課題
- 品質改善活動に対する従業員の声が把握できていなかった
施策
- 海外を含めた各生産拠点に従業員調査を実施
結果
- 現場の従業員の声を集めることができ、従業員のモチベーションといった品質改善活動のための示唆を得ることができた
新電元工業株式会社様は、エレクトニクスの分野で国内14、海外16の拠点を持ち、半導体技術、回路技術、実装技術を併せ持つグローバル企業です。半導体製品やモビリティなどの環境・エネルギー製品など多くの製品を手掛け、業界のエキスパートとして脱炭素社会実現の一翼を担っています。
同社では海外を含む生産拠点から改善活動のための従業員調査に『CREATIVE SURVEY』を活用しています。導入の経緯や活用方法について品質管理部 品質管理課の瀬田様にお話を伺いました。

改善活動のために国内外の拠点から従業員の声を集める
Q:貴社の事業内容とご担当の業務を教えてください。
弊社は一言で言うと総合エレクトロニクスのメーカーで、半導体デバイス、通信機器用電源、車載制御ユニット、EV充電器などの設計、開発、製造を行っています。
私の所属する部署は朝霞事業所の品質管理部です。弊社には4つの事業部があり、品質管理部は全社の品質に関わる全ての管理業務を行っています。主な業務内容は品質状況や改善活動、品質マネジメントシステムの取りまとめです。今回アンケートシステムを導入したのも、その改善活動の推進を目的としています。
品質管理部にはもう一つ評価計測課があります。評価計測課では、部品の認定や評価試験を行っています。
私は品質マネジメントシステム、改善活動に関する業務を主に行っています。例えば、ISO9001といった国際規格の認証を取得していますが、その維持および有効運用のために必要な業務があります。それに付随して全社的なルールを制定、改定したり、外部審査や内部監査の実施およびコーディネートし、内部監査員教育などのコーディネートもしております。
弊社のようなメーカーでは改善活動としてQC(クオリティコントロール)サークル活動があり、その推進を行っています。品質向上による顧客満足度向上に繋がる活動を推進していくという業務も品質管理部の業務となります。

Q:CREATIVE SURVEYを導入した経緯を教えてください。
弊社は海外工場と国内工場合わせて14の生産工場を持ち、製品の製造・販売をしていますが、生産工場では、必ず生産性の向上や業務の改善を求められます。生産工場では本部から品質方針が降りてきて、四半期に1テーマを決めて改善活動を行うのが日常の業務としてあります。
1年に一度、海外やグループ全体を含めた全社の改善事例発表会というイベントを開催しており、優秀な業務改善を行った従業員が日本に来て、皆さんの前で発表します。改善事例発表会には海外や国内の各事業所から100名以上が集まります。ここ3年間はコロナの影響でオンラインで行っていたのですが、今年は4年ぶりに招集しての開催となります。
その改善事例発表会を今後どのように行っていくのかを考えるために、現場で働いている従業員の本当の生の声を集めたいということで今回アンケートシステムを導入しました。
現在はICTやAIといったテクノロジーで業務改善が進むことも多く、工場の現場の従業員が行う業務改善活動をどういう風に思っているのかや、本当にやりたいのか、やりたくないのかなど本音を聞きたかったんです。本当の意見を直接現場で働く人たちに聞きたかったというのが発端です。
一度原点に戻り、スタートはどこなんだろうと議論していく中で、現場の従業員が何を思っているのかをきちんと把握するための施策としてアンケートシステムの導入に行き着きました。
Q:CREATIVE SURVEYを選んだ経緯を教えてください。
サービスの選定にあたって他のアンケートシステムの会社にも、見積もりや資料請求等も行いましたが、CREATIVE SURVEYは、 法人向けに特化しているっていうことが大きかったです。
弊社はサービスの導入の際にはセキュリティの基準が厳しいこともあり、システムの導入を断念せざるを得ない場合も多いのですが、CREATIVE SURVEYに関しては条件をクリアすることができました。
また、他のサービスでもサンプルの画面などを見せてもらいましたが、回答画面が見にくいことなどがあり、そのあたりのデザイン性なども鑑みてCREATIVE SURVEYに決めました。また、海外の従業員に向けて調査も行うので多言語でも実施できるということも必須要件でした。
MicrosoftのFormsで行うという案もありましたが、CREATIVE SURVEYであれば今回の用途以外にも活用できると感じたこともあります。

従業員の本当の声をもとに業務を改善
Q:従業員向けのアンケートの具体的な実施フローを教えていただけますか?
実は3年ほど前に当時私は携わっていなかったのですが、品質管理課のメンバーがアンケートを行ったことがあります。アンケートの対象は国内の生産会社は含めず海外の生産会社のみにし、特に細かな条件を設定せずに調査しました。
その時に発生したのが回答数のばらつきです。ある拠点からは200とか300ぐらいの回答数があったのですが、 ある拠点からは10にも満たない数しか集まらず、結局統計が取れませんでした。
それで今回は最初にアンケートの対象者条件を決めました。まず社歴で勤務年数が5年以上のできるだけ長くいる方で、改善事例発表会自体を知っている人に限定し、6カ国10工場の各拠点から20名ずつ絞り実施しました。アンケート自体を4つに分けていて、海外の生産会社の現地従業員向け、海外の駐在員向け、国内グループを含めた生産会社の従業員向けと本部である朝霞事業所の従業員向けの4種類で行いました。
基本の項目は共通にし、管理職用の設問や海外用には設問を省いたり、追加したりして全体的に約15問で実施しました。
回答期間は3週間程度でしたが、 リマインドなどを行ったこともあり最終的には回答率が思った以上に高く、多くの回答を集めることができました。

Q:アンケートを活用しどのような結果を得られましたか?
まだ、回答をまとめきれていない状況なのですが、海外の職責者はポジティブな意見が多く、改善活動はやるべきだという意見が多く、国内の生産会社の現場からはネガティブな意見も見られました。
本部である朝霞事業所からはプラスの意見も多かったのですが、やらなければいけないという意識はもちろんありながら、そこに時間を割いていると業務を圧迫するという意見が多く見られました。
全体的な傾向としては改善活動自体はやるべきという意識がありますが、業務との兼ね合いがなかなか取れないと感じているということが私が受けた印象です。
どうすればやらされているのではなく前向きになるのかを知りたいと私たちは常日頃から考えているのですが、もしかしたら発行している冊子に載ることや学会の発表会に登壇することなどがモチベーションなるのかなど、現場の声をもとに改善していくための対策を考えるためのアイデアの元となる声が集まったように感じます。

ISO9001認証規格の運用にも活用を広め効率化を高めたい
Q:今後、CREATIVE SURVEYを使ってやってみたい施策はありますか?
冒頭でお話したISO9001認証規格を各拠点や本部で取得していて、取得のタイミングで内部監査を行うのですが、監査員は何枚にもなる紙のチェックリストを持って事業所を回っていたりします。
監査員にはアンケート形式のチェックリストで監査を進めてもらえれば、監査自体が平準化することもできるように感じています。
海外でもアンケートでチェックリストを使って実施できると本部でも集計しやすく、すぐに反映できるのでそのような活用も今後考えてます。

- 社名
- 新電元工業株式会社
- 事業内容
- 半導体、電装製品、電源の製造及び販売
- 従業員数
- 連結:5,264名 臨時従業員含む ※2023年3月31日現在
※ページ上の各種情報は2023年8月3日時点のものです。