CS調査)の分析手法

顧客満足度調査(CS調査)の分析手法

顧客満足度調査で用いられる代表的な分析手法を紹介しましょう。

単純集計

単純集計は項目ごとの割合や平均値などを算出する分析方法で、大まかな傾向をつかみたいときに用います。数値化できる回答形式であれば、全てに適用できます。グラフ化するなど、視覚的にわかりやすく整理するのがポイントです。

クロス集計

クロス集計は、複数の項目を組み合わせて集計する分析方法です。単純集計よりも深堀りした分析ができます。たとえば、「ユーザー属性による満足度や購入頻度の違い」「購入理由による満足度の違い」といった分析が可能です。質問項目が漏れてしまわないよう、クロスさせたい質問項目は事前に決めておきましょう。

ポートフォリオ分析

ポートフォリオ分析とは、とくに重要となる2つの軸を縦軸・横軸に置き、4象限マトリクスにして優先度を明らかにする手法です。顧客満足度調査におけるポートフォリオ分析では、縦軸に「重要度」、横軸に「満足度」を置くのが一般的です。

ポートフォリオ分析

優先度は、以下のように判定します。

・ 重要度高い&満足度高い領域:重点的に維持(影響度大)
・ 重要度高い&満足度低い領域:重点的に改善(影響度大)
・ 重要度低い&満足度高い領域:維持(影響度小)
・ 重要度低い&満足度低い領域:改善(影響度小)

重要度は、総合的な満足度への影響が高い項目という観点で判断します。満足度に影響を与えている各要素を分布させることで、優先的に取り組むべきことが視覚的にわかりやすくなる分析手法です。

分析する際の注意点

分析の精度を上げるには、一定数以上の母数が必要という点に注意しましょう。母数が少ない状態で分析すると、データの偏りが大きくなり、誤った判断につながってしまう可能性があります。とくに、クロス集計のように項目を細かく見ていく場合は、データとしての信頼に足る母数になっているか確認しましょう。

次のアクションに活かせる顧客満足度調査を

顧客体験の向上が売上に多大な影響を与える今、顧客満足度調査(CS調査)の位置づけはより重要なものとなっています。調査結果をどのように活かすのかという点が肝要であり、そのためには事前の設計段階をしっかり行う必要があります。また、プロダクトの改善に役立てるには、定期的に実施していくことも大切です。成功のポイントを押さえたうえで、次のアクションに活かせる調査を行いましょう。

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