課題
- アンケート回答を、学生の属性と掛け合わせて分析するのが難しかった
- 設問数が多く、アンケートの途中で離脱が発生してしまっていた
施策
- Salesforce Experience Cloudで構築された学生ポータルにアンケートの入口を設置
- 回答結果と学生の属性の紐付けを自動化
結果
- Salesforce上で学生のデータと回答を掛け合わせた分析が可能に
- 設問数を減らしたアンケート設計が行え、回答率が向上
株式会社代々木アニメーション学院様は、アニメ・エンターテインメント業界を志す学生の育成や、エンターテインメント事業としてアイドルグループの運営・マネジメント、劇場やライブハウスの運営等を行っています。業界内で、先駆けて人材育成を行ってきたノウハウを持ちながら、「学生目線=スチューデントファースト」を掲げ、学生の意見やデータを用いた教育品質の向上に、Salesforceを用いて取り組まれています。
同社では、学生へのアンケートに『CREATIVE SURVEY for Salesforce』を活用し、学生の声の収集や分析に注力されています。導入にあたっての目的や、活用方法、得られているメリットについて、教務部の小野木様と奥山様にお話を伺いました。
※以下、敬称略
Salesforce上でアンケートの回答データを分析したい
Q:貴社の事業内容とご担当の業務を教えてください。
小野木:弊社は元々アニメーターを育成する学校として、45年前に創設されました。30年ほど前には声優科も開講し、業界内では先駆けて育成を行ってきました。その他にも、イラスト科やマンガ科など、代々木アニメーション学院では計20の学科を運営しています。
近年は、教育者自身、また組織として業界の最先端を知っていることが、教育する上で必要という考えをもとに、エンターテインメント事業や施設運営事業にも注力しています。
例えば、エンターテインメント事業では、『=LOVE(イコールラブ)』や『≠ME(ノットイコールミー)』『≒JOY(ニアリーイコールジョイ)』というアイドルグループのマネジメントやコンサート運営等を手がけています。施設としては、天王洲 銀河劇場という劇場や、YOANI Live Stationというライブハウスを所有しています。
これらの事業を通して、テレビ、ラジオ、CMといったエンターテインメントの世界を知り、教育にフィードバックされていく、そのような仕組みを持つ学校になります。
私は教務部に所属しています。教務部は、各学科のカリキュラム作成や、学校のルール策定、また学生の管理等を行っています。その中で主に新規学科を含む管理業務を担当しています。
奥山:私も同じく教務部の所属になります。学生の出席率や、学科の運営をはじめとする全体の管理を担当しています。
Q:CREATIVE SURVEY for Salesforceを導入した経緯と選んだ決め手を教えてください。
奥山:導入前は、Googleフォームを利用し、定期的に学生へ向けたアンケートの実施を行っていました。しかし、回答データの蓄積や、分析を行っていくには、難しさがありました。
その上で、学生の管理にSalesforceを使用していた事もあり、Salesforce上にデータを残せる形でアンケートを取れるツールはないかと考えていたのがきっかけです。
Salesforceの担当者から連携可能なツールとしてCREATIVE SURVEY for Salesforceの提案があり、導入に至りました。
Salesforceでは出席状況、時間割、成績をはじめ、年齢や出身地など、様々なデータを管理しているので、こうした学生の状況と、アンケートの回答をマトリクスで分析する事が可能になりました。
学生の声は授業の改善や新たな企画として反映
Q:CREATIVE SURVEY for Salesforceをどのようなアンケートで活用していますか?
奥山:メインで使っているのは、授業後のアンケートと、学校生活についてのアンケートの2つになります。
一つ目の授業後のアンケートは、各授業毎に、Salesforce Experience Cloudで作成された学生ポータルにログインしてもらい回答してもらっています。
学生の出席状況などの情報はSalesfoceで一元管理しているため、アンケートの回答も自動的に学生や授業ごとに自動で紐づく形になっています。
校舎数や学生数が多いため、同じ講義内容でも先生が異なる場合があります。そのため、一人ひとりの学生の習熟度や満足度を把握することはもちろんですが、先生ごとに回答結果を分析し、カリキュラムや指導内容の改善を図る目的にも活用しています。加えて、先生方の評価にも用いています。
小野木:先生ごとの習熟度のデータの背後には、カリキュラムや、受けた学生たちのレベルといった情報があるので、それらを考慮した上で分析をしています。
回答結果の真意を掴めるよう慎重に精査したうえで、きっかけとして役立てています。
奥山:二つ目の学校生活についてのアンケートは、入学からしばらく経ったタイミングや、長期休暇前、進級時などに定期的に行っていて、学校生活には慣れたか、という確認や、就職活動状況のヒアリングをしています。
小野木:その他にも好きなアニメや、ゲーム・マンガを聞いたりもします。現在の学生である若い年代には、どのようなコンテンツが人気か、直接指導している先生だけではなく、本部のメンバーも知る機会を作ることで、新たな発見に繋がることもあります。
Q:回答データは、どのように活用していますか?
