株式会社JTB様は、日本の旅行市場を牽引してきた会社です。「感動のそばに、いつも。」をブランドスローガンに掲げ、旅行者・地域・企業をつなぐ“交流創造事業”として常に新たな価値を提供しています。
同社の法人部門では、お客様向けウェビナーのアンケートに『CREATIVE SURVEY for Salesforce』を活用しSalesforceとアンケート結果をリアルタイムで一元化することで、営業活動の精度やスピードの向上に役立てています。導入の経緯や活用方法、得られているメリットなどについて、ビジネスソリューション事業本部マーケティングチームの前澤様、今井様にお話を伺いました。
※以下、敬称略
Salesforceとの連携、高セキュリティなツールであることが選んだ決め手
Q:貴社の事業内容とご担当の業務を教えてください。
前澤:JTBは旅行会社として産声を上げ、各地域に店舗があることから個人の観光旅行や企業の社員旅行などを取り扱う会社というイメージが強いと思います。現在はツーリズム事業を基盤としながら、地域軸と企業軸を加えたソリューション型のビジネスを展開しています。
私が所属するのは、企業・地方自治体・教育機関などを対象にサービスを提供している法人営業のマーケティングを行うビジネスソリューション事業本部マーケティングチームです。一般的なツーリズム事業とは異なり、弊社の持つノウハウを活用して企業や団体の抱える課題をインナー向け(対社内)、アウター向け(対顧客)の両面からサポートするという点が大きな特徴です。研修旅行や修学旅行もその中に含まれますが、ビジネスや組織、教育面における課題を解決し、成果につながるサービスを提案する事業になっています。
たとえば、インナー向けではビジネストラベルや人材育成に関する施策のサポート、オンラインを含めた様々なビジネスイベントの企画運営などがあります。アウター向けでは、テーマ型の旅行企画やプロモーション、学会のサポートなどを行っています。
今井:私はマーケティングチームの中で、全国の地方自治体を担当しています。地方創生のサポートをしているツーリズム事業のチームと連携しながら仕事を進めることも多くなっています。
ビジネスソリューション事業本部の業務は直轄の拠点だけでなく、47都道府県に拠点を持ち、地域とのつながりを育みながらビジネスを行うツーリズム事業本部とも連携しており、法人向けビジネスではSalesforceをはじめ同一のプラットフォームを基盤としています。
Q:CREATIVE SURVEY for Salesforceを導入した経緯や選んだ決め手を教えてください。
前澤:以前は旅行やイベントなどリアルでの顧客接点を通じてソリューションを提供するといった活動が中心でした。しかし、コロナ禍以降、それらの顧客接点が大きく変化し、営業担当がビジネスの種を見つけることすら難しいという状況に直面し、新たな価値提供の方法が求められていました。
お客様とコミュニケーションを取り続けるための施策として、はじめてウェビナーを開催したのが2020年の5月頃です。
それまではリアルな顧客接点が中心であったこともあり、そのときに初めてオンラインコミュニケーションのためのアンケートツールを持つ必要性に迫られました。
以前にも、社内の研修後アンケートのように回答者があらかじめ特定できているようなクローズドな環境で利用していたツールはありましたが、外部に向けてオープンにアンケートを取るために社内で許可されたツールがありませんでした。
弊社では個人情報を取得する場合には社内に設けられた高いセキュリティ基準を満たしたツールでなければ使用できないため、新たにアンケートツールを選定しなければならないという状況でした。
加えて、回収したアンケート結果を各事業部での営業活動に利用することも前提としていたので、弊社の顧客管理基盤であるSalesforceと連携できることも必須条件でした。
Salesforce社やベンダー企業にも「Salesforceと連携でき、弊社の目的を実現できるツールはどこですか?」という形で質問させていただいて、CREATIVE SURVEY for Salesforceなら、社内のセキュリティ部門のセキュリティ基準もクリアでき、さらにSalesforce上でデータを一元管理できるということで導入が決定しました。
お客様の温度感や案件化の可能性を吸い上げられるよう設問を工夫
Q:CREATIVE SURVEY for Salesforceをどのように活用していますか?
今井:現在、メインとして活用しているのはウェビナー参加者へのアンケートです。目的は2つあり、1つ目はウェビナーの満足度や効果検証を行うことです。回答内容を参考にして、次回開催時の改善に役立てています。
2つ目は回答データを活用した営業活動のためです。お客様の声は顧客の抱える課題を解決する種となるものと考えています。営業に役立つ設問設計やウェビナーから各営業のアプローチまでが連続した体験となるようなスピード感を意識しています。
前澤:ウェビナーはコロナ禍以降、年20回前後のペースで実施しました。テーマによっても参加人数は変わりますが、多いときは1000名単位でご参加いただいているので、アンケートから得られる顧客の声は重要なファクターとなっています。
ウェビナー以外では、メルマガを使って意識調査を実施する際などにCREATIVE SURVEY for Salesforceを活用しています。
Q:ウェビナーアンケートの具体的な実施フローを教えていただけますか?
