市場調査の分析手法|定量・定性データを分析して市場構造を把握しよう

マーケティング戦略を検討する際は、まず市場の特性や傾向を分析することが重要です。分析に役立つフレームワークや市場調査を活用すれば、市場の実態を把握しやすくなります。今回は、市場分析の基本的なフレームワークや、市場調査の主な分析手法を紹介します。

戦略の精度向上に不可欠な市場分析

競争力の高い商品やマーケティング施策を展開するためには、対象となる市場を分析して理解を深めるプロセスが不可欠です。

市場分析の方法は多岐に渡りますが、フレームワークを用いて外部環境(自社でコントロールできない領域)や内部環境(自社でコントロール可能な領域)などを分析するのが一般的です。

市場分析の基本フレームワーク

ここでは、市場分析に役立つ3つのフレームワークを紹介します。

◆PEST分析

PEST分析とは、下記4つの観点から市場に影響を及ぼす外部環境を分析する手法です。

Politics(政治的要因):法律、税制、政治動向など
Economy(経済的要因):経済成長、為替、株価など
Society(社会的要因):人口動態、流行、ライフスタイルなど
Technology(技術的要因):技術革新、特許など

自社ではコントロールできない外部要因をマクロ的な見地から整理することで、事業を展開する上での機会やリスクの発見につなげます。

◆SWOT分析

下記4つの観点で、事業を取り巻く内部環境と外部環境を分析する手法です。

<内部環境>
Strength(強み) :自社の長所や得意な領域
Weakness(弱み):自社の短所や苦手とする領域

<外部環境>
Opportunity(機会):目標達成を後押しする環境の変化
Threat(脅威)   :目標達成の障害となる環境の変化

各項目を洗い出し、自社が置かれている現状を把握することで戦略策定に役立てます。さらに分析を深めるには、4つの要素を掛け合わせて分析する「クロスSWOT分析」が有効です。

◆STP分析

自社の戦略を決めるにあたり、下記3つの要素で市場を分析する手法です。

Segmentation(セグメンテーション):顧客の行動特性やニーズをもとに市場を細分化する
Targeting(ターゲティング):狙うべき市場を決める
Positioning(ポジショニング):市場における自社の立ち位置を決める

STP分析では、どの市場でどのような顧客をターゲットに設定し、どう差別化しながら戦略・施策を展開していくかを整理しやすくなります。

以下の記事も参考にしてください。

マーケティングミックスとは|4P・4C分析のフレームワーク・CX(顧客体験)との関係
https://jp.creativesurvey.com/blog/posts/marketingmix-20211109/

市場調査で分析を深める

市場分析に用いる情報・データの収集方法としては、デスクリサーチや社内の既存データ活用などが挙げられます。しかし、それらだけでは情報不足やデータが古いことがあり、市場の実態を把握しきれない場合があります。

市場分析を適切に行うには、アンケート調査(定量調査)やインタビュー調査(定性調査)などの市場調査による情報収集も効果的です。顧客やターゲットに自社商品の強みやライフスタイルなど様々な項目を聞くことで、外部環境や内部環境の把握に役立つ情報を収集できます。

また、市場調査で収集したデータは、目的に応じた分析を行うことで市場構造の理解を深めることが可能です。

市場調査の分析~定量データの分析手法~

定量調査の回答データは、単純集計やクロス集計で大まかな傾向を把握できます。しかし、簡易的な分析に留まるため、市場の実態やターゲット特性などを詳細に分析したい場合は、一歩踏み込んだ分析手法を用います。

ここでは、市場分析に役立つ定量データの分析手法を4つ紹介します。

クラスター分析

クラスター分析とは、様々な性質のものが混在した集合体を、類似した性質を持つ小さな集団(クラスター)に分類する手法です。例えば市場調査では、回答結果を元に回答者を行動特性や価値観などでグルーピングします。

”似たもの同士”のクラスターに分類することで、年齢・性別・居住地域などのデモグラフィック属性によるグルーピングでは見えてこない「行動・心理面の傾向」を捉えることが可能です。

クラスター分析の結果は、顧客のセグメント分類やターゲット層の設定、商品のポジショニング分析などに活用できます。

クラスター分析については以下の記事も参考にしてください。

知っておくと便利なアンケート分析の手法8つ|分析の質を高めるポイント
https://jp.creativesurvey.com/blog/posts/survey_20220330/

