保険業務の満足度調査を実施。回答データをCDPと連携し顧客ロイヤルティ分析の基盤に
三井住友海上火災保険株式会社
- データマネジメント
- カスタマーエクスペリエンス
- その他
課題
- CXマーケティング戦略部の設立に伴い、お客様に様々なタイミングで幅広い調査を実施する必要があった
- 外部に依頼していた調査では修正に時間がかかりスムーズな運用ができていなかった
施策
- 保険契約時や事故対応時の調査を部署内で内製化
- 回答データをCDP(カスタマーデータプラットフォーム)と連携し分析
結果
- 顧客体験の正確な把握が可能になり、スムーズな改善活動サイクルを構築
- CDPとの連携により、BIツールを活用した分析や可視化を可能に
三井住友海上火災保険株式会社は、日本を代表する大手損害保険会社であり、広範な保険サービスを提供しています。企業向けから個人向けまで多岐にわたる保険商品を展開し、自動車保険、火災保険、傷害保険、旅行保険、そして企業のリスク管理をサポートする保険などを取り扱う企業です。
同社では、保険契約時や事故対応の際などの顧客満足度の計測のためにCREATIVE SURVEYを活用し、顧客ロイヤルティの改善施策を行っています。
導入の背景や活用について、CXマーケティング戦略部 データマーケティングチーム 課長 日ノ澤様、同チーム 課長代理 柵木様、主任 柏様にお話をお伺いしました。
※以下敬称略
保険契約時や事故対応での評価を計測し継続率や満足度の改善活動につなげる
Q.貴社の事業内容とご担当の業務を教えてください。
日ノ澤: 弊社、三井住友海上火災保険株式会社は損害保険の会社で、主に自動車保険や火災保険、傷害保険などを保険代理店を通じて販売しています。また、事故や災害に遭われたお客様に対して、補償やサポートを行う事業を展開しています。
私たちの所属するCXマーケティング戦略部は、当社で新たに設立されたマーケティング専門の部署です。主に個人向けの商品について、お客様目線でのマーケティング活動を推進しています。
部内には広告制作を担当するチーム、マーケティング戦略の策定を行うチーム、既存のお客様に向けたCRM活動を行うチームなどがあり、私たちはその中でデータマーケティングチームに所属しています。
データマーケティングチームの業務の1つとして、お客様アンケートの運用やそのデータを分析して改善活動に繋げるような取り組みも行っています。
Q.CREATIVE SURVEYの導入に至った経緯について教えてください。
柵木: CX部署が立ち上がった中で、お客様に様々なタイミングで幅広いアンケートをスムーズに実施したいというニーズがあり、いくつかツールを選定することになりました。
その中で、コストパフォーマンスが高く、柔軟にアンケートを作成することができ、さらにお客様への配信も簡単に行うことができるという点でCREATIVE SURVEYが候補に挙がり、最終的に導入を決定しました。
導入に際してはコスト面や柔軟な設問の変更が可能であること、さらにそのツール単体での分析にとどまらず、現在弊社で活用しているトレジャーデータ社のCDPにお客様情報を紐付けて自社独自の分析を行い、継続率や満足度を改善する目的がありました。そうした背景を踏まえ、最終的にCDPとの連携による分析が可能である点が決め手となり、CREATIVE SURVEYが最適解であると判断しました。
代理店などの販売チャネルごとに顧客満足度やNPS®︎などの相関を分析
Q.実際にどういった活用をしていただいているのでしょうか。
柵木:現在、メインで実施しているアンケートは3つあります。
1つ目は、契約手続きを行ったお客様に対して、契約手続き時にその契約に至るまでの代理店からの説明や商品内容について分かりづらい点や不満がなかったか、また、手続きした代理店を推奨していただけるかといった満足度やロイヤルティを聴取しています。
2つ目は、契約中のお客様に対して満期契約の更新手続きが数ヶ月前に近づいた際に実施しているアンケートです。このアンケートでは、契約中に不便な点や分かりづらい点がないか、会社に対する満足度やロイヤルティを聴取しています。
3つ目は、事故対応後のアンケートです。事故対応が発生した全てのお客様に対して、事故対応の応対品質について聴取しています。
Q.実施フローや実施方法について詳しく教えていただけますか。
柵木:契約時アンケートでは、基本的には契約をいただいたタイミングで当社のお客様に対してアンケートの回答を依頼し、回答をいただいています。
