自主調査 2012年04月27日

「キーワードは省エネ?明るさ?」LED電球のパッケージデザイン印象調査

LED電球のパッケージデザイン印象調査

デザイン情報誌『日経デザイン』で行われていたLEDパッケージのアンケート調査を基に、アンケート作成ツール・クリエイティブサーベイによる「市販のLED電球3タイプのパッケージデザイン比較調査」を行いました。

LED電球とは

LED電球と言えば、省エネで長寿命な電球として知られる電球です。2011年2月から急速に需要を伸ばし、7月には遂に電球市場で圧倒的なシェアを持っていた白熱電球の販売量を超えました。省エネ志向の広がりと相まって、今後さらなるシェアの拡大が予想されています。(参考:LED電球、ついに白熱電球を抜く
さて、そんな注目のLED電球ですが、私たちCREATIVE SURVEY事業部としては「どんなパッケージが消費者にウケるのか?」という事が非常に気になるテーマです。
消費者に受け入れられるLED電球パッケージデザインとは一体どんなものなのでしょう。

「省エネで長持ちする」LED電球がいい!!

デザイン調査の前に、そもそも消費者はLED電球に対して、なにを求めているかネットリサーチしました。
以下がその結果です。

【質問:LED電球に対して求めることをスライドバーにてアンケートに回答してください。】

キーワードに対して自分の考えが近い方へスライドバーを動かす方法で消費者の意見を抽出しています。
グラフは回答の分布を示しており、赤い部分は回答が集中していることを表しています。
ご覧の通り消費者の答えからは「明るさ」よりも「消費電力の低さ」が、「価格」よりも「製品寿命」が重要視される傾向が見られます。
ひとことで言雨ならば、「省エネで長く使えるLEDがいい!!」というのが本調査における消費者の意見です。
この結果は参考までに頭の隅っこにでも置いておいてください。
それでは次からデザイン調査の結果について解説していきたいと思います。

調査対象のパッケージ(前提)

今回の調査ではこちらの3種類のLED電球パッケージを比較対象としました。
向かって左から
・東芝ライテック|イー・コア LDA6N/2 (以下”イー・コア”)
・シャープ|エルム DL-LA41N (以下”エルム”)
・パナソニック|エバーレッズ LDA7D-G (以下”エバーレッズ”)
となっております。
これらの商品は実際には価格や性能面で違いがありますが、本調査はデザイン調査ですので、あくまで「どう見られているか?」の調査であるということを念頭において以下ご覧ください。

一番買いたくなるパッケージはどれ?

【質問:あなたがLED電球を買うとします。AとBとCが店頭に並んでいた場合、どれを買いたいと思いますか?
※電球の価格はそれぞれ同じだと仮定して回答してください。】

ご覧の通りCが圧勝、、という結果になりました。約75%の消費者がパッケージを見た印象では[Cを買いたいと感じる]を選択しています。ここまで明確に差が出るとは驚きの結果でした。
さらに、それぞれのパッケージデザインに対して消費者はどのような印象を持ったか調査しました。
【質問:以下に挙げた言葉に最も当てはまるパッケージはAからCのうちどれですか。】

項目は「安全性」「機能性」「可視性」のカテゴリーに当てはまるものを上から順に並べています。
特徴のある結果をピックアップすると、Aのパッケージでは「安全そう」「消費電力が少なそう」「電球の形やデザインがよく分かる」などの軸で他に比べ多くの支持を集めました。
「消費電力が少なそう」ではAのパッケージ、「環境に良さそう」ではBのパッケージ、「明るそう/店頭に並んでいた時に目立ちそう」ではCのパッケージなど、A・B・Cそれぞれ特徴のある結果となりました。
この結果を基にそれぞれのパッケージに対する印象を以下にまとめて言語化してみました。

ざっくりとしたまとめですが、簡潔にそれぞれのパッケージに対する印象が言語化されているのではないでしょうか。

まとめ

最初にも述べましたが、消費者がLED電球に求めているものに対する調査結果は「消費電力が少なく、長持ちすること」です。
一般的にはマーケティングリサーチで明らかになった結果を基に、どのようなデザインのアプローチをとるか戦略が立てられることが多いのですが、今回のデザイン調査結果では、「明るさ」を感じるパッケージデザインに最も多くの支持が集まるという結果となったことから、消費者がLED電球に対して求めていることと、良いと感じるLED電球のパッケージデザインのアプローチは必ずしも一致するわけではないということが明らかになりました。