株式会社アダストリア様は、カジュアル衣料品・雑貨の企画・生産・販売を一貫して行なうSPA企業です。国内外で30以上のブランドを運営、約1,400店舗を展開し、10代から中高年まで幅広い年齢層に支持されています。 各ブランドのマーケティング調査やキャンペーンの効果測定などに、当社のCREATIVE SURVEYを導入。その背景や事例、使用感について、マーケティング本部の小林様にお話を伺いました。
会員情報やLTVを活きたデータとして「見える化」したい
Q:CREATIVE SURVEYの主な用途・目的についてお聞かせください。
用途は主に、弊社のECモール「ドットエスティ(.st)」の会員向けアンケートです。ドットエスティはアダストリアの全ブランドが購入できるECモールで、現在1,000万人以上の会員がいます。
ブランドごとの広報活動はそれぞれのプレスが行なっていますが、マーケティング本部では各ブランドのプレスのサポートやマーケティング支援を横断的に行なっています。
これまで弊社では、会員データをマーケティングにあまり活用できていませんでした。具体的には、購買行動パターンやLTV(ライフタイムバリュー)の分析などですね。 アダストリアは幅広い年代に向けたブランドを展開しているため、長期的なファンになってもらうには、若い方向けのブランドから上の年齢層向けのブランドに徐々に興味をもってもらう必要があります。しかし、その会員情報をマーケティングデータとして「見える化」できていなかったんです。
そこでマーケティング活動の一環として、会員の意見が可視化できるCREATIVE SURVEYを利用するようになりました。
Q:どのようにアンケートを実施していますか?
実施方法は、会員にメルマガを配信する形です。アンケートはドットエスティ全体で行なう場合もありますが、特定のブランドをフォローしている方にブランド単位で実施するほうが多いですね。
弊社の「GLOBAL WORK(グローバルワーク)」や「niko and…(ニコアンド)」「LOWRYS FARM(ローリーズファーム)」「studio CLIP(スタディオクリップ)」など、主要ブランドでは大体利用しています。アンケートの内容・目的はブランドによって異なりますが、ドットエスティ全体では、NPS®調査をしたり、退会した人に退会理由を聞いたりしています。
メルマガ以外にも、ツイッターやインスタグラムなどのSNSでアンケートを実施するブランドも増えてきました。
Q:SNSでの配信方法は?
各ブランドのツイッターの公式アカウントに、会員向けメルマガと同じアンケートURLを掲載しています。メルマガ会員とツイッターのフォロワーに同じアンケートを実施することで、両者の回答の違いを見ることができます。
先日「LOWRYS FARM」が実施したアンケートでは、メルマガ会員よりツイッターユーザーのほうがブランドに対する好意度が高い結果となりました。 最近ではインスタストーリーでの配信も評判が良く、会員の声と非会員も含まれるSNSユーザーの声を比較すると意外な結果が得られたりして興味深いです。
Q:アンケートの作成・配信は各ブランドの担当者が行なっているのですか?
アンケートの作成・設定・分析はブランドの依頼を受けて私が行なっていて、配信作業は各ブランドのEC担当にお任せしています。担当者にアンケートURLを提供するだけなので、特に手間はかかりません。
会員参加型の「MDアンケート」やブランドトラッキングに活用
Q: 会員向けアンケートのブランド活用事例を教えてください
ライフスタイル提案型ブランドのstudio CLIPでは「みんつく」というマーチャンダイジング(MD)アンケートを実施しています。「みんつく」は「お客様と一緒に商品を作ろう」という企画で、会員の方がアンケートを通して商品作りに参加できます。
例えばTシャツなら「襟はUネックかVネックか」「何色がいいか」「どんな機能がほしいか」などをアンケートでお聞きし、最も多い回答を元に商品化します。MDアンケートによる商品化はすでに何度も実施していて、studio CLIPの定番施策になっていますね。 また新しいビジネスモデルを構築する「アダストリア・イノベーションラボ」では、子ども服のシェアリングプラットフォームKIDSROBE(キッズローブ)など、リリースに向けてテストマーケティングに参加してくれた人たちの声を集めるためのアンケートでも活用しています。
Q:ほかのブランドではどのように使っていますか?
