Salesforce「Experience Cloud」と展示場の来場事前アンケートを連携。スムーズな受付で顧客体験を向上

エー・ビー・シー開発株式会社

  • データマネジメント
  • 建設・不動産
  • 課題

    • アンケートを紙で行っていたためお客様に手書きの負担をかけていた
    • 回答結果をデータベース化するのに時間がかかっていた
    • 情報の一元管理がしづらくデータ活用に課題があった
  • 施策

    • ご来場アンケートやご成約のアンケートをオンライン化しSalesforceと連携
    • Salesforceで構築したマイページとQRコードで入場管理を行いアンケートデータを活用
  • 結果

    • 展示場運営における業務効率が大幅に改善された
    • お客様情報とアンケート回答結果の一元管理が実現しデータの有効活用に繋がった

エー・ビー・シー開発株式会社様は、総合住宅展示場「ABCハウジング」や「ハウジング・デザイン・センター(HDC)」の企画・運営をはじめ、不動産・広告・保険・WEBメディアと幅広い事業を展開している会社です。日々の生活に豊かさをもたらす新しいライフスタイルを提案しています。

同社では住宅展示場での住まいづくり状況をお伺いするアンケートやご成約時のアンケートに『CREATIVE SURVEY for Salesforce』を活用し、スムーズな受付体制の構築や顧客体験の向上に役立てています。導入の経緯や活用方法、得られているメリットについて、ハウジング関西営業部の島上様、HDC営業部の河野様にお話を伺いました。

写真左:島上様 写真右:河野様

※以下、敬称略

Salesforceを活用した顧客管理システムと連携するアンケートを実施

Q:貴社の事業内容とご担当の業務を教えてください。

島上:弊社は朝日放送グループの一員で、朝日放送が手掛けた日本初の住宅展示場事業を継承する形で1972年に設立した会社です。

現在は総合住宅展示場「ABCハウジング」の企画・運営をしているハウジング事業、住まいと暮らしの総合ショールーム施設「ハウジング・デザイン・センター」の企画・運営をしているHDC事業を中心に、広告代理業、保険代理業、不動産事業、WEBメディア事業を展開しています。

私が所属するのはハウジング関西営業部で、関西エリアのABCハウジングの販促活動が主な業務です。たくさんのお客様にご来場いただき、出展している住宅メーカーさんにつないでいく仕事です。

河野:私はHDC事業における販促業務を担当しています。ハウジング・デザイン・センターは約50のショールーム・ショップが集まったビル1棟に集まった「HDC神戸」と、グランフロント大阪北館5階に9つのショップ・ショールームが集まった「HDC大阪」で展開しており、キッチンやバス、家具、インテリア、建材、リフォームなど多種多様なサービスを取り揃えて、新しいライフスタイルの情報を発信しています。

Q:『CREATIVE SURVEY for Salesforce』を導入した経緯や選んだ決め手を教えてください。

島上:ハウジング事業・HDC事業ともにご来場されたお客様へのアンケートを紙ベースで行ってきたのですが、手書きによる回答はお客様の負担が大きいため、これを解消することがWEBアンケート導入を決めた大きな理由です。また、アンケートの情報をデータベース化するための作業に多くの時間を費やしていたことや、情報を一元管理しづらいなどデータ活用における課題もありました。

また、お客様の情報管理の効率化とデータの有効活用を目的にSalesforceの導入を決めたという背景もあり、Salesforceの構築をお願いしたベンダーからの推薦で、CREATIVE SURVEY for Salesforceも同時に導入することにしたというのが大まかな経緯です。

Salesforceと連携できるアンケートシステムであれば、ご来場されたお客様へのアンケートはもちろん、顧客情報と紐づけたメール配信ができたり、会員サイトではアンケート内容に応じて情報の出し分けができたり、様々なメリットを得られるというのが導入の決め手です。

アンケートデータを受付対応やお客様への情報提供に活用

Q:現在、CREATIVE SURVEY for Salesforceをどのように活用していますか? 

島上:大きく分けると3つの場面で活用しています。

1つ目はメインの活用となるご来場アンケートです。ご来場の目的や購入意向、検討している住宅メーカーなどの情報をヒアリングしています。

来場アンケートを実施する目的は、お客様ごとに最適な情報を届けられるようにすることです。注文住宅は高額な買い物になるため長いスパンで検討されるお客様がほとんどで、何回かご来場いただく中で成約を決めるケースが多くなっています。住宅購入の検討を始めたばかりの情報収集をする時期と、A社B社のどちらに決めようかを比較している時期ではお客様が求める情報が違ってくるので、その時々のお客様の状況を細やかに把握して情報を出し分けることが重要になります。

そのため、初回のご来場と2回目以降のご来場でアンケートの設問項目を変えています。初回のご来場ではお名前や連絡先、メールアドレスなどの個人情報と基本的な住宅に関する設問を用意しており、2回目以降のアンケートではお考えや状況の変化などを把握できる設問項目を設定しています。

2つ目はご成約アンケートです。ここでは成約内容や成約した理由などを聞いています。

3つ目は、顧客や市場調査での活用です。来場者様に限らず、市場動向などのデータを広く集めたい場合に使用したり、住宅メーカーさんからホームページ掲載用の文章や画像をご提供いただく際にもCREATIVE SURVEY for Salesforceを使っています。

Q:アンケートの具体的な実施フローを教えていただけますか?

