城東テクノ株式会社様は、「ユニークな建材で長持ち住まいをささえます。」をコーポレートスローガンに掲げ、1961年の創業以来、常識にとらわれない自由な発想で主に木造住宅部材の開発・製造・販売を続けている会社です。
お客様の声に耳を傾けることがモノづくりの起点という同社では、ウェビナー開催後のアンケートに『CREATIVE SURVEY for Salesforce』を活用。アンケート結果をスコア化し、インサイドセールス・フィールドセールスの連携力強化および追客のスピード・質の向上に役立てています。
導入の経緯や活用方法、得られているメリットなどについて、営業統括部門 西日本営業部 セールスサポート課主任の菱谷様、営業統括部門 マーケティング部 戦略企画課 MK戦略チーム主任の松下様にお話を伺いました。
※以下敬称略
営業リソースの不足を、CRMとMAの情報やアンケートで得た情報を集約することで解決
Q:貴社の事業内容とご担当の業務を教えてください。
菱谷:弊社は、主に基礎部材や内装建材、外装工事部材、軒天換気材、リフォーム向け商品といった木造の戸建住宅に使われる様々な部材を開発・製造・販売している会社です。たとえば、床下や外壁内に必要な通気・換気の出入口となる部材など、木造住宅の長寿命化に貢献するユニークな建材で住まいをささえるというコンセプトで商品展開しています。
私が所属するのは営業統括部門のセールスサポート課で、営業に関する全般的なサポートが担当業務です。各種ツール・システムの導入や運用、管理も行っています。
松下:私は営業統括部門のマーケティング部 戦略企画課マーケティング戦略チームに所属しています。プロモーション戦略の立案・実行を通して認知拡大やリード獲得をするのが主なミッションです。具体的には、アンケートなどを利用した調査関連業務、MAツールの設計・運用などを担当しています。
Q:CREATIVE SURVEY for Salesforceを導入した経緯を教えてください。
菱谷:2021年度にSalesforceを導入したタイミングで、Salesforceと連携できることからCREATIVE SURVEY for Salesforceを同時に導入しました。
弊社はそれまで、お客様への新商品案内からクロージングまでのほぼすべてを、全国18拠点65名の営業担当が担っていました。しかし、今後さらなる売上拡大を目指すには、営業リソースだけに頼り続けるのはムリがあります。そこで、よりスピーディかつ広範囲に新商品やイベント情報をお客様に届けるという部分をマーケティング部門が担っていくことになりました。
メルマガを使って一斉に情報を発信し、手応えがあるお客様から優先的に営業リソースを振り分けていけるようにしたいと考えたのがシステム検討の出発点です。これまでの営業活動で蓄積してきた顧客リーチの広さを活かすため、まず社内に散在していた13万枚の名刺を名刺管理サービスの『Sansan』を活用してデータ化し、顧客DBを構築したのが2018年頃です。これをもとに、約1万2000名にメルマガの配信をスタートしました。
そこから、メルマガよりもっと多くの情報をお客様へ届けるためにセミナーをスタートしました。コロナ禍以降はウェビナーへと切り替え、参加者が500名を超えるような規模感になっていきました。
ウェビナーの参加者リストを活用して営業が追客できる仕組みを検討する中で、様々な顧客情報を一つに集約していくためにSalesforce・Pardot(※)の導入と同時に、CREATIVE SURVEY for Salesforceも導入したという経緯です。CRMとMAの情報、アンケートで得た情報を集約することで、ウェビナーの追客におけるターゲティングの精度を高めたいという狙いがありました。
(※)2022年4月よりPardotはMarketing Cloud Account Engagementに製品名が変更となります。
追客の優先順位やターゲティング精度や商談の質の向上など5つの場面で活用
Q:現在、CREATIVE SURVEY for Salesforceをどのように活用していますか?
松下:月に2回ほど実施しているウェビナーで、参加者へのアンケートとして活用しています。ウェビナー終了時刻の少し前に、Pardotを使ってアンケートURLをメール配信します。
アンケートの回答結果をもとに、まずインサイドセールスが追客の優先度が高い順にアプローチします。商談化したら、現地の営業担当にパスしていくという流れです。
優先順位の設定は、CREATIVE SURVEY for Salesforceのスコア機能を活用しています。優先度の高いお客様の要件や比重をあらかじめ設定してスコア化し、Salesforceの顧客情報と連携させて追客するという使い方です。そのため、アンケートの設問にも、たとえば商品採用の検討度合いや採用予定時期などがわかる項目を盛り込んで、優先度をスコア化できるようにしています。
Q:集めたアンケート結果はどのように活用されているのでしょうか?
