地域市民の声をサービス改善や新規事業ニーズ調査に活用し生活まちづくりに貢献

大阪市高速電気軌道株式会社

  • マーケティング
  • 公共機関・非営利団体

「Osaka Metro」の愛称で知られる大阪市高速電気軌道株式会社様は、大阪の交通を支える地下鉄/バス※の運営会社です。「走り続ける、変わり続ける。」をスローガンに、2018年4月に公営地下鉄では全国初となる民営化に踏み切り、2020年5月からは新たな移動価値を創造する「都市型MaaS」の実現への取り組みも行っています。
※バス事業は子会社にて運営。

同社では、お客さま満足度調査や新規事業における市場調査に『CREATIVE SURVEY』を活用し、利用者や大阪市民の声をサービス向上に役立てています。導入の経緯や活用方法、得られているメリットなどについて、デジタルソリューション部 データアナリティクス課の三峰様と小倉様にお話を伺いました。

2021年12月9日に発表された新型車両「400系」

※以下、敬称略

お客さまを理解し、生活まちづくりにデータを活用するためリサーチ・分析の組織を編成

Q:貴社の事業内容とご担当の業務を教えてください。

三峰:弊社は大阪市内および近郊地域において、鉄道・バス事業を行っている会社です。2018年までは公営企業である大阪市交通局として交通事業の運営を行い、民営化後はOsaka Metroとして従来の交通事業に加え、新たにマーケティング事業や都市開発事業などにも取り組んでいます。

また、Osaka Metro Groupが掲げているこれまでのMaaSとは異なる都市型MaaS構想「e METRO」として最新のテクノロジーを活かし、様々なサービスと連携を行い鉄道・バスの移動をより便利で快適なものへと進化させていきます。これにより、これまでになかった移動価値を創造し、大阪市民の皆さまのより良い暮らしに貢献できる事業を目指しています。
私たちは都市型MaaS推進本部デジタルソリューション部データアナリティクス課で、鉄道・バスをご利用いただいているお客さまの動向分析をはじめ、新規事業のマーケティングリサーチなど、都市型MaaS構想の実現に向けてデータを活用する業務を担当しています。

写真左:三峰様 写真右:小倉様

Q:CREATIVE SURVEYを導入した経緯や選んだ決め手を教えてください。

三峰:民営化の背景として、従来の生活インフラとしての鉄道・バス事業だけでなく、より便利で快適なまちづくりにつながる新たなサービスを創造していくという目的がありました。交通以外の事業を推進する中で、今まで以上にお客さまの声を聴き、生活まちづくりに活かして自社の存在価値を上げることが求められる中で、リサーチやデータ分析業務を専門的に行っていく部署としてデータアナリティクス課が新しく編成されました。

部署の発足以前は市場調査を実施する際、外部の調査会社に依頼していましたが、民営化を機に、調査・分析業務をもっと柔軟かつ、効率的に実施し、お客さまからのご意見をより素早く事業に反映させるため、自社で運用できるアンケートシステムの導入に踏み切ったという経緯です。

CREATIVE SURVEYを選んだ決め手は、設問表現の多彩さとアンケート作成時の操作性の良さです。実際に操作してみると、デモで見ていた通り、簡単に思った通りのアンケート画面を作成できたので、業務の省力化が図れると感じています。

お客さま満足度調査や新規事業のためのニーズ調査に活用

Q:CREATIVE SURVEYをどのように活用していますか? 

小倉:現在は、主に社内の各事業に活かしていくためのアンケート調査に活用しています。

定期的に実施しているものでは、Osaka Metroをご利用いただいているお客さまの満足度調査があり、満足・不満を感じている要素を把握して、改善に役立てています。

それ以外の活用例では、新規事業としてMaaSアプリ「e METRO」を開発・リリースする際にCREATIVE SURVEYを使って2回の調査を実施しました。1回目は、開発段階における一般ユーザー向けのアンケートとして、どのような機能にニーズがあるのかを調査し、開発の優先順位付けに役立てました。

2回目は、リリース前の社内アンケートです。社員がモニターとして実際にアプリを操作し、使いにくいところがないかなどをアンケートとしてヒアリングした後、集約・分析を行い、より具体的な改善をすることができました。このほかにも新規事業を検討する際の市場調査など、様々な場面で活用しています。

また、弊社ではOsaka Metroグループが運行する鉄道やバス、エキナカの提携店舗などを利用すると貯まるポイントサービス「Osaka Point」を運営しています。「Osaka Point」は35万人以上の会員様と、500店舗以上のポイント提携店を持つサービスとなっており、その提携店さまのマーケティング支援にもアンケート調査が役立っています。
このような形で、お客さまの声としてのご要望やご意見を拾い上げて既存事業や新規事業のマーケティングの意思決定のサポートとしてCREATIVE SURVEYを活用しています。

Osaka Pointサービスについて

Q:MaaSアプリ「e METRO」開発に際してのアンケート調査では、どのような気づきや発見がありましたか? 

