データ活用によるリブランディング戦略で自社ECを成長へ導く

坂善商事株式会社

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坂善商事株式会社様は、実店舗とECサイトで紳士服・婦人服を販売する創業75年のアパレル企業です。大きなサイズやインポートブランド、カジュアルからビジネスまで豊富な品揃えと、高品質かつリーズナブルを強みに独自のポジションを築いています。

同社ではリブランディング戦略において、顧客向け・社内向けの調査に『CREATIVE SURVEY』を活用しています。導入の経緯や活用方法、得られている効果について、執行役員CMO兼マーケティング・EC事業本部 本部長の高山 裕司様、マーケティング・EC事業部 広報/PR担当の齋田 葵様にお話を伺いました。

写真左:高山様 写真右:齋田様

※以下敬称略          

リブランディングを推し進めるにはお客様の声・社内の声の両方を集めることが重要

Q:貴社の事業内容とご担当の業務を教えてください。

高山:弊社は紳士服・婦人服を扱うアパレル事業をメインに、不動産事業と太陽光発電事業も行っている会社です。創業から75年で、昔は問屋街に実店舗を構えて洋服の販売を行っていました。

今はサカゼンというと、大きなサイズの洋服を思い浮かべる方が多いと思いますが、弊社は海外に太いパイプを持っているため、モンクレールやディーゼル、アルマーニといったインポート商品の取り扱いにおいては日本有数となっています。バイヤーチームがイタリアなどヨーロッパから直接買い付けたハイクラスなセレクトアイテムを実店舗やECで販売しています。

私はマーケティングとEC事業全般を見ており、齋田はその中でも広報・PRなどの実務を担当しています。

Q:『CREATIVE SURVEY』を導入した経緯や選んだ決め手を教えてください。

高山:弊社では今、リブランディングに向けて様々な取り組みを始めています。リブランディングは、ともすると既存顧客の離反につながってしまうリスクがあるため、お客様の声をしっかり聞きながら行う必要があります。ですが、弊社はこれまでアンケート調査に取り組んだ経験がなく、店長からの情報などをもとに判断するといった進め方をしてきました。

そこで、まずはアンケートシステムを導入してお客様の声を集め、リブランディング戦略に活かしていこうと考えました。また、EC事業においては自社ECサイトを強化して収益性を高めていきたいという狙いもあって、データ活用はその面でも重要になってきます。

同時に、リブランディングでは社内の声を拾い上げることも大切です。外部と内部、両輪の意見や反応をキャッチアップする上でアンケートシステムが必須と考え、導入を決めたという経緯です。

じつは前職でもCREATIVE SURVEYを使ってアンケート調査を行ってきた経験があり、お客様の声からたくさんのヒントをもらってきました。弊社においても、お客様の情報を定量・定性の両面から収集して、スピード感を持って様々な施策に活かしていきたいと考えています。

CREATIVE SURVEYは、ダッシュボードの見やすさや設問の分岐ができるなど、パッと見てわかりやすいUIと使いやすさが魅力です。アンケート作成や社内共有といった業務はできるだけ効率化して、企画や施策を考えるほうに時間を使いたいので、それができる点も気に入っています。

利用実態やNPS®、日本人モデル・外国人モデルによる購入意向度の違いも調査

Q:現在、CREATIVE SURVEYをどのように活用していますか?

齋田:弊社では過去1年間の購入金額によって会員様のステージ がブロンズ・シルバーのように分かれているので、まずはステージ別に実態を調べるところから始めました。直近で購入されている会員様をセグメントして、約1万名にメルマガを通じてアンケート調査を実施しました。

具体的な内容は、実店舗とECサイトの利用実態や顧客ロイヤリティを測るNPS®などです。また、日本人モデルと外国人モデルによる購入意向度の違いや親しみやすさなども調査しました。

高山:調査結果を見ると、日本人モデルのほうが優勢でした。弊社はインポート商品を多く扱っているため、これまでは外国人モデルを採用することが多かったのですが、この調査結果をもとに日本人モデルを増やしている最中です。今後はスタッフのスタイリングを紹介するなど、ECサイトでも実店舗の雰囲気が感じられるようなものを作っていきたいと考えています。

Q:社内向けアンケートでは、CREATIVE SURVEYをどのように活用しているのでしょうか?