設問内容はおおよそ10問前後で構成されており、回答いただく方にご負担がかからないように、基本的には数分で終わるような形にしています。
アンケートの案内は、ご契約時にメールアドレスをご登録いただいているお客様には、契約時および契約期間中にメールで配布しています。
紙の証券をお客様に送る場合は、封筒にアンケートのお知らせチラシを挟んでお送りし、そこから二次元バーコードを読み込んでアンケートにアクセスしていただくなど、契約時の種別によって複数のアクセス方法で回答いただけるようにしています。
CDPとアンケート施策を連携し、顧客ロイヤルティとの相関を把握
Q.回答データの活用について教えてください。
柵木:回答データについてはお客様の証券情報といったキーとなる情報を元にしてCDPと連携しています。さらにどの接点を介して契約となったのかなどの属性情報とアンケート結果を紐付けて、ロイヤルティなどとの相関性を調べて分析しています。
その他にも、アンケートの回答に自由記述などで契約のお手続きにご満足いただけなかったなどがあった場合は、担当の代理店様に伝えてフィードバックするといったことも実施しています。
日ノ澤:具体的なデータの流れとしては、CREATIVE SURVEYのWebhook連携の機能で回答ごとにCDPと連携し、契約データなどとの紐付けを行い、そこからBIツールであるTableau(タブロー)上で分析するといった形で運用しています。
例えばですが、専業代理店、不動産、ディーラーのような各チャネルごとにどのように満足度や推奨度に差があるのかといったことを可視化できるようにしていて、営業部門や、営業を推進していく本社部門とコミュニケーションを取りながら、チャネルごとの特性を踏まえて不満が出やすい点の改善等PDCAを回しながら応対品質の向上に繋げています。
それ以外にもクロス分析で見ていくだけではなく、 データサイエンティストのチームと回帰分析等を行って本当に満足度に寄与している項目は何なのか、満足度の低下につながりやすい体験は何かといった分析も行っています。
今後の構想も含まれるのですが、契約時、契約中のアンケート、事故があった場合のアンケートを横串で通して分析し、お客様一人ひとりがそれぞれの接点でどう感じていたのか、トータルでの評価にどのような影響を与えたのかも理解できるようにしたいと考えています。
それぞれの顧客接点でどういった評価が契約率、継続率と関連するのか、ロイヤルティが上がるのかといったキーファクターをより細かく特定できるようにしていきたいと考えています。
Q.CREATIVE SURVEYの使い勝手はいかがでしょうか?
柏:操作については、マトリックスや条件による分岐などの複雑な質問であっても、パーツを組み合わせるだけで作成できることや、選択肢の追加修正などが素早く容易にできるため、スムーズに運用できていると感じています。
複数の設問文のページでこの設問とこの設問だけ繋げたいといった場面も多くあるのですが、画面上の操作で簡単にページを結合できるので助かっています。
柵木:現在行っている運用は、元々我々とは異なる部署で外部へ依頼していた為、修正依頼などのオペレーションが煩雑になるといった課題がありました。
CREATIVE SURVEYで内製化できたことで、コスト面でのメリットだけでなく、例えば自由記述で登場頻度が多いものは選択肢として見直す、といった回答いただきやすくするための細やかな修正などもスムーズにできるようになりました。
Q.今後、CREATIVE SURVEYをどのように活用していきたいですか?
日ノ澤:先ほどお話ししたようにそれぞれの調査を連続的に分析していくという意味では、例えばコンタクトセンターの接点の評価などを現在の調査に加えて計測するなど、より顧客体験の解像度を高めることができればと考えています。
その他、現在定常的に行っている施策以外にも、一部の属性のお客様に向けたより詳細な調査なども積極的に取り組みたいと思っています。
また、分析以外でもお客様の対応を行なった担当者が回答をすぐに見ることができるようにシステムを繋いでいくなど、スムーズな改善活動が可能な仕組みを構築できると良いと考えています。
ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、NPS、そして NPS 関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。
※ページ上の各種情報は2024年12月23日時点のものです。