小倉:e METROアプリの開発にあたっては、e METROが大阪の移動と暮らしをもっと便利で快適なものにするという構想であり、「移動をシームレスに」を実現する総合的なアプリとしてどういった機能を実装すべきかの検討をしていくためアンケートを実施することとしました。
例を挙げると、地下鉄の運行見合わせ時に迂回ルートを提案してもらえる機能が欲しいといった過去の困った経験をもとにしたご要望がたくさん寄せられました。こういった声にお答えすべく、誰もが使いやすいアプリを実現するため、機能開発の優先順位付けの判断にCREATIVE SURVEYを活用することでニーズが把握できました。

MaaSアプリ「e METRO」について

Q:お客さま満足度調査の具体的な実施フローを教えていただけますか?

小倉:お客さま満足度調査では、地下鉄をご利用のお客さまにご協力いただき、Osaka Metroの総合満足度と鉄道サービスにおける各要素の評価についてヒアリングしています。要素は、駅係員の対応、トイレの清潔感や車内混雑等、詳細に分けており、満足・不満の定量的な数値とフリーアンサーの定性的な情報の両面から分析しています。
最近では、弊社のコロナ対策がどの程度認知されているかといったことも調査し、次の施策に活かせるようにしています。弊社にはお客さま満足度向上に取り組むワーキングチームがあるので、調査結果をもとに改善施策を検討するといった活用をしています。

ポイント会員基盤を活用したお客さま満足度調査イメージ。
回答による分岐設定でより沿線、利用駅など利用者の実態に合わせた詳細な調査を実施。

意思決定のためのデータをスピーディに集められ即座に共有できる

Q:CREATIVE SURVEYを導入して、どのような効果・メリットがありましたか?

小倉:MaaSアプリの開発にあたっては、CREATIVE SURVEYでアンケートを取ったことで、開発の優先順位を付けられたり、リリース前に問題点を改善できたりといったことを実現できました。意思決定のための様々なデータをスピーディに集められることは、CREATIVE SURVEY導入による大きなメリットだと思っています。

三峰:アンケートの回答結果をダッシュボードで即座に確認できる点がありがたいです。結果公開用のURLを関係部署に連携すればリアルタイムで結果を共有できるので、業務の省力化に役立っています。

Q:CREATIVE SURVEYを使ってみた所感を教えてください。

小倉:管理画面での操作が視覚的にわかりやすくなっていて、アンケート画面の作成やその他の操作も簡単にできます。初めてCREATIVE SURVEYに触るという人でも、迷うことなく扱える仕様になっているので大変助かっています。

とくに気に入っているのは、フリーアンサーの回答結果に関してボタン一つで視覚的に結果を閲覧できるワードクラウド機能(◆)です。また、回答結果のセグメント設定も簡単にできるので、たとえば「このような回答をした人はどれくらいいるのか」など、知りたい情報をすぐに絞り込める点も便利です。

三峰:導入時のカスタマーサポートの対応もとても手厚く、スムーズに導入・運用することができました。何か困ったことがあっても相談しやすい環境で、大変ありがたいと感じています。

◆ワードクラウド機能
自由記述の回答結果のテキストデータで出現頻度が高い単語を複数抽出し、出現回数に応じた大きさで表示する機能

テキストデータを「名詞」「動詞」などに分類し、出現回数も閲覧できます。
※画像はCREATIVE SURVEYのサンプルイメージです。

Q:今後、CREATIVE SURVEYを使ってやってみたい施策はありますか?

小倉:これまではテキストを使った一般的なアンケートを作成してきましたが、今後はもっとCREATIVE SURVEYの機能を使いこなしていきたいです。たとえば、CREATIVE SURVEYの特長の一つであるクリエイティブ評価の回答形式を使ってアプリの評価調査を行うなど、機能をフル活用して分析の精度を高めていきたいと考えています。

社名
大阪市高速電気軌道株式会社
事業内容
大阪市内および近郊地域における鉄道・バスの運行事業。交通事業を柱に、マーケティング事業や都市開発事業など大阪市民の豊かな暮らしを支える事業を多角的に展開。
従業員数
約5,000名(2022年3月末現在)

※ページ上の各種情報は2023年4月12日時点のものです。