今井:ウェビナー開催日の約3週間前にメルマガを使ってウェビナーのご案内し、申込があった方には後日あらためて詳細をご連絡するという流れです。アンケートのURLは、ウェビナー前日に送るメールと当日、ウェビナー終了後の合計3回のメールに記載しお知らせしています。できるだけ回答率を高められるよう、入り口は多めに設定したほうがよいと考えているためです。
ウェビナー終了直後の案内ではチャットでURLを提示しているほか、スライド上にQRコードも表示しています。CREATIVE SURVEY for SalesforceではURL発行やQRコード生成も簡単にできるので、そのまま貼り付けて運用している形です。
設問内容は基本となる大枠は決めていますが、テーマごとに関連部署からの意見も集めて追加・修正し、いかに営業の場面で有効活用できるデータになるかを意識して設定しています。
Q:回答データは具体的にどのように活用されているのでしょうか?
前澤:営業面でいうと、アンケートに回答があるとSalesforce上にリアルタイムに連携されるので、そのままインサイドセールスがコールする際の参考情報にしています。
お客様の温度感や案件化の可能性を拾い上げられるように設問項目を工夫しているので、どのお客様にどのようなフォローをしていくかを決めるなど、より良いパートナー関係を築くための情報として役立っています。
他にも、ウェビナー全体のデータからは、参加者の傾向や期待、満足・不満足の要素などの観点から分析し、今後の事業計画のための資産としてデータを蓄積しています。
Salesforceとの連携でお客様へのアプローチまでの工数を短縮
Q:CREATIVE SURVEY for Salesforceを導入して、どのような効果・メリットがありましたか?
前澤:システムを導入したことで、導入の目的であったアンケート作成からアンケート結果をSalesforceの顧客情報と紐づけて一元的に管理し、インサイドセールスや全国の支店へ共有するという一連のフローが少ない工数・期間で実施できていることに非常に効果を感じています。お客様へのアプローチを即座に行えるようになっている点は大きなメリットですし、ウェビナー施策の効果アップにつながります。
また、アンケート自体の機能として高い回答率を維持できている点も大きなメリットと感じています。回答者にとってストレスの少ないアンケート画面やUIになっている点が回答率に大きく影響していると思っています。
回答データが自動集計・グラフ化される機能も大変便利で、ウェビナーの企画・運営にあたるメンバー間での共有がスムーズになりました。たとえば「ウェビナーに参加した動機は何か」「ウェビナーで目を引いたパートは何か」といった情報をウェビナー終了後すぐに共有できますし、情報資産が社内に蓄積されていく点も大きなメリットです。
Q:CREATIVE SURVEY for Salesforceを使ってみた所感を教えてください。
前澤:満足度などのシンプルな設問を設定したい場合やマトリクス形式で設定したい場合など、様々な設問・回答タイプを簡単に作成できる点がとても便利です。アンケートフォームのデザインをカスタマイズできる機能もあるなど、実際に使い始めてから、あらためてツールとしての機能の豊富さを実感しました。
どのような設問であっても回答者が答えやすいアンケート画面を作ることができる点は、大変ありがたいと感じています。
今井:設問項目の大枠をExcelにまとめておき、企画ごとに関連部署と相談しながら部分的に修正するという進め方にしているのですが、CREATIVE SURVEY for Salesforceには一括質問追加機能があり、Excelで作成した設問文をコピー&ペーストでまとめて入力すれば複数の設問も一度に作成できるといった機能もスムーズな運用に役立っています。
Q:今後、CREATIVE SURVEY for Salesforceを使ってやってみたい施策はありますか?
前澤:現在はウェビナーのアンケート結果をSalesforceに連携させて営業活動に有効活用するという使い方をしていますが、今後は一歩進んだデータ活用の方法を検討しています。
たとえば、アンケートの回答内容に応じてインサイドセールスがコールする対象を自動選別したり、MAを活用したセグメントメールで動的に最適なフォローを行うといったことができるようになると、よりデータ活用が進むと考えています。
CREATIVE SURVEY for Salesforceの導入によって、こうした施策も実現できる土台を作れたので、今後さらに可能性を広げていきたいです。
※ページ上の各種情報は2023年3月16日時点のものです。