課題
- 展示会施策において、紙のヒアリングシートを活用していたためデータ化に時間がかかりリードのフォロー開始に1~2週間かかっていた
- 展示会施策で活用するヒアリングシートのSalesforce連携で担当者ごとに依頼方法が異なったり、申請内容の漏れが発生するなどの課題があった
施策
- 展示会で取得したリード情報をAsk Oneを通してSalesforce、Adobe Marketo Engage、MotionBoardに連携
- MotionBoard上で、展示会獲得リード情報やヒアリング内容の可視化、編集を実施
- キャンペーンリクエストフォームによる業務標準化と後続業務の自動化
結果
- 展示会リードに対する即日フォローが可能に
- データ入力、確認作業が軽減し、インサイドセールス部、マーケティング部、営業部の工数削減、データ化費用削減につながった
- 各展示会ごとに必要なAdobe Marketo Engageプログラム作成業務の自動化
ウイングアーク1st株式会社はソフトウェアとサービスを通じて、企業のデータ活用を支援している企業です。
同社では「Ask One」を展示会でのリード情報の取得から商談化までのリードタイム短縮に向けてご活用いただいています。具体的にはSalesforce、Adobe Marketo Engage、自社ツールの「MotionBoard※1」とAsk Oneを連携することで、データの入力から可視化まで一気通貫で取り組んでいただいております。導入に至った背景やAsk One×MotionBoardの活用方法について、マーケティング部の谷井様、高岡様、冨安様にお伺いしています。
※1 MotionBoard:「MotionBoard」は、さまざまなデータを価値ある情報に変えて、直感的な操作性でリアルタイムに状況を把握できるBIダッシュボードです。現場データやシステムデータ様々なデータに接続できるため、多様な業界・業種でリアルタイムなデータ活用ができスピーディな判断を支援します。(URL:https://www.wingarc.com/product/motionboard/)
写真左:冨安様、写真中央:高岡様、写真右:谷井様
※以下、敬称略
展示会リードの即時フォローの実現と柔軟な連携機能が導入の決め手に
Q.貴社の事業内容、担当部署、ご担当業務について教えてください。
冨安:弊社は、開発、販売から保守まで一気通貫でサービスを提供するソフトウェアメーカーです。帳票、文書管理の領域とBIデータ活用、データエンパワーメントの2つの事業を展開しています。国内の拠点のみならず海外事業の展開も実施しております。
担当業務としては製品の認知施策、リードジェネレーション施策など、一般的にフィールドマーケティングと呼ばれる部門を担当しております。その中で、メディア連携施策やイベント企画、展示会出展における企画運営が主な業務です。
高岡:デジタルマーケティング部に所属しており、リードを獲得した後のリードナーチャリングや各種ツール上でのリード管理、分析が主な業務になります。また、WEBマーケティング領域も担当しており、リードジェネレーションなどの施策にも関わっております。
私の担当業務としては、この度のAsk Oneの導入や運用設計などを始めとしたデジタルツールを活用した業務改善になります。
谷井:高岡と同じくデジタルマーケティング部に所属しております。主に自社製品のMotionBoardを活用して、マーケティングのデータ活用の領域を担当しています。
Q.Ask Oneを選定、導入するに至った経緯について教えてください。
冨安:Ask Oneのサービスローンチの情報を元に導入したという流れではありますが、展示会やイベントの開催もコロナ収束により増えていき、今年は年間を通して展示会やイベントなどの開催実績は50回以上となっています。こちらの運用に課題があったことで導入に至りました。
谷井:コロナ以前も展示会は多く出展しており、マーケティング施策の中でもコロナ以前からオフラインイベントの重要度は高かったです。
冨安:展示会を中心としたオフラインイベントにおいては、リード獲得のみならず商談化への貢献も重視しております。その中でもリードに対してどれだけ迅速に、ミスなくフォローを行っていくかは優先事項として捉えております。
Ask One導入前は、展示会での営業対応のヒアリング情報と名刺情報を紙で管理していました。ヒアリング情報と名刺情報をまとめた紙のヒアリングシートのデータ化作業をパンチング業者に依頼したり、ブース内のバックヤードでマーケティング部がiPadを活用して手入力したりと運営上の課題が大きかったです。また名刺情報はヒアリングシートにホッチキスで止めて管理をしていたため、名刺情報とヒアリング情報を突合して管理するということもハードルが高かったです。その中でヒアリング情報と名刺情報のデータを一括で管理できるニーズにマッチしたのがAsk Oneでした。
