コンタクトセンターの評価指標を測定・分析し、CX向上施策を推進

トランスコスモス株式会社

  • カスタマーサクセス・サポート
  • ビジネスサービス
  • 課題

    • 自社コンタクトセンターの顧客応対品質、提供サービス価値向上のため
      VOCといった定性的なデータやNPS®といった定量的なデータをリアルタイムに測定・分析する仕組みが求められていた。
  • 施策

    • Webアンケートによるデータの一元管理
      CREATIVE SURVEYを導入しNPS®、CS、CESなどの定量的な体験指標とVOCといった定性情報をリアルタイムに収集。
      また外部連携機能を利用し、センターで集計する生産性管理データと共にBIツールのダッシュボードで一元管理した。
  • 結果

    • 各種データの統合により相関関係が明確に
      コンタクトセンターの品質やCX向上の基礎となるセンター内の評価指数データとアンケートによる顧客評価指標の相関関係をリアルタイムに把握。
      クライアントからの評価も高く、リアルタイムにVOCなどの顧客評価が把握できることでオペレーターの顧客志向の意識やモチベーションが向上した。

トランスコスモス株式会社様は、企業のビジネスプロセスを最適化するためにデジタルマーケティングやカスタマーサポートなど多彩な領域のBPOサービスを展開している企業です。

同社では、主力事業であるコンタクトセンターサービスにおける顧客体験(CX)向上施策の一環で『CREATIVE SURVEY』を導入し、ユーザー向けのアンケートにご活用いただいています。アンケートではNPS®や顧客満足度、CES(カスタマーエフォートスコア)などのデータを収集・分析し、定性・定量の両面で効果が表れているといいます。

導入した経緯・選定理由やアンケートの運用方法、効果などについて、デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括 デジタルカスタマーコミュニケーション総括 デジタル推進統括部 デジタルサービス企画部 部長の野田様と、同部 AI活用チームの壁矢様にお伺いしました。

※以下、敬称略

顧客体験(CX)向上のためにコンタクトセンターのデジタル化を推進

Q:御社の事業内容をご紹介ください

野田:トランスコスモスは、企業の売上拡大やコスト最適化を支援するために、幅広い領域のアウトソーシングサービスを提供するグローバルBPOベンダーです。国内64拠点のほか、海外にも103の拠点を構えており、国内外3,000社以上とお取引しております。

当社の強みは、デジタルマーケティングサービス・EC(E-Commerce)ワンストップサービス・コンタクトセンターサービスを統合した『DEC(デック)』という独自サービスです。

集客・販売・サポートにまつわるサービスをワンストップで提供することで、企業と消費者の多様な接点におけるCX(カスタマーエクスペリエンス:顧客体験)の向上をサポートしております。

Q:それぞれの業務内容を教えてください

野田:私たちは、全国のコンタクトセンターを統括する本部内のデジタル推進統括部 デジタルサービス企画部に所属していて、私は部の責任者をしております。

デジタル推進部はコンタクトセンターサービスのデジタル化を推進する部署で、「デジタル技術を活用したCX向上」をコンセプトとして様々な施策を企画・実施しています。

具体的には、AIを用いた業務の自動化や自動応対、オペレーター対応の品質管理など。そのような取り組みによって、コンタクトセンターサービスの品質向上やコスト競争力の強化を図っています。

また、ユーザー対応の現場でもデータドリブンな判断・意思決定がしやすくなるツールや施策の検討・導入・運用推進も行っています。

NPS®・顧客満足度・CESを継続的に測定し、CX向上の改善アクションに結びつけたい

Q:アンケートツールを導入した経緯をお聞かせください

野田:CX向上の取り組みを推進するにあたり、まずはNPS®(ネットプロモータースコア)や顧客満足度(CS)、CES(カスタマーエフォートスコア:顧客負荷スコア)といった顧客体験にまつわる基本指標を測定したいと考えました。

コンタクトセンターでは、ユーザーに余計なご負担をかけない「エフォートレス(努力不要)な体験」を提供することが重要なので、CESは特に向上させたい指標です。

アンケートツールを用いればNPS®調査やCS調査をスムーズに実施できます。また、アンケートツールをBI(ビジネスインテリジェンス)ツールなどと連携させて定点観測・傾向分析をすれば、改善アクションに結びつく有益な示唆が得やすくなると思いました。

