不動産購入・ローン審査の申込書をデジタルフォームに – Salesforceとの連携で煩雑な審査業務を自動化 –

株式会社メイクス

  • セールス
  • 建設・不動産
  • 課題

    • 紙の申込書では記入不備による営業工数、Salesforceへのデータ入力などの多くの工数がかかっていた
    • 同時に複数申し込みをする際に、同じ内容を何度も記入する手間がお客様に発生していた
  • 施策

    • 申込書をデジタルフォームに移行。Salesforceに入力されたデータからローン審査までの工数を自動化
  • 結果

    • 申込フォーム回収からローン審査までの効率があがり、営業部・管理部業務の工数が大幅に削減
    • お客様へ紙の申込書にご記入いただく手間がなくなり、顧客体験が向上。審査結果のご連絡までのリードタイムも短縮

株式会社メイクス様は、投資用マンションの企画・開発・販売を通じて、お客様の資産運用をコンサルティングされている不動産会社で、お客様の資産形成をサポートされています。

同社では、物件購入時のローン審査に必要な情報を取得するための不動産購入申込書を従来の紙からデジタル化するにあたり、『CREATIVE SURVEY for Salesforce』を導入し、Salesfoceとのデータ連携を自動化、審査に掛かる工数を大きく削減されています。 導入の経緯や導入によって得られた効果について、同社の山口様、竹内様、馬場様、酒井様、宗像様にお話を伺いました。

左より竹内様、山口様、宗像様、馬場様、酒井様

※以下、敬称略

不動産購入や金融機関へのローン審査のプロセスをデジタル化し購入体験を高めたかった

Q.貴社の事業内容とご担当の業務を教えてください。

山口:弊社は東京・名古屋・広島で、投資用不動産の企画・開発・販売を行う不動産会社です。現在は博多、大阪の方でも物件開発の検討を重ねており、 今後はメイクスに来たら全国の投資商品が選べるという状態を目指して事業展開をしております。

酒井:我々が他の投資不動産会社と異なるのは、新規オーナー様の93%が既存オーナー様からのご紹介での成約、リピート成約率が54%と、1人のオーナー様に対して満足度を上げ、次のお客様を紹介してもらうというビジネスモデルで展開している点です。調査会社が行う業界データでは一般的に顧客満足度70%といったデータもありますが、弊社で行った顧客満足度調査では満足度90%と、大きく差をつけた数値です。

山口:弊社は住環境づくりを通じて心と体の健康寿命100歳創りに貢献するという理念を体現したいと考えており、お客様からのリピート率の高さはそういった部分にも現れているかと思います。

Q.それぞれのご担当されている業務を教えてください。

山口: 私と竹内は収益不動産を販売するコンサルティングセールス本部の所属となり、私は営業責任者をしております。

酒井:私と馬場はIT戦略・デジタルマーケティング部の所属で、私はIT戦略課の課長をしております。実質的なSalesforceの担当は馬場で、私は全体の方向決めや企画の仕事をしています。

宗像:私は売買契約や物件の決済・引き渡しといった営業のサポート業務などを行う業務管理本部の所属となります。

Q.CREATIVE SURVEY for Salesforceの導入に至った経緯について教えてください。

山口:以前は物件の購入申し込みを紙の申込書でいただいていたのですが、原本保管がとても大変であったり、記入ミスがあった時にもう一度書き直していただく工数も発生していました。それ以外にもお客様が控えを紛失してしまうといったケースもあり、紙での申し込みではなくデジタル上で行えるようにしたいと考えていました。

理想としては購入申し込みからローン審査までをデジタルで完結する、といった形をつくりたいと考えていたのが経緯の発端です。

お客様としても申し込みが紙であると記入に手間を感じられることも多く、良い体験ではなかったと思います。

竹内:投資用不動産の物件購入となると同じマンションで1度に5部屋購入するという場合もあるのですが、金融機関によっては1部屋ごとに申込書が必要なこともあり、同じ申込書を5枚ご記入いただくというお客様側の負担も発生していました。

山口:そういった紙文化の慣習が色濃く残る業界なので、 弊社では徐々にデジタル化を進めてお客様負担をなくし、少しでもお客様の購入体験を良いものに変えたいと考えていました。

それ以外にもセキュリティなどの部分において、紙で行うことがリスクになる場合もありますので、管理上の課題もありました。

酒井:サービスの選定の基準は、弊社の顧客管理基盤であるSalesforceと連携ができることを大前提としていて、弊社のやりたいことを実現できるサービスを選定していく課程でCREATIVE SURVEY for Salesforceに絞られました。

Salesforceとの連携の部分以外にも、ツール自体の運用のしやすさやカスタマイズの柔軟性、お客様が操作する上での見やすさや使いやすさなども選定の理由になります。

データが自動的に連携することでSalesforceの活用範囲が拡大

Q.CREATIVE SURVEY for Salesforceを活用した施策について教えてください。

馬場:現在行っている施策は、金融機関へのローン審査の申し込みのための情報取得を含めた、不動産購入申込フォームでの利用がメインとなっています。

それ以外にもデジタルマーケティング領域では、オーナー様にお集まりいただく懇親会や勉強会といったイベント企画の参加受付、イベント終了後のアンケートといったところでも利用しています。

酒井:Salesforceと連携はしていませんが、人事部では新卒採用の申し込み時にも活用しています。本選考に入る際に申し込み受付フォームとして使うなど幅広く利用しています。