高山:現在進行中の内容になりますが、イメージモデルを起用するにあたって、どれくらいの社員が共感しているかを調べたいと思っています。理由として、実際にイメージモデルの起用プロジェクトに関わるのは全社員の1割にも満たないないのですが、残りの9割以上のスタッフにも「みんなで考えて、みんなで行動した」という感覚を持ってほしいからです。

また、「現場ではこんなことをしたい」「この価格帯だったらもっと売れていたかもしれない」など、現場の意見や感覚を拾い上げることで4P(Product・Price・Place・Promotion)を検討する際にも役立ちます。このほかにも採用に関することなど、今後やりたい調査はたくさんあります。

アンケート調査では店長の意見に誘導されるといったこともないので、スタッフ個人の声や意見を集めやすいという狙いもあります。スタッフから集めた声やアイデアは本部でも積極的に活用していきたいと考えています。そういう意味では、スタッフの目線を引き上げるための教育の一環でもあります。

現場のスタッフの声を集めることはお客様の声を集めるのと同じくらい大切で、マーケティング活動を展開するにあたっては両方のデータを収集することが重要です。組織の一体感を醸成する上でも、アンケート調査をうまく活用していきたいと思っています。

データをもとに自社ECサイトのUIを見直し、前年比180%の売上に

Q:CREATIVE SURVEYを導入して、どのような効果・メリットがありましたか?

齋田: お客様から「接客対応が良い」というコメントをもらうなど、アンケートは現場のスタッフのモチベーションアップにもつながると感じました。

高山:リブランディングにおいてアンケート調査を活用していますが、調査結果をもとに自社ECサイトのUIを変更したことで、前年比売上 で180%ほど伸びています。イメージを変えたことで、より多くの人に対して訴求力が上がったわけですが、これもデータをもとに見直した結果だと思っています。

また、アンケート調査とインタビュー調査を組み合わせることで、より精度の高いマーケティング活動につながっています。

グループインタビューではサカゼンのイメージや利用の仕方について聞いたのですが、たとえば「プレゼント用ではなく、自分のために購入する」「デートコースではなく1人での買い物コースに利用する」といったリアルな声を集めることができました。

定量データと定性データの両方を組み合わせて見ていくことで、より多くの気づきを得られています。

Q:今後、CREATIVE SURVEYを使ってやってみたい施策はありますか?

高山:まずはお客様をしっかりと知るというところからスタートしましたが、今後は商品開発にも活かしていきたいです。

たとえば、大きいサイズの洋服を選ぶ方には様々なお困りごとがあると思います。いくつかの仮説が考えられますが、それをアンケート調査で明らかにした上で、お困りごとを解消するための商品開発につなげていきたいと考えています。また、調査結果を見ると大きいサイズへのニーズは全国的にあるので、今後の出店戦略にも活用していこうと思っています。

インポート商品においても「何を仕入れてほしいのか」、ニーズを具体的に把握できたらスピード感ある対応ができるようになります。お客様の声を聞くのはワクワクしますし、調査結果はいつも楽しみです。

NPS®のスコアも取り始めたので、顧客対応や商品に関わる様々な部署で共有しながらPDCAを回していきたいと考えています。

ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、NPS、そして NPS 関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標です。

社名
坂善商事株式会社
事業内容
紳士服・婦人服の販売を中心に、太陽光発電事業、不動産事業を展開、大きいサイズ:体の大きい方向けの商品を提供、インポート:ヨーロッパから直接買い付けたハイクラスブランドを提供、カジュアル:様々なブランドのカジュアルアイテムを展開、ビジネス: トレンドスーツから高級スーツまで幅広く提供
従業員数
510名

※ページ上の各種情報は2022年4月26日時点のものです。