小野木:授業アンケートの回答データは、前期・後期の切り替わりや、長期休暇前といった授業が落ち着くタイミングで、全体の確認をしています。何かしらのイレギュラーが見つかったときには、その点を分析して、今期中に改善できるものは改善し、来期でなければ間に合わないものは、来期の改善予定に組み込む、といった運用を行っています。
奥山:希望の進路を聞くアンケートでは、流行のアニメの制作会社さんが人気になるなど、年度やタイミングによってトレンドが見られます。学生から要望の多い企業には、特別授業や説明会をお願いすることもあります。
心理的な変化を答えやすいアンケートで察知しフォローアップへ
Q:CREATIVE SURVEY for Salesforceを導入して、どのような変化がありましたか?
奥山:北は札幌から南は福岡まで、全国に校舎がある中で、以前まではアンケートを行っても、その状況の分析は各校舎の中だけで完結してしまっていた面がありました。校舎によっては少人数制の学科もあるため、分析が難しいケースもありました。
CREATIVE SURVEY for Salesforceの導入後は、全国での傾向と、校舎ごとの結果を比較し、フィードバックすることができていて、改善に繋がっています。
同学院ではビジネスアプリケーションであるSalesforceを活用することで「学生ファースト」の教育を実現
Q:Salesforceとの連携ではどのような点にメリットを感じていますか?
奥山:Salesforce上のレポートやダッシュボードで分析できる点が1番のメリットだと感じています。
また、Salesforceと紐付けてアンケートを行っているので、学生が名前や学籍番号を毎回入力するといった負担を極力減らすことに繋がっています。アンケートに答えてください、といっても、項目が多すぎるとなかなか全部には答えてくれていませんでした。授業アンケートは特に毎日答えてもらうものになるため、ハードルを下げ、本当に必要なことだけを聞いて、残りの情報はSalesforceから得る、という形を実現できています。
アンケートの回収においても、今まではExcelに出力した回答データを、Salesforce上のデータと突き合わせをして、未回答の学生をリスト化しており、手間も時間もかかっていました。現在では、Salesforceのレポートですぐにリストアップができるので、リアルタイムに各校舎への依頼ができるようになりました。
アンケートの回答率が向上したと感じていますし、回答を集めるための期間の短縮にも繋がっています。
アンケートの回答をあまりしていない学生については、お知らせを確認していなかったり、学校から少し興味が離れてしまっている可能性があることが推察できるので、そうした面からもリアルタイムで回答状況を見れることが学生のケアに役立っています。
Q:CREATIVE SURVEY for Salesforceを使ってみた所感を教えてください。
奥山:フォームの作成については、選択肢をぱっと並べられたり、直感的な操作ができるなと感じています。質問の回答に応じて、次の質問を変える分岐設定を用いることで、細かいところを聞いたり深掘りするといったことも、これまではできていなかったので、便利だと思っています。
小野木:結果の集計については、Salesforceと連動しているので、名前を書いてもらう必要が無いことで学生に極力答えてもらえるように提示できていますし、学生が不満を持っている、といった回答があった時にはタイムロスなく、すぐに連携が図れています。心理的な問題への対応は、やはりスピードが重要だと思いますし、こうした全ての面において効率化を実現できていると感じています。
Q:CREATIVE SURVEY for Salesforceを使って、今後実現したいことはありますか?
奥山:授業後のアンケートについては、プレ導入ということで昨年一年間、一部の学科で実施していました。この期間を通して、運用の方法や、どのようにフィードバックするか、学生がどれくらい回答してくれるのかといったところがわかってきたので、今後は全面導入ができたら良いなと考えています。
小野木:学生へのアンケートは、日常的に細かいものが発生しています。例えば舞台への招待やインターンシップの募集など、現場の先生がGoogleフォームなどで行っているものもあり、CREATIVE SURVEY for Salesforceに替えていきたいと考えています。Salesforceとの連携が実現できれば、こうした細かい情報からも、客観的に学生の状況や積極性などを確認できると思っています。
奥山:そういった募集に対してどの応募に関心が高いのかといったデータも蓄積していけると、今後の企画にも反映できそうですね。
※ページ上の各種情報は2023年10月24日時点のものです。