島上:ご来場アンケートのフローを説明すると、ご来場前にHPにアクセスしてアカウント登録をしてからアンケートに回答してもらう方法と、ご来場いただいた際にその場でアカウント登録をしてアンケートに答えてもらう方法の2パターンがあります。その後のコミュニケーションでメールアドレスが必要になるので、アカウント登録時に取得し、認証確認した後に指定のURLからアンケートに進んでもらいます。

アンケートにご回答いただくとご来場登録のようなかたちでSalesforce「Experience Cloud」※で作成されたお客様のマイページにチェックイン用のQRコードが表示されるので、受付スタッフはそれを読み取ってチェックインとなる流れです。

チェックインすると受付のiPadにアンケートで得たお客様情報が表示されるため、スタッフがお客様に最適なご案内ができるようになるという仕組みです。再来場の場合も同様で、アンケートに答えていただくとチェックインできるようになっています。
ご成約アンケートは、マイページ上に「アンケートに回答いただくと特典プレゼント」というようなご案内を表示させ、そこからアンケートに回答していただく流れです。お客様の同意を得たうえでアンケート結果をメーカーさんに共有する場合もあるのですが、その場合は成約された方を識別するための番号をアンケートのURLに付与するカスタムキー機能を使って、どのお客様の回答かをメーカーさん側が把握できるように工夫しています。お客様が個人情報を入力する手間も省けるので顧客体験向上という点でもこの機能は大変有効な機能ですね。

※Salesforce「Experience Cloud」 顧客や外部パートナーに向けてSalesforceのデータを活用したWebサイト、会員ポータル、アプリケーションを構築できるサービス

Q:回答データはどのように活用されているのでしょうか?

河野:スムーズな受付を実現するとともに、アンケートの回答内容に応じてお客様に役立つ情報をメルマガなどでお届けしています。また、ご来場されるお客様の属性や目的、傾向などをデータとして把握できるようになったので、社内共有のほか住宅メーカーさんにも定期的にフィードバックしています。

ご成約アンケートのデータは、購入の傾向や予算といったお客様の全体傾向の把握に役立てているほか、これから住宅を購入する方や、次の家づくりに役立つWebコンテンツ・冊子を作る際にも活用しています。

島上:イレギュラーなケースですが、お客様の許諾を得た上でABCハウジングに出展されている住宅メーカーさんにアンケートの回答結果をお渡しするという活用例もあります。このほか、新たな住宅展示場やショールームの立地を検討する際の情報源としても活用しています。

CREATIVE SURVEY for Salesforceを活用したアンケート施策はまだ始めたばかりの取り組みのため作り込めていない部分が多いですが、アンケートでお客様の声を集め、お客様が心地よく施設を利用できるように進化させていきたいと考えています。昨今はお客様と住宅メーカーさんをつなぐ競合が多数出てきているので、弊社の展示場に行けばより良い体験が得られると感じていただけるような施設運営やサービスに注力し、他社との差別化を図りたいと考えています。

初回来場者へのアンケート画面イメージ

展示場運営における業務効率を大幅に改善

Q:CREATIVE SURVEY for Salesforceを導入して、どのような効果・メリットがありましたか?

島上:現時点で明確な成果が出ているのは、展示場運営における業務効率が大幅に改善されたことです。紙のアンケート運用では、ほとんどの作業を人の手を介して行っていたため多くの労力を費やしていました。

紙をスキャンしてデータ化するというフローにしていたものの、機械の精度には限界があるので目視でチェック・訂正する作業が必要でした。この業務がなくなったことのメリットはとても大きいです。

また、アンケート回答結果をSalesforceで一元管理できるようになり、データの有効活用にも繋がっている点も導入したメリットといえます。

Q:CREATIVE SURVEY for Salesforceを使ってみた所感を教えてください。

島上:機能面の充実度にとても満足しています。直感的に設問を配置できたり選択肢を増やせたり、画像も簡単に設定できて、コーディングの専門知識を持っていない人にとって、とても優しい設計だと感じています。

Q:今後、CREATIVE SURVEY for Salesforceを使ってやってみたい施策はありますか?

島上:まずはご来場アンケートやご成約アンケートのWEB化を実現するという第一歩を踏み出せたので、今後はさらに顧客体験の向上につながるような施策を検討していきたいです。

河野:現在はご来場時とご成約時の接点でアンケートを活用していますが、今後はアンケートを使ってお客様とより多くの接点を持ち、顧客理解を深めたいと思っています。また、弊社の展示場・ショールームに出展いただいているメーカーさんとのコミュニケーションにおいてもCREATIVE SURVEY for Salesforceが役立つ場面が多々あると思うので、ひとつずつ形にしていけたらと考えています。

社名
エー・ビー・シー開発株式会社
事業内容
住宅展示場「ABCハウジング」の企画・運営、「ハウジング・デザイン・センター」の企画・運営をはじめ、生命保険代理業・損害保険代理業、広告代理業、不動産事業、WEBメディア事業を展開。
従業員数
86名

※ページ上の各種情報は2023年6月15日時点のものです。