株式会社Works Human Intelligence様は、大手企業向けの統合人事システム『COMPANY®』を開発・販売・サポートしている会社です。「『はたらく』を楽しくする」を企業理念に掲げ、経営と人事・社員をつなぐオールインワンの人事情報基盤を提供しています。
同社では、製品デモンストレーションのフェーズを中心に『CREATIVE SURVEY for Salesforce』を活用し、営業活動の効率化や案件数アップに役立てています。導入の経緯と活用方法、得られている効果について、Sales & Marketing Div. Sales Planning Dept.の豊島 涼介様と濵田 矩行様にお話を伺いました。
※以下敬称略
企業側と従業員側の双方の視点から“困りごと”を解決する
Q:貴社の事業内容と濵田様の担当業務を教えてください。
濵田:弊社は大手企業向けの統合人事システム『COMPANY®』の開発・販売・サポートと、それに関連するHR領域のサービスを提供している会社です。
「COMPANY®」は人事管理、給与計算、勤怠管理、タレントマネジメント等、人事にまつわる業務領域を広くカバーしており、日本の大手企業のニーズに応える日本発のHCMフルスイート製品としてご評価をいただいてきた製品です。現在約1,200法人グループのお客様にご利用いただいており、3,000名以上の国内大手企業の3社に1社が「COMPANY®」をご利用いただいている計算になります。年間継続率は98%(※)を超えており、半数以上のお客様が10年以上にわたりご利用し続けてくださっている製品です。
※2020年度 金額ベース
私が所属するのは営業企画です。営業組織の戦略策定から営業活動の効率化まで、限られた人員の中で効果をいかに高めていくかを考え、実装していく部署になっています。その中でSFAをはじめとするツールを営業組織でどう活用していくかということに取り組んでおり、アンケートツールもその一つです。
Salesforceとの連携で営業が即アクションできる状態を作る
Q:『CREATIVE SURVEY for Salesforce』を導入した経緯を教えてください。
濵田:弊社が年次で行っている『COMPANY Forum』というイベントで、アンケートをどのように回収するかを検討していたことが導入のきっかけです。もともとオフラインで実施してきたイベントで、アンケートは紙で回収していました。回収後はExcelで集計し、営業担当はそれをもとにお客様のフォローをするというのがこれまでの進め方でした。
しかし、このやり方は非効率ですし、集計に時間がかかるため、お客様にアプローチできる状態にするまで期間を要します。コロナ禍でイベントをオンライン化することになり、これを機にオンラインでアンケートをとれる方法を探しました。そこで、CREATIVE SURVEY for Salesforceの導入を決めたというのが経緯です。
Q:Salesforceと連携できる点が導入の決め手となったのでしょうか?
濵田:弊社では2018年にSalesforceを導入しており、アンケートを連携できる点は大きな決め手でした。アンケート結果を即時に営業が確認でき、すぐに営業活動に活かせる仕組みを作りたかったからです。
また、これまでアンケートは複数の部署でとっていましたが、これらの情報を集約することで「顧客起点」のデータベースを作りたいという思いもありました。過去にどのイベントに参加し、どのような回答をしているのかを一元管理できる状態にしたかったのです。
Q:CREATIVE SURVEY for Salesforceの導入に際して、社内の決裁はスムーズに進みましたか?
濵田:様々なイベントがオンライン化する中で、営業担当が名刺交換できる機会がなくなり、お客様のメールアドレスを取得できないという問題が生じていました。
CREATIVE SURVEY for Salesforceの導入によって個々の情報を取得できるようになる点は、導入の必要性を検討する際のポイントの一つでした。
また情報収集では、お客様と直接対面してお聞きできる情報と、アンケートのように間接的な接触だからこそ得られる情報の両方があります。仮にアンケートで得たファクトに基づいてアクションして案件化率が1%向上した場合、年間3億円ほど商談の積み増しができるという見込みがたちます。費用対効果で考えても、これならいけるだろうと。
くわえて、CREATIVE SURVEY for Salesforceは複数の部署で活用することを想定していたので、部署間の情報共有が進めば、お客様の満足度向上につながります。稟議・決裁の場面では、これらがポイントになりました。
製品デモンストレーションの中で参加者全員の声を収集できるようになった
Q:CREATIVE SURVEY for Salesforceを使ったアンケートの施策内容を教えてください。
豊島:お客様が弊社のシステムを検討するにあたって、製品デモンストレーションというフェーズがあります。その場には人事部やシステム部、経営企画など多くの方が参加され、場合によっては10名を超えることもあります。
これまでは対面で名刺交換ができましたし、全員の情報を取得することが可能でした。ですが、オンラインになった今は窓口担当者の方の情報しか得られず、他の多くの参加者様への追客できないケースが多くなっています。そこでCREATIVE SURVEY for Salesforceを使って、製品デモの前に「何を見たいですか?」とアンケートで聞いたり、デモの後に参加者の皆様に「どうでしたか?」とアンケートで聞いて個別回答をお願いすることで、ひとりひとりの考えや思いを知ることができます。
具体的には、弊社の『COMPANY®』の印象や製品デモの満足度とその理由を聞くのがメインです。回答率を上げることを考え、基本的に設問は絞り込んでいます。
CREATIVE SURVEY for Salesforceを導入したことにより、これまでは「製品デモに参加してくださった人」という情報しかなかったのが、「製品デモに参加して、こんなアンケート内容だった人」という情報になります。たとえアンケートに回答していただけなくても、「アンケートへの回答はなかった」という情報には意味があります。
このほかにも、Webプロモーションやセミナーを行っているコーポレートプロモーションの部署で、セミナー後のアンケート収集に活用しています。また、弊社では『ユーザーコミッティ』という、ユーザー様同士が知見を共有しながら人事の困りごとを解決する場を提供しており、このコミュニティでイベントを開催する際にもアンケートを取っています。
ユーザーコミッティについて:https://www.works-hi.co.jp/service/user-committee
Q:アンケートで得た情報はどのように活かしているのでしょうか?
