お客様の声を“未来の種”にする社内横断プロジェクトで事業を進化

PHC株式会社

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PHC株式会社(以下、PHC)は、糖尿病マネジメント、ヘルスケアソリューション、診断・ライフサイエンスの事業領域で開発、製造、販売、サービスをグローバルに展開しているPHCホールディングス株式会社傘下の日本における事業会社です。

同社では、お客様アンケートを事業に活かしていく仕組みを『Miraidane(ミライダネ)』と名付けてプロジェクト化。基盤となるアンケートシステムに『CREATIVE SURVEY』を導入し、お客様の声を製品・サービスの向上に役立てています。導入の経緯や活用方法、効果について、COOオフィス部CS推進課課長の山本様にお話を伺いました。

独自技術を活かして患者様や医療従事者、研究者の皆様に当社のソリューションを提供

Q:はじめに貴社の事業内容と山本様の担当業務について教えてください。

PHCは、日本のモノづくり文化を受け継ぐ卓越した生産技術と、高品質な製品を生み出す開発力を持つヘルスケア企業です。

高精度な血糖値測定システムをはじめとする医療機器や、電子カルテシステムなどの医療IT製品・サービス、的確ながん診断をサポートする病理ソリューションや超低温フリーザーなどに代表される研究・医療支援機器を国内外のお客様に提供しています。コロナ禍では、新型コロナワクチンの開発および保管を目的として超低温フリーザーの需要が世界的に高まりましたが、この製品には私たち独自の精緻な冷凍保存技術が活かされています。

当社は、1969年に松下寿電子工業株式会社として設立され、当初は家電製品も扱っていました。その後、ヘルスケア領域に特化した会社へとシフトし、2014年にはパナソニックグループから独立、2018年には「PHC」にコーポレートブランドを変更しました。現在は世界125カ国以上の国と地域の患者様や医療従事者、研究者の皆様に当社のソリューションをお使いいただいています。

私はPHC全体のCS(カスタマーサービス)推進を行っており、各事業部を横断して、お客様の期待を実現しながら満足度を最大化していくという業務にあたっています。

アンケートを活用してお客様の声を未来に活かすプロジェクトを始動

Q:『CREATIVE SURVEY』を導入した目的と経緯を教えてください。

各事業部に営業部門やカスタマーサービスなどお客様と直接的な接点を持つ部署がありますが、そこで得たお客様の声を活かしきれていないという課題感がありました。都度、個別に対応し、ヒアリングに努めてはいるものの、ニーズを拾い上げるという視点での情報収集はできていない状態でした。

そこで、能動的かつ効率的にお客様の声を集める方法を模索し、アンケートの活用を思いつきました。さらに、お客様の生の声をより良い未来につなげていく活動を仕組み化するために、『Miraidane(ミライダネ)』というプロジェクトを立ち上げました。Miraidaneという名称は、患者様や医療従事者、研究者の皆様の声は未来のイノベーションにつながる“種”であるという考えを反映したもので、顧客価値共創のための取り組みと位置付けています。

実際の活動内容は、各事業部から調査依頼を受け、CS推進課がアンケートを作成・管理して事業部にフィードバックしていくというものです。
これまでも製品にハガキアンケートを同封したり、広告物に入れたりして実施してきましたが、今回、優れたアンケートシステムを導入し、Miraidaneとして仕組み化することを決めたという背景があります。

アンケートを作るには目的や設問など検討すべきことが多く、個別にお客様にヒアリングしたほうが早いといった理由から、各事業部としてはアンケートに消極的だったのが正直なところです。しかし、広くお客様の声を集め未来に活かしていくことは重要であるという考えのもと、社内横断のプロジェクトとして活動をはじめました。

利便性・操作性にくわえ、アンケート回答者からは「ビジュアル的に見やすい」と好評

Q:様々なアンケートシステムの中からCREATIVE SURVEYを選んだ理由を教えてください。

アンケートシステムを導入すると決めてから、いろいろなサービスを比較しました。ですが、その他のサービスでは作成後の簡易な修正ができないなど利便性が今ひとつだったり、利用するたびに費用が発生したり、見た目がハガキのアンケートと変わらないといったように、私たちが求めることに合致するものをなかなか見つけられませんでした。

作成・分析・管理にあたる当社側の利便性と回答するお客様側の操作性、ビジュアル面、コスト面、サポート面などを追及していったときにCREATIVE SURVEYにたどり着きました。まさに私たちがやりたかったことを叶えられるシステムだと思い、導入の相談をしたのがはじまりです。インターネットの口コミで高評価を得ている点も安心材料になりました。

Q:現在、CREATIVE SURVEYをどのように活用していますか?