Q.不動産購入申込フォームの利用について詳しく教えてください。

山口:フォームの内容は、購入にあたってお客様にご認識いただきたい重要事項の説明や確認、申し込む不動産の情報、ローン審査に関連するお客様の資産状況などの情報です。

具体的なフローとしては、金融機関へのローン審査を出す前に弊社へ物件申込をする段階で、フォームURLをお客様に送付し回答いただいています。お客様とのやり取りによって、LINEなどメール以外の方法で送る場合もあります。お客様がフォームへの入力を完了するとSalesforceへ回答が自動連携されるという流れです。

馬場:お客様にお送りするフォームのURLについては、Salesforceに登録されているお客様それぞれに紐づく形の「Web申込書」という専用のカスタムオブジェクトを作っており、そこでお客様ごとのユニークなURLが生成されるように設定しています。

また、フォームで回答された内容を使って、Salesforce上で融資枠の自動計算を行うしくみを最近構築しました。融資先の金融機関が複数あるため、お客様1人1人に対してこの金融機関なら融資がおりそうといった計算を正確に行うことは非常に重要です。お客様がフォームに回答したらデータがリアルタイムにSalesforceへ反映され、自動で計算されるような仕組みを構築しています。

お客様に審査の結果をお伝えするまでのスピードも、以前よりかなり短くなりました。

Q.CREATIVE SURVEY for Salesforceの導入以前とどのような変化がありましたか?

竹内:以前の紙の申込書のときの問題点として、ローン審査に必要な情報が網羅的に管理できていなかったということがありました。また、あとからお客様に審査情報を問い合わせるなど手間もかかっておりました。

酒井:CREATIVE SURVEY for Salesforceでは、必須項目の設定などで漏れなく情報を集めることができ、入力規則の設定などで正確な情報をしっかりとご入力いただけるので、情報の精度が向上し、金融機関にローン審査を出す前の社内での事前審査時間が早くより正確に行えるようになったというところは間違いないです。無駄なローン審査を金融機関側に出さなくてよくなりましたね。

内部の工数としても、以前は金融機関審査に使用するExcelフォーマットが古かったために新しいフォーマットに入力し直すといった工数も発生していました。

ローン審査が通るかどうかを社内で事前判断するために用いていたExcelフォーマットは、金融機関ごとに複数存在し随時の更新も行われていたため、担当営業が間違って古いフォーマットに記入してしまうということもありましたが、今ではSalesforce上のデータをもとに自動でデータ連携をして事前審査の判断が完結するようになりました。

山口:入力内容の不備による審査の手戻りも減りましたね。紙の申込書では必要な情報を省略されてしまうことなどもあり、その場合は担当営業がお客様から聞いた内容をもとに一部補完してExcelフォーマットへ入力をし、その情報で融資可能かの事前審査をするしかありませんでした。しかし、事前審査で融資が通ると社内判断し実際のローン審査を進めていくと、実は審査が通らなかったといったことも発生していました。そうすると契約管理部でのそれまでの工数も無駄になってしまいます。

現在はお客様に入力していただいた正確な情報がデータとしてSalesforceに入り、そこから融資可能かの判定までしてくれるようになったので、契約管理部の工数削減は非常に大きいですね。

宗像:今まではアナログで書類を見て数字を確認し、Excelフォーマットに打ち込むという作業を申し込みがある度に毎回行っていました。また、営業側が聞いてきた情報とお客様が言っている情報に相違があって、実際に書類を作ってからもう一度手打ちでやり直し、ということも発生していましたが、そういったことが無くなったのでかなりの工数削減に繋がっています。

山口:もちろんイレギュラーな場合もありますが、 お客様の記入いただいた情報をもとに各金融機関の規定上融資が可能なのかどうかが自動ですぐに判定されるようになったので、契約管理部や営業担当者の計算の手間は大幅に削減されています。

酒井:実は導入当初に期待していたのは単に申込書記載内容のデータ入力を効率化できれば良いという想定でした。しかし、Salesforceにデータがあることによってその後の処理をシステムで動かすことができるといった次の可能性が開けました。Salesforceを活用するブレイクスルーになったのではないかなという風に私は思っています。

Q.定量的な効果などがあれば教えてください。

酒井:全ての案件を平均すると1件あたり30分以上は削減されているのではないかと思います。紙の申込書を手打ちでSalesforceに入力する時間や契約管理部が申込書をPDF化して添付するという作業の工数だけでも、年間に400時間以上の削減にはなっているかと思います。

竹内:また、借り入れが何件もあるお客様の融資枠の計算では、紙の申込書からExcelフォーマットへの入力作業も複雑になりますが、紙の申込書で発生していた記入ミスや漏れによる再度の記入依頼などのイレギュラーな作業も削減されています。

Q.CREATIVE SURVEY for Salesforceを用いて、今後取り組みたい施策はありますか?

山口:画像アップロードの機能を活用してより業務効率を高める運用に取り組みたいのと、フォームデザインにもっとこだわりたいというのは考えています。CREATIVE SURVEYはフォームデザインのカスタマイズ性が高いので、弊社のホームページで表現している世界観と合わせたデザインを再現し、顧客体験をもっと高めていけると良いなと思っています。

馬場:他にも、リピーターのお客様に対して情報をアップデートしていただくという取り組みについても、CREATIVE SURVEY for Salesforceのデータ連携を活用していけるのではないかと期待をしております。

社名
株式会社メイクス
事業内容
不動産の販売事業、マンション等の企画・開発事業
従業員数
151名

※ページ上の各種情報は2024年3月6日時点のものです。