高岡:当社では、Salesforce、Adobe Marketo Engageを活用しているため、この2つのツールにデータ連携ができることは大前提の条件でした。こちらの要件を満たしていることも導入に至ったポイントになっています。
Q.現在行なっているAsk Oneの施策内容や目的について教えてください。
冨安:現在の主な施策内容は、展示会でのHOTリードの対応です。
展示会の会期中、営業担当がデモ説明を含むお客さま対応の際に、お客さまから受領した名刺情報とヒアリング情報をAsk Oneに入力します。その情報をSalesforceに直接連携し、リード情報が入ったタイミングで、Adobe Marketo Engageを活用して御礼メールの送付を行います。
同時に、インサイドセールスにSalesforce上の情報を連携し、お客さまに対しての即日フォローを実施しています。
谷井:紙のヒアリングシートで運用していた際は、リード情報のデータ化は業者に依頼する場合が多く、データの納品に1〜2週間ほどかかりHOTリードに対しても即時対応ができていませんでした。名刺情報についても、読み取りのミスがあるものは都度写真でとった名刺を探す必要があり、正しい情報を取得するために時間と工数がかかっていました。
冨安:展示会に出展した様々な企業がアプローチをかけるため、なるべく早く、お客さまに架電できることが理想的だと考えます。今はAsk Oneにデータを入力すれば、Salesforceにデータが連携され、Salesforce上でヒアリング内容とお客さま情報を見ながら即時フォローができるので、インサイドセールス側の負担軽減に繋がっています。
また、情報の正確性という点では、以前は手書きのメモでヒアリング情報を残していたため、手書き内容の確認作業が営業部とマーケティング部内で発生していました。この確認作業も工数がかかっていましたが、Ask Oneのヒアリング情報をSalesforceに送り、Salesforceからデータを連携してMotionBoard上で可視化することで、リード情報やヒアリング情報をMotionBoard上で確認できるようになりました。これによって会期中にデータの確認やリード情報の更新作業が可能となり、営業担当への後日確認も直近の展示会では無くなりました。現場の業務負担の軽減にも繋がっています。
インサイドセールス部、マーケティング部、営業部の展示会施策における業務負担を軽減
Q.上記のヒアリングシートの運用フローなど具体的な運用の流れについて教えてください。
冨安:実際に展示会で活用しているヒアリングシートはメインのものと同席者のものを分け、1つの出展ブースに対して2つのヒアリングシートを作って公開しています。内容としてはお客さまの名刺情報、BANT情報、担当者アサインのメモなどの自由項目欄と、興味のある製品やニーズなどを選択項目として設けています。
会期中は、Ask Oneからの情報をSalesforceを通してMotionBoard上でリアルタイムに可視化できるため、回答内容は即時確認・修正・更新できるようになっています。
会期後は、MotionBoardのデータを見ればお客さまの属性や来場ニーズを簡単に確認できるため、週明け月曜日にイベントの速報値をあげることができます。
「Ask One×Salesforce×MotionBoard」で展示会施策をより効率的に
Q.上記のヒアリングシート回収後の回答データの活用について教えてください。
高岡:Ask Oneで収集した回答データをリアルタイムでSalesforceに連携し、MotionBoard上でデータを可視化しています。ボード上から詳細データを確認したり、リード情報の修正をしています。
Ask OneのデータをSalesforceに紐づける際、ToDoに担当した営業名、製品導入の検討状況、興味分野などまとめてデータを連携しています。Salesforce上でもお客さまのメールアドレスを検索して、リード情報を参照し、回答データの確認、変更ができると思いますが、データの階層が深くなり確認や修正に時間がかかるため、MotionBoard上でリアルタイムにデータの可視化や編集を行えるようにしています。
谷井:MotionBoard上では3種類のレポートを用意しております。
1つはランキングボードです。
展示会で各営業が何件のHOTリードを獲得したかを可視化しています。権限の関係からデータを見ることができる人数に限りがありますが、弊社の営業は100〜200名いるため、MotionBoardを活用することでデータの可視化を行っております。
獲得数ランキングの可視化の要望はAsk Oneでリアルタイムにデータ連携ができるようになったからこそ上がってきたものだと思っています。
2つ目は、リードの確認と修正ができるボードです。