コレスポンデンス分析

コレスポンデンス分析とは、アンケート調査などのクロス集計結果を、散布図などで可視化する手法です。例えば、ある商品のブランドイメージ調査で評価項目が12個あり、対象者を年齢・性別で10区分に分けて分析したい場合、120セルのクロス集計表を読み込むことになります。

このように分析項目が多い場合でも、コレスポンデンス分析を行えば分析結果が視覚的にわかりやすく表現されるため、自社商品や競合他社商品のポジショニングの違いを一目で把握しやすくなります。

<分析結果の例>

 

コンジョイント分析

コンジョイント分析は、商品・サービスの構成要素(機能、価格、サイズ、色など)が、購入意向や満足度にどの程度寄与しているかを調べる手法です。具体的には、各要素のすべての組み合わせから一部を抽出してカードを作成し、対象者に点数や順位を付けてもらいます。集計データを元に顧客が重視する要素が算出されるため、最適な仕様を把握することができます。

また、コンジョイント分析は自社と競合他社の商品仕様を比較したシミュレーションにも用いられます。価格や機能などの仕様変更により、顧客のマインドシェアや市場シェアにどのような変化をもたらすかを分析することが可能です。

PSM分析

PSMはPrice Sensitivity Meter(価格感度メーター)の略語で、商品・サービスが市場で受け入れられる価格帯を調べる分析手法です。対象者に「高いと感じる価格」「安いと感じる価格」「高すぎて買えないと思う価格」「安すぎて買いたくない価格」の4項目について回答してもらい、その結果から下記4つの価格を導き出すことができます。

上限価格
下限価格
妥協価格
最適価格

<分析結果の例>

 

市場調査の分析~定性データの分析手法~

市場分析では、インタビュー調査やSNSなどのソーシャルメディアで収集した定性データを取り扱うこともあります。多種多様な情報が混在しているため分析には多くの労力を要しますが、定性データに特化した分析手法を用いれば効率よく分析を進めることが可能です。

ここでは、定性データの代表的な分析手法を3つ紹介します。

アフターコーディング

アフターコーディングは、自由記述の回答をカテゴリーに仕分けてコードを割り振っていく手法です。例えば、「ポジティブな意見」「使い勝手」「カスタマーサポート」など、分析のポイントとなりそうな内容やキーワードでコード化します。これにより、膨大な定性データを定量データに変換でき、集計・分析がしやすくなります。

以下の記事も参考にしてください。

自由記述のアンケート集計(アフターコーディング)|NPS®を定性分析する方法
https://jp.creativesurvey.com/blog/posts/free-answer-20210914/

テキストマイニング

テキストマイニングは、テキストデータを文節や単語に分解・集計し、出現頻度や単語間の関連性などを分析する手法です。専用ツールを用いれば、分析結果が視覚的にわかりやすく可視化されるため、大量のテキストデータを読み込むことなく全体の傾向や特徴的な項目を把握できます。インタビュー調査の回答分析の他、コールセンターのやりとりやSNSの書き込みの分析にも有用です。

ソーシャルメディア分析

TwitterやInstagramなどのソーシャルメディアの投稿内容を収集・分析する手法です。例えば、自社や競合他社に関する投稿の数や内容、時系列の変化から、ブランドイメージやポジショニングの違い・変化を調べることができます。また、どのような投稿に「いいね」やリツイートが多く拡散されやすいかを測定し、市場の関心度やトレンドを把握することも可能です。

ソーシャルメディアには顧客やターゲットの生の声がリアルタイムに発信されているため、アンケートやインタビュー調査だけでは把握しづらい意見・アイデアの発見につながります。

ビジネスを取り巻く環境を分析しよう

ビジネスを取り巻く環境が複雑化している昨今、市場分析はマーケティング戦略の精度を高めるカギとなります。市場の実態を把握するには、アンケート調査やインタビュー調査などの市場調査による情報収集・分析が効果的です。調査で収集した定量データ・定性データを適切に分析すれば、SWOT分析やSTP分析などを深めることが可能です。ここで紹介したフレームワークや分析手法を参考に、外部環境や内部環境を分析しましょう。

※ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、NPS、そして NPS 関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

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