2〜3年前からリブランディングを行なっているLOWRYS FARMでは、ブランドトラッキングのためにアンケートを活用しています。
もともと、LOWRYS FARMは大学生や高校生がメインユーザー。リブランディングによる「大人化」を目指していて、広告キャンペーンに長澤まさみさんと夏帆さんを起用し、より幅広い層を取り込もうとブランドの再構築に取り組んでいます。
アンケートでは、広告キャンペーンのグラフィックや動画を画面に提示して感想を聞きます。実際のビジュアル素材をお見せしたうえで「ブランドイメージや好意度の変化」を確認できるので、キャンペーンの効果測定に役立ちますね。
Q:アンケートの回答率はどれくらいでしょうか
アンケートにもよりますが、5〜6万人に配信すると600〜700人が回答してくれるので大体1.5%前後です。ブランドによっては回答率が5〜6%になることもあります。 メルマガの開封率が2%程度であることを考えると、インセンティブのないアンケートにこれだけ多くの方が回答していただけるのはありがたいです。ときには回答数が1万人を超えることもあり、まとまったデータが蓄積できます。しかもフリーアンサー欄まで丁寧に回答してくれる方が多く、色々な気づきも得られています。
Q:会員向けアンケート以外では、どのようにご利用いただいていますか?
新商品企画に向けた社内アンケートもよく実施しています。一度に1,300くらいの回答が得られるので、ターゲットのニーズの傾向をつかむのに役立ちます。あと、新サービスのリリース前のテストマーケティング調査で利用したこともありました。
直感的な操作性と高いデザイン性が魅力
Q: CREATIVE SURVEYの使い勝手はいかがですか?
CREATIVE SURVEYは直感的にわかりやすい仕様なので、使い勝手はいいですね。私はITに強いタイプではないですが、それでも最初から感覚的に操作できました。使いながら慣れていく感じです。MDアンケートのようなレベルであれば専門知識がなくても作成できますから、いずれはアンケートの作成も含めて各ブランドに任せたいと考えています。
Q: カスタマーサポートもご利用いただいていますね
はい。カスタマーサポートの手厚さも素晴らしいと思います。色々試しているとわからないことが出てきますが、カスタマーサポートに相談すれば丁寧に対応してくれます。レスポンスも早く、すぐに解決してもらえて、とても心強いです。不明点をまとめて解決したいときには、オンラインで画面を見ながらレクチャーしてもらえる「ピンチョスセミナー」も便利でした。
Q: CREATIVE SURVEY について特に魅力を感じている点を教えてください
特に優れていると感じるのはデザインです。アンケート画面がきれいにビジュアライズされているので、会員の方がストレスなく回答しやすいと思います。回答率が高いのは、デザイン性の高さも影響しているのではないでしょうか。
データ連携も視野に、さらにマーケティング活動を強化したい
Q:今後、CREATIVE SURVEYに期待することなどあればお聞かせください
CREATIVE SURVEYを活用するようになり、会員の方のご意見を商品やキャンペーンの企画・改善に役立てられるようになりました。ですが、取り組みとしてはまだ不十分ですし、弊社のマーケティング体制も過渡期です。
今後はアンケートだけではなく、CREATIVE SURVEYと外部システムとの連携も実現させたいです。それができるところもCREATIVE SURVEYの強みだと思います。会員情報を外部データと紐づけられれば、マーケティング活動をさらに強化していけると考えています。 ほかにも、診断ツール的な使い方やクリエイティブ要素満載のアンケートも見やすい形で作成できそうなので、今後使ってみたいですね。
ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、NPS、そして NPS 関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。
※ページ上の各種情報は2020年7月3日時点のものです。