こちらは展示会のリード管理に利用しており、展示会ごとにHOTリード数が何件か、各日程ごとにHOTリードを何件獲得したかがわかるようになってます。日付を選択すると獲得したリードの明細が表示されるようになり、明細をクリックすると右側に詳細が明細として表示されるようになります。
こうすることで、ヒアリングシートの回答内容や、デモを担当した営業が誰なのかをMotionBoard上で可視化することが可能です。さらには、MotionBoard上のデータを書き換えることでSalesforce上のデータも書き換えられるようになっており、回答内容の修正もMotionBoard上で完結する仕組みを構築しています。
高岡:以前はSalesforceのデータ修正依頼をデジタルマーケティング部が受けて修正していましたが、今は会期中に展示会現場にいる担当が自分で編集できるようになり、結果的に工数削減につながっています。
谷井:最後にパラメーターの発行です。
パラメーターを発行することで、Ask Oneにヒアリング情報を入力した担当者が誰か、自動で判別できるようになっています。その結果、ランキングの可視化やリード担当者の管理が可能です。
展示会のアサインメンバーは、数10名から100名以上の場合もあり、パラメーターを発行するには工数がかかっていました。そのため、パラメーターを自動作成するボードをMotionBoard上で作成することで、氏名、固定値を入力すればSalesforceのユーザーオブジェクトからメールアドレスや部署を自動で参照し、パラメーター付きURLが算出される仕組みになっています。
冨安:以前までは、1人ずつメールアドレスを検索してパラメーターを作成していました。
MotionBoardを活用し、Salesforceのユーザーオブジェクトからデータを参照できることで抜け漏れやアサインミスもなくなりました。
また、アサインメンバーが多いため展示会で初めて関わる社員も少なくありません。部署が把握できていないことで担当の製品がわかりづらく、お客さまの誘導がしづらい経緯があったため、部署も自動算出される仕組みをとっています。MotionBoardを活用することでよりAsk Oneを効率的に活用できており、工数の削減につながっています。
Ask OneでSalesforceに連携したデータを、MotionBoardでより可視化しやすく、編集しやすく
Q.弊社ツールの活用を通して改善した点や効果が現れた点を教えてください。
冨安:外部業者へのデータ化の発注が不要になり、名刺情報とヒアリング情報が紐づいた形でSalesforceに即日連携できるようになった点や、MotionBoardを活用しSalesforceに正しい情報を即時に書き込めるようになった点、御礼メールを即時で送れるようになった点など迅速な運用が可能になりました。お客さまの記憶が残っているうちにアクションができることは効果として大きかったです。
また、MotionBoard上で実績値がすぐ把握できるので定量的な数値を可視化しやすいことも大きな効果として実感しております。
Q.弊社サービスついての感想ありましたら教えてください。
高岡:設問項目も充実しており、社内向けのアンケートなど様々な用途に活用できると感じています。
外部ツール連携機能も強く、SalesforceはもちろんAdobe Marketo Engageとの連携強化などこれからも色々な活用方法を模索していきたいと思っています。
サポート面も非常にきめ細かいサポートをしてくださっていて、特に機能拡充に対しての要望はエンハンスとして拾ってくださり、製品に反映されています。実際の運用に至るまでに、弊社が提示する要望を受けて改善に向け動いてくれた結果、予定通りにリリース開始に間に合いました。
ヒアリングツールだけではない、キャンペーンリクエストフォームとしての活用も
Q.弊社のサービスを使って、今後使ってみたい機能や行なってみたい施策などがありましたら教えてください。
高岡:ヒアリングツールとしての活用や展示会での活用はもちろんのこと、今後はAdobe Marketo Engageと連携したキャンペーンリクエストフォームのような使い方ができたらと模索しています。
展示会ごとにAsk Oneでヒアリングシートを作成し、各種ツールへの連携や御礼メール設定などをデジタルマーケティング部に依頼することになっています。その際、担当によって依頼方法が異なったり、指示内容に漏れが発生することがありました。そこで、依頼がスムーズに行えるキャンペーンリクエストフォームを作ることで、抜け漏れない情報のやり取りと統一されたコミュニケーション方法の確立を図ろうと考えています。
また、今まで展示会ごとに手動で実施していたAdobe Marketo Engageプログラム作成などの業務内容を自動化しようとサポートの方と一緒に動いており、アンケートに限らずツール連携という強みも活かした、別の使い方も模索していきたいと考えております。
※2024年10月現在、導入実施済み。
※ページ上の各種情報は2024年12月12日時点のものです。