加えて、クライアント企業にご満足いただくためには、CX向上と共に「顧客対応の生産性向上」にもコミットする必要があります。すべての問合せに時間をかけて丁寧に対応した結果、電話が繋がりにくくなってしまっては本末転倒ですから。

そのため、アンケートツールでNPS®やコールリーズン(※)、VOC(Voice of Customer:顧客の声)などを収集し、コールセンターシステムで自動取得している生産性管理データ(応答率や平均処理時間など)と突き合わせて「NPS®と生産性の相関性」を見極めたいと考えました。各種データはBIダッシュボードに集約し、一元管理するイメージです。

※コールリーズン:顧客がコールセンターに電話をするに至った理由

外部システムとの連携性・UIに優れたCREATIVE SURVEYを選定

Q:CREATIVE SURVEYを選んだ理由をお聞かせください

野田:アンケートツールの選定条件は主に二つありました。

一つ目は、簡単な操作で回答結果をリアルタイムに外部システムと連携できること。
二つ目は、CXの観点でUI(ユーザーインターフェース)に優れていて、回答しやすい仕様であることです。

さまざまなツールを検討したなかで、CREATIVE SURVEYは二つの条件を満たした唯一のツールでした。
特に、ユーザーに負担をかけない自然なUIは、Web系のデザイン会社を親会社にもつ御社ならではの優れた特長だと感じました。

壁矢:現在、当社はBIダッシュボードに様々なデータを集約してCXにつなげる取り組みを強化しているところです。その第一弾として導入したCREATIVE SURVEYの役割は大きく、社内の期待値も高いです。

対応完了後にSMSでアンケートを配信

Q:アンケートの対象者や実施フロー、設問内容について教えてください

壁矢:アンケートの対象者は、基本的には対応が完了したすべてのユーザーです。

お電話をいただいた際、または対応完了時にオペレーターが調査協力のお願いをし、承諾が得られた方にアンケートURLを付けたSMSを送付。ユーザーにはURLからアンケートにアクセス・回答していただく流れです。

CREATIVE SURVEYにはアンケートURLにユニークIDを付与することでユーザーを識別できる機能(パラメータ機能※)があるため、回答時に個人情報を入力する必要はありません。この点は非常に便利な機能です。

※パラメータ機能:アンケートURLに会員IDなどの任意の文字列を追加し、アクセス時に回答者を識別することができる機能。これによりユーザーにアンケートで個人情報を入力いただく必要がなくなりセキュリティ面での安全性も高まる。

アンケートの設問は主に三つの軸で構成しています。

一つ目は、NPS®です。推奨度の点数とその理由を回答していただきます。
二つ目は、応対品質を確認する設問です。「問題は解決できましたか」「オペレーターの態度はどうでしたか」「話はわかりやすかったですか」といった質問によって、コンタクトセンターの応対を評価していただきます。
三つ目は、コンタクトセンターに対するユーザーのご要望を伺う設問です。

この三つを基本項目とし、その他の設問はクライアント企業によってカスタマイズしています。

現時点では、基本項目をしっかり押さえたアンケートで回答状況などを精査している段階ですが、今後はCESにまつわる項目なども加える予定です。

Q:主にどのような業界・業種でアンケートを実施していますか

野田:顧客満足度を非常に重要視している金融関連の企業様や、購入後のアフターケア等が必要なコンシューマー向け商材を扱っている企業様にご活用いただくケースが多いです。
また、外資系の企業様はNPS®などをグローバル指標として運用しているところが多いため、その一環で弊社のアンケートを活用していただいています。

定量・定性の両面でアンケート施策の効果を実感。クライアントからも高評価

Q:アンケートの回答率やデータの活用方法を教えてください

壁矢:アンケートの回答率は3~4割、回答数は月1000件前後です。これから順次、実施規模を拡大する予定なので、回答数も増加する見込みです。

アンケートの回答データは、定量・定性の二つの方向で活用しています。

定量面では、アンケートデータとコールセンターシステムで取得したデータを紐づけて集計・分析し、オペレーターやチームの評価や改善指導などに活用しています。

定性面では、ユーザーの生の声であるVOCを各センターにフィードバックし、オペレーターの意識向上などに役立てています。VOCをセンター内に貼り出しているところもあるようです。