現時点で10件以上の施策に活用しています。その中で代表的な取り組みを3つ挙げます。

1つ目は、お客様相談センターでの活用です。フリーコールで入ってくる問い合わせに対応する部署で、法人からエンドユーザーまで幅広く相談を受け付けています。ここではセンターの対応品質についてのお客様アンケートを1カ月間実施しました。アンケートへの協力を承諾してくれたお客様に、SMSでアンケートのリンクを送るという方法をとりました。

回答結果から対応品質については満足度が高いことがわかったのですが、なかに「説明が丁寧すぎる」という声があったのです。そこで対応フローを見直し、もう少し簡潔な伝え方に変えるというような改善につなげていこうと思います。

2つ目は、病院や診療所、薬局、健康経営に取り組む保険者・事業者向けに医療ITソリューションを提供しているメディコム事業部での活用です。ここでは「病気にさせない社会の実現に貢献する」という目的で、特定保健指導支援システム『WellsPort Step』というサービスを展開しています。Miraidaneをスタートしてから、この事業部からもアンケート調査を事業に活かしていきたいと要望が上がり実施しています。

WellsPort Step:https://www.phchd.com/jp/medicom/hcs/wellsportstep_intro

3つ目は、病理ソリューションを提供するエプレディア病理事業推進部と生体試料の保存や細胞培養などに使用される研究・医療支援機器を提供するバイオメディカ事業部での活用です。当社の製品を使っている全国の医療機関に、満足度アンケートを実施しました。これまでもアンケートをとっていましたが、CREATIVE SURVEYにしたところ、簡単に回答できて、かつビジュアル的にも見やすいと医療機関の皆様からも好評でした。

事業部としては顧客満足度をKPIにしていくためのデータ収集方法を模索していたので、横断的に展開できるとても良い形が作れた取り組み例です。

Q:CREATIVE SURVEYを使ってみた感想を教えてください。

非常に使いやすいというのがはじめに感じたことです。設問内容を変更する、選択肢を増やすといった修正も簡単にできるので、アンケートを実施したいタイミングでスピーディに作成できます。

FAQが充実している点も便利ですし、サポートに問い合わせたときの対応も迅速です。仕様について質問したときは、「直接そのような機能はありませんが、このような設定であれば希望の形で実施できます」といった提案をもらい非常に助かりました。導入に際してもきめ細かなコミュニケーションでサポートしていただき感謝しています。

課題の発見・改善やリード獲得など各事業部にアンケート活用の土壌ができた

Q:CREATIVE SURVEYを導入して、どのような効果やメリットを得られましたか?

お客様の声を未来の種にしようという構想を仕組み化できたのは、大きな一歩となりました。アンケートを活用し、お客様の声を製品・サービスに活かしていこうという風土を作れたメリットは大きいと思っています。

また、これまでは、従業員がヒアリング等で収集した情報であったため、お客様の生の声ではないという課題がありました。CREATIVE SURVEYを導入してからは、リアルなお客様の声としてタイムリーに情報共有できるようになりました。アンケートで収集したコメントは、テキストマイニングのツールも使いながら分析の精度を高めています。

実施した施策の効果でいいますと、お客様相談センターのアンケートでは課題発見から改善までスピーディに行えるようになったことにくわえ、相談員にお客様の感謝の声が伝わることでモチベーションアップにつながったことがあげられます。

他の施策ではリード獲得のためのタッチポイントができたり、全国規模での顧客満足度調査を手軽にできるようになったり、いろいろなメリットを感じています。各事業部にアンケート活用の土壌ができたので、今後の成果が楽しみです。

Q:今後、CREATIVE SURVEYを使ってやってみたい施策はありますか?

今後は、お客様の潜在ニーズを見つけていくような取り組みもしていきたいと考えています。パレートの法則でいえば2割のお客様が売上の8割を作っていることになりますが、私たちは全てのお客様の声に耳を傾けて、より訴求力のある製品・サービスや社会に貢献する新たな価値を提供していきたいと思っています。

そのためには、まずアンケートでお客様の声を集めて、一つひとつ読み解くことが大事です。挑戦を続けていく上でも、クリエイティブサーベイのサービスに今後も期待しています。

社名
PHC株式会社
事業内容
ヘルスケア製品・サービスの開発・製造・販売・サービス
従業員数
2,221人(PHC株式会社単独/2021年3月現在)※PHCグループ従業員数 9,753人(2021年3月現在)

※ページ上の各種情報は2022年2月2日時点のものです。