濵田:弊社は、お客様の会社の組織力学を踏まえて営業活動を行うことを重視しています。実際に全社員にお会いすることはできませんが、「この部署には、こんな方がいるのでは?」といったことも想像しつつ、組織全体の関係性について理解を深めながら営業活動を行っています。
購買に関わる方の相関情報を埋める上で、直接いろいろな方の声を集められるアンケートが大いに役立っています。定性的な内容もヒアリングできるので、営業担当はこれらの情報をもとに次のアクションを決めるという使い方をしています。
紙のアンケートでは、アンケートの情報が個の営業に紐付いているので案件のリサイクルが限りなくされづらいという側面もありました。
たとえば3年前と窓口のお客様は一緒なのに営業担当が変わっていて、以前アンケートで取得していた情報が活用できず、新たにヒアリングする必要が発生してしまう。そのようなケースがSalesforceを起点に情報を格納することで、担当者の変更などがあった場合でも長期スパンで案件サイクルが回るようになるというのも今後大きいですね。
アンケートが営業アプローチのきっかけを作っている
Q:CREATIVE SURVEY for Salesforceを導入して、どのような効果・メリットがありましたか?
豊島:『COMPANY Forum』での例を挙げると、紙のアンケートに比べて回答率が8倍ほどになりました。また、紙の場合は報告書作成に1週間程度かかっていましたが、翌日には報告書を提出できるようになりました。営業が動き出すまでのスピードも確実にアップしています。
製品デモでの活用においては、アンケートを送ると、今まで接点を持てていなかった方からも回答があるなど、これまでのやり方では得られなかった情報も収集できるようになっています。
以前は窓口担当者と密にやり取りする中で皆さんの意見を集めてきたのですが、そうすると、どうしても窓口担当者のフィルターを通した情報となります。アンケートという手法にしたことで、直接その方の言葉をキャッチできるようになったことは大きなメリットです。
「じつは、こう思っている」というような声を拾い上げられ、今までとは違った角度からも営業活動を展開できています。なかには長文で丁寧に回答してくれたり、「応援しています!」というメッセージをいただいたりすることもあり、お客様から熱量を受け取ることもありますね。
Q:実際に活用している営業担当からは、どのような声が上がりますか?
豊島:弊社は大手企業様を対象としているため、一人の決裁で進むということはまずありません。思いがけないところがボトルネックになっていることもあるため、エンドユーザーの話も聞いてみるなど、組織に深く入り込んでアプローチする必要があります。
とはいえ、誰かの紹介がなければ基本的には接触の機会を作れません。そうしたときに、アンケートがアプローチするきっかけを作ってくれるわけです。「アンケートにご記入いただいたこの点なのですが…」という一言をいえることで、営業は格段にアクションしやすくなります。
また、弊社の製品のように機能が多岐にわたる場合、事前に「製品デモで見たい部分にチェックを入れてください」という質問を投げることで、スコープを絞りやすくなります。同様の情報を営業活動の中で集めるとなると、それだけでも多くの時間を費やすことになるので、営業効率化の面でも大きなメリットを感じています。
簡単にアンケートをカスタマイズできるので、いろいろなパターンに対応
Q:CREATIVE SURVEY for Salesforceで、とくに気に入っている機能を教えてください。
豊島:簡単にアンケートをカスタマイズできて、いろいろなパターンに対応できるので、活用の幅を広げやすい点です。また、操作が簡単で作成にかかる工数が少ないことも気に入っているポイントです。
サービス面でいうと、定期的にカスタマーサポートから連絡をいただけるので助かっています。弊社がちゃんと活用を継続できるようサポートしてくれ、他の業務がある中で立ち止まりそうになるところを後押ししてもらっています。
Q:今後、CREATIVE SURVEY for Salesforceを使ってやってみたい施策はありますか?
豊島:営業活動における効果はしっかり感じているので、引き続き、営業現場への浸透を図っていきたいと思っています。また、定性的な情報は収集できているので、今後は選択式の設問で定量データも蓄積していけたらと考えています。
たとえば、関心のあるテーマや業務課題といったものをマスター化していくといった活用です。いろいろな場面で活用の幅を広げていきたいと考えています。
※ページ上の各種情報は2022年5月18日時点のものです。