SFAを営業分析に活用するときのポイント|アンケート連携による活用術
限られたリソースで生産性を高めることが重視される昨今、営業活動を支援するSFA(営業支援ツール)や営業分析を取り入れる企業が多くなっています。ここでは、営業分析手法やSFAの機能を整理するとともに、アンケート連携によって、より有効に活用する方法を紹介します。営業分析とは
営業分析とは、顧客の動向と営業プロセスの両面から様々なデータを集めて分析することです。まずは、営業分析のメリットと手法、重視される指標について見ていきましょう。
営業分析をするメリット
営業分析をするメリットは、以下のように整理できます。
顧客ニーズへの的確な対応
顧客ニーズが多様化している現在では、これまで売れていたものが売れにくくなってしまうことも珍しくありません。業績が下がっている理由がわからないまま、従来の戦略を継続しているだけでは回復が見込めません。営業分析によって顧客ニーズをいち早く捉えることで、迅速かつ的確な対策を講じられるようになります。
営業プロセスの効率化
経験や勘は営業個人にとっては強みとなりますが、社内にノウハウが蓄積されない、ナレッジが体系化されていないため新人が育たないなど、組織全体としての生産性からみるとマイナス面が出てきます。営業分析により成功要因や失注要因を客観的に把握できるようになれば、効率的に売上を伸ばす営業プロセスの構築が可能です。
営業分析の手法
営業分析に用いられる、代表的な手法を見ていきましょう。
顧客の動向を分析
顧客ニーズの把握に役立つのが、以下の分析手法です。
●動向分析
顧客の動向を、売れ筋商品・購入時期・購入金額・購入頻度などから分析する手法です。営業戦略の方向性を検討したいときに役立ちます。地域別・競合比較・顧客の業種別など、より細かく見ていくことで傾向を把握しやすくなります。
●要因分析
要因分析は、動向分析で得られた結果の要因を探るために行います。売上が落ちている要因を特定したい、売上が伸びている要因を特定して展開を広げたいといったときに役立ちます。分析には、アンケート調査などを活用して情報収集することが必要です。
●検証分析
動向分析・要因分析をもとに実践した結果を検証するのが検証分析です。単に良い・悪いの結果だけでなく、そこからどのような方向性が見出せるのか、次にどのように活かせるのかといったネクストアクションにつなげることが重要になります。
営業プロセスを分析
営業活動に焦点を当てたものが営業プロセスの分析です。以下の手法があります。
●KPI分析
営業部門では、様々なKPIを用いながら行動管理することが多いでしょう。KPI分析は、KPIの達成度を見ながら、どの指標に課題があるのかを把握したいときに役立ちます。KPIの優先順位を決めたり、リソース配分を検討したりする際にも用います。
●行動分析
行動分析とは、営業担当一人ひとりの行動を詳細に分析する手法です。たとえば、成果を上げている営業と成績が良くない営業との差がどこにあるのかを客観的に知ることで、スキル格差がなくなるように指導・育成できるようになります。
また、顧客の特性や規模と営業担当との相性を見たり、チーム別の課題の傾向をつかんだりすることで、より生産性の高い営業活動に役立てることができます。
営業分析で重要となる指標
営業分析で重視される指標には、次のものがあります。自社の戦略に応じて取り入れましょう。
●アポイント獲得数
●訪問件数
●有効商談数
●クロージング数
●成約率
●新規顧客の獲得数・売上
●平均顧客単価
●リードタイム(初回アプローチから受注までの期間)
SFAとは
SFA(Sales Force Automation)は営業支援システムと訳されるように、営業活動を様々な面からサポートして効率化や業績アップにつなげるツールです。
SFAの機能と実現できること
SFAの機能は多岐にわたり、ベンダーによっても提供しているサービスは異なります。ここでは、基本的な機能と実現できることを見ていきます。
顧客管理
SFAでは、顧客の基本情報や取引履歴を管理できます。営業担当が異動や退職をした場合にも引継ぎに手間取ることがなくなるため、顧客とのトラブルを防ぐことができます。
行動管理
SFAには、次のような営業プロセスを管理する機能が備わっています。
●アポイント数
●訪問件数
●商談数
●クロージング数
●成約率
活動内容が見える化されることで進捗管理ができるとともに、営業個人やチーム単位での課題発見や改善に活かすことができます。
案件管理
案件ごとに、受注までの進捗を管理することができます。具体的には、次のような項目があります。
●営業先の基本情報
●進捗状況
●受注見込み確度
●受注見込み金額
●受注予定日
状況を把握しやすくなるほか、適切なアドバイスができるなどマネジメントに役立つ機能です。
商談管理
個々の商談に関する情報を詳細に管理できる機能です。以下の項目があります。
●決裁者
●商談履歴
●提案内容
●次回アクション
トップセールスマンの商談の進め方を共有して、営業組織全体のスキル向上に役立てることもできます。