また、現在はアンケートの結果は月次レポートにまとめてクライアント企業に提出していますが、最終的には我々現場とクライアント企業がダッシュボードそのものをリアルタイムで共有し、同じデータを見ながら協議・議論・ディスカッションができる仕組みを実現するために鋭意開発しています。

Q:CREATIVE SURVEYは昨年導入されたばかりですが、効果は表れていますか

壁矢:アンケートを定量的に分析した結果、ユーザーの評価と、センターの管理者によるモニタリング評価(※)には相関があることが見えてきました。つまり、CXを向上させるには、オペレーターの応対品質の向上が欠かせないということが再認識できました。

これから分析をさらに深め、CX向上施策に落とし込みたいと考えています。

また、アンケートを実施するようになってから、オペレーターの顧客志向の意識やモチベーションが向上しました。お褒めの言葉であれお叱りの言葉であれ、ユーザーの生の声や評価がオペレーターの励みになっているようです。

ユーザー向けのアンケート施策はクライアント企業から高く評価していただいております。「顧客体験を向上させる仕組みを提案・運用してくれて頼もしい限りです」といった嬉しいお声をいただくことも多く、アンケート施策が弊社のプレゼンス向上につながっています。

※モニタリング評価:コールセンターの管理者がオペレーターとユーザーとの通話を聞き、話し方やトーク内容を評価する

簡便な操作性・柔軟性・丁寧なサポートがCREATIVE SURVEYの魅力

Q:CREATIVE SURVEYについて率直な感想をお聞かせください

壁矢:CREATIVE SURVEYは視認性が高いデザインなので、回答しやすく、アンケートも作りやすいと感じています。スマートフォンの回答画面もシンプルでわかりやすいです。アンケートの回答内容に応じた条件分岐の設定も簡単にできますし、集計結果をリアルタイムに閲覧できる機能も便利です。

また、パラメータ機能があることで、アンケートで改めてユーザーの氏名や連絡先を取得する必要がないため、個人情報を取り扱わずに運用できる点も安心です。

今後はヒューマンエクスペリエンス(HX)の測定・分析にもCREATIVE SURVEYを活用したい

Q:今後、CREATIVE SURVEYをどのように活用していきたいですか

野田:今後は、HX(ヒューマンエクスペリエンス:人間としての経験)という観点でもCREATIVE SURVEYを活用したいと考えています。

HXとは、顧客の体験(CX)と従業員の体験(EX:エンプロイーエクスペリエンス)、ビジネスパートナーの体験(PX:パートナーエクスペリエンス)の三つを統合することで実現する、「人間味のある体験価値」をあらわす概念です。

なぜHXに着目しているかというと、顧客体験の質を高めるには、オペレーターの応対品質向上だけではなく、従業員の満足度やエンゲージメントの向上も重要で相関があると考えているからです。

その仮説を検証するために、従業員にもアンケートを実施してeNPS(エンプロイーネットプロモータースコア)などのデータを収集・分析し、「eNPSが高い人はCXへの貢献度が高い」といった文脈を把握したいです。

さらには、こうした取り組みがパートナー企業の体験価値に与える影響度合いについても、定量的に確認していきたいと考えています。

チャレンジングな施策ですが、CREATIVE SURVEYをプラットフォームとして展開する構想です。御社にサポートしていただきながら、HX施策をぜひ実現させたいです。

ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、NPS、そして NPS 関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

社名
トランスコスモス株式会社
事業内容
DEC(Digital Marketing・EC・Contact Center)サービス(デジタルマーケティング、ECワンストップサービス、コンタクトセンターサービス)、ビジネスプロセスアウトソーシングサービス
従業員数
グループ:61,773名(国内:42,737名、海外:19,036名) 2020年9月末現在

※ページ上の各種情報は2021年4月26日時点のものです。