松下:大きくは5つの場面に活用しています。
1つ目は、先ほどの話の通り、アンケート結果をスコア化して追客の優先順位をつけることです。
2つ目は、社外講師へのフィードバックです。ウェビナーは、同テーマのものを午前・午後で1日に2回実施するケースが多いので、午前中のウェビナーの満足度や自由記述のコメントを参考にしながら、「この部分はもっと厚めに話そう」など午後の部の内容を微調整しています。リアルタイムで回答結果を見られるので、即対応できるという利点があります。
3つ目は、ターゲティングのためのデータ分析への活用です。アンケート未回答者も含めて、フォローすべきお客様を見つけるためのデータ分析に活かしています。
たとえば、フィールドセールスへのパスにつながりやすいお客様はどのような人なのか、アンケートやインサイドセールスの案件化履歴といったデータから案件化率を目的変数として重回帰分析(※)を用いて割り出しています。これにより、アンケートには回答していないものの、ホットな状態にあることが想定されるお客様も予測することができます。
4つ目は、アポイントや商談に際しての活用です。アンケートスコアや回答内容がSalesforceの取引先責任者オブジェクトに同期されるため、インサイドセールス・フィールドセールスともにお客様との対話や商談に活用しています。事前にこうした情報があるか否かで、アポイントの取りやすさや商談の確度が変わってくるので、アンケートの回答がとてもよく機能しています。
5つ目は、ウェビナー企画へのフィードバックです。アンケート中で「今後、聞きたいテーマはありますか」のような設問を設けたり、企画段階のテーマについての反応を調べたりして、より良いウェビナー企画につなげています。
(※)重回帰分析 求める値(目的変数)を説明する際に、関連する複数の要因(説明変数)から、それぞれの変数がどの程度、結果に影響しているかを関数の形で数値化し、将来の予測を行う統計手法
Salesforceに情報を集約する仕組み化により、ウェビナー直後からアプローチが可能に
Q:CREATIVE SURVEY for Salesforceを導入して、どのような効果・メリットがありましたか?
菱谷:応募者が1000名を超えるウェビナーもある中で、参加者の約6割がアンケートに回答してくれているため、毎回数百名のお客様情報を収集できています。自動でSalesforceに集約される仕組みを動かせていること、アンケートのスコア化によって追客の優先順位が明確になり、ウェビナー直後からアプローチできるようになった点は大きなメリットです。
やはり、ウェビナーから期間が空いてから連絡をしてもお客様の反応はどんどん薄くなっていきます。ホットな状態のときに、アンケートの情報をもとに仮説を立ててからアプローチできる仕組みができたことは大きな成果です。
もう一つは、弊社の最大の集客策であるウェビナーにアンケートを活用することで、お客様の声を拾い上げられている点です。お客様のリアクションを定量・定性的に測りながら改善する仕組みを実現できたことは、CREATIVE SURVEY for Salesforceの導入による大きなメリットだと感じています。
Q:CREATIVE SURVEY for Salesforceを使ってみた所感を教えてください。
松下:作成者が作りやすいUIになっていて、直感的に操作できるというのが第一の所感です。また、回答者側も回答しやすいUIだと感じています。たとえばアンケートページにアクセスした後の回答完了率が8〜9割あるのですが、これは回答者にとってもストレスが少ないアンケート画面になっているからではないかと考えています。
設問タイプも豊富で選択肢が多いため、聞きたいことを聞きたい形で作成できます。分岐設定はよく使う機能の一つで、たとえば業種ごとに聞きたいことが変わるので、ここで分岐させたいといったときにも細かな設定ができます。設問の途中に画像を差し込めるなど自由度が高いので、回答者がわかりやすい画面にできるところも気に入っています。
Q:今後、CREATIVE SURVEY for Salesforceを使ってやってみたい施策はありますか?
松下:弊社は大企業から個人経営のお客様まで保有しているリストがかなり多いので、今後はこの利点をより活かしていきたいです。CREATIVE SURVEY for Salesforceを活用しながら、さらにお客様情報を充足させて、市場や他社にはないようなデータベースを作りたいと考えています。商品企画や営業活動、コンテンツ制作など様々な場面に役立てたいです。
菱谷:まずは顧客データをリッチ化することで分析の精度を高め、施策の質と量を向上させ続けたいと考えています。
その次は、大規模アンケートによる住宅仕様の統計調査をしてみたいです。実は、住宅領域では「どのエリアに、どのような仕様の家が何棟建っている」といった統計データがほとんどありません。そのため、「最近はどんな住宅が求められているのか」「このエリアで増えている住宅の仕様は」といったデータは、これからの商品やウェビナーの企画の重要な情報になります。
弊社がもっともっとお客様に必要とされる存在になるためにも、どこよりも深く・正しくお客様を理解している会社になりたい。そのためにも、CREATIVE SURVEY for Salesforceを活用しながら顧客データのリッチ化を進めていきたいです。
※ページ上の各種情報は2023年2月1日時点のものです。