予実管理
SFAには、売上予測や実績との差異を管理できる予実管理機能があります。営業個人・チーム単位のほか、顧客別・商材別など様々な角度から見ることができるため、状況を見ながらリソース配分を変えるなどの対策を迅速に行えるようになります。
SFAを活用するメリット
SFAを活用するメリットには、次のものがあります。
営業活動の効率化・平準化
SFAの大きな特長は、営業活動を可視化できることです。営業担当別・商材別・顧客の業種別など様々なデータを分析できるため、営業上の課題発見や次のアクションにつなげるための動きが効率化されます。
また、日々の営業活動により得られた様々な情報が蓄積されるため、ナレッジ共有による平準化が図られます。
意思決定のスピードが向上
SFAでは顧客の動向や営業状況を素早くデータ分析できるため、スピード感ある意思決定が可能になります。客観的なデータをもとに、精度の高い営業戦略の立案に役立てることができます。
SFAを営業分析に活用するときのポイント
SFAは営業活動を管理するためのものと思われがちですが、SFAの本領は様々なデータをもとに営業分析し、業績向上につなげられることにあります。活用するときのポイントを見ていきましょう。
営業の行動データをプロセス改善に活かす
SFAには、日々の営業担当の活動がデータとして蓄積されます。営業プロセス上の課題を把握することで、改善に活かすことができます。以下の観点を参考に、自社の課題を明らかにしましょう。
●課題となるプロセスは何か
●営業担当別・チーム別のプロセス上の課題は何か
●顧客の特性による課題は何か
失注分析・商談分析を次のアクションに活かす
失注が増えたり商談がうまくいかなかったりする要因には、商品力やコスト面のほか、営業活動の問題が潜んでいる場合があります。失注分析・商談分析により課題を明確にし、次のアクションに活かすことが大切です。
●失注要因は何か(個人別・チーム別・商材別・顧客別など)
●競合に負ける要因は何か
●自社が不得手な顧客の規模・業種は何か
●商談時の弱みは何か
SFAとアンケートを連携する活用術
SFAの営業分析を業績アップにつなげるには、顧客の情報を迅速かつ精度高く収集することが重要になります。そこでおすすめしたいのが、SFAとアンケートを連携させる方法です。
ここでは、Salesforceと連携できる「CREATIVE SURVEY for Salesforce(※1)」を紹介します。
SFAとアンケートを連携する「CREATIVE SURVEY for Salesforce」とは
「CREATIVE SURVEY for Salesforce」は、Salesforceから顧客ごとにアンケートを配信できるサービスです。回答データはSalesforceに自動的に反映されるため、情報を即座に一元管理できます。
顧客のフェーズに合わせて適切なタイミング・内容を配信できるため、営業分析や失注分析に役立ちます。多様なアンケートフォームを使って簡便に作成できるほか、ロゴや背景の設定など、自社のイメージ通りのデザインにすることも可能です。
アンケート連携の活用例
「CREATIVE SURVEY for Salesforce」は、次のような場面に活用できます。
商談前のヒアリング
商談前に顧客が抱える課題をキャッチアップすることで、商談準備の効率化ができるうえ、より確度の高い提案が可能になります。
商談後のヒアリング
商談後のヒアリングでは、営業担当に対する評価のほか、受注確度・受注時期といった情報を集めることができます。
失注要因のヒアリング
SFAへの失注要因の入力は通常であれば営業担当が行いますが、顧客の本音を拾いにくいケースもあります。顧客から直接ヒアリングすることで、今後の打ち手に役立てることができます。
利用状況のヒアリング
商品・サービスを利用している顧客に利用状況をヒアリングすることで、アップセル・クロスセルの提案や契約更新に役立てることができます。
顧客ロイヤリティの計測
「CREATIVE SURVEY for Salesforce」では、顧客ロイヤリティを計測するNPS®(※2)を使った調査も可能です。マーケティング活動に役立てることができます。
SFAをより有効に活用しよう
SFAは営業活動を効率化するとともに、営業分析によって業績向上につなげることができるツールです。市場競争が激しくなっている今、営業活動で得られたデータを有効活用する重要性はますます高くなっています。今回紹介したアンケートとの連携など、新たな活用術も取り入れながら自社の競争力強化に役立てていきましょう。
※1:CREATIVE SURVEY for Salesforce 「
https://jp.creativesurvey.com/」
※2:ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、NPS、そして NPS 関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。