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11/11 UXリサーチ セミナーイベントレポート

11月11日(水)クリエイティブサーベイ株式会社、株式会社日本リサーチセンター、株式会社コントロールテクノロジーの3社が共同開催の『共創型UXで創る新しいユーザーコミュニケーションのカタチ〜UXリサーチの活かし方・事例~』にクリエイティブサーベイの田口が登壇しました!

UXリサーチの活かし方や事例について3部構成で開催された今回のセミナー。UXリサーチという同じ主題でも、様々な切り口からのお話となり、とても興味深いものとなりました。

「リクルートにとっての共創」とは?

第一部では、株式会社リクルートテクノロジーズの坂本千映子さんと井坂匠さんが登壇しました。

最初にお話ししていただいた坂本さん、リクルートにとっての「共創」とは?というところからスタートしました。

リクルートにとっての共創とは、
カスタマーの本音をきく
サービスを実現する
コミュニケーションする(実現を知らせる)
を繰り返すサイクルの事であり、リクルートでは従業員全員がこの姿勢を自然にごく当たり前に出来ています。
最初の事例は、「若者が食べたいゲレ食(ゲレンデの食事)」についてです。MROC(共創コミュニティリサーチ)の仕組みを活用して、ユーザーから意見を集め、会話して商品が開発されていく流れを紹介。参加している人たちの顔や商品の途中経過なども交えて具体的に「一緒につくる」過程を紹介しました。意見をユーザーから集めるにあたって、参加者からも、「リクルートは小さい意見も見捨てずきちんと聞いてくれた」という意見があり、それによって会社に対して期待が持て、感動が生まれるという流れが生まれるというのは、共創における効果が商品だけでなく、会社やブランドにとってもメリットがあるということです。
リクルートのリサーチはさらに、MROCのデータ、アンケートデータを「人工知能」に解析をさせて、セグメンテーションをしたり、クラスタを分けるなどを行っています。通常のリサーチでは、数十万行のテキストデータをカバーするためにはひどい時間とコストがかかる部分を、人工知能によってカバーさせる取り組みで、こういった仕組みがあることで、ユーザーの声を聞くことにフォーカスできます。

次の事例として、Airレジについて井坂さんからお話されました。
Airレジの利用者が最初提示していた問題でだけでなく、本質を見つけられるよう対話を続けていくと、根本的な問題が現れる事があります。事例では、カフェ店員にレジでの問題点について訊いた話で、最初「個別に割引したい」のみだったのが、コミュニティを作り利用者の声をよくよくきいてみると、その一定の状況になるのは、“セットに対して” 割引を行う事であることが分かりました。ついつい機能ベースで考えてしまい「この機能はいかがですか?」と尋ねてしまいそうになりますが、あくまで利用者の求めているものの本質を見極める事が大切であるという例です。

最後に坂本さんからまとめとして、リサーチのような仕事を行う上での大切な事として、「ユーザーの本音と向き合う姿勢」「何のためのリサーチ?」を挙げられました。リサーチをするという事では何も生まれません。そのため社内では報告書を不要にし、ユーザーが求めているものを形にする力をつけるといったことを意識して推進する必要があるとのことです。また、ユーザーの声や体験をベースにする、ということを企業姿勢として根付かせることが重要で時間がかかること、ということで締めくくられました。
人工知能などティピカルなワードだけでなく、非常に先進的な取り組みですし、企業姿勢をユーザーの領域から変えていく努力をとても感じられるお話でした。すごいです。

「Grounded on dataであるべき」という事の重要性

第二部では、株式会社日本リサーチセンターの小口裕さんが、NRC UXリサーチについて紹介されました。

伝統的なマーケティング・リサーチでは、定量調査、または定性調査が2つの調査方法でしたが、それぞれ長所、短所があります。これに対応して、NRC UXリサーチでは定性調査でも定性調査でもない、それぞれの短所をカバーしたUXリサーチという考え方の紹介から始まりました。

NRC UXリサーチでは、ユーザー体験を集めて洞察する、ユーザー体験をリデザインする、UXコンセプトをつくる、というステップを経て、プロセス全体にかかわるという考え方になります。これらを実践する際の重要なポイントとして、「Grounded on data(データに忠実であるべき )」ということをリサーチ会社として非常に重視しています。ユーザーの選定、体験やコンテクストの収集、質的データのまとめ、といったポイントがある中から、具体的に説明します。
まず、誰に聞くか、という点では、消費者感度分類によって抽出された「高感度層」「創造・共感層」に対して聞くことで洞察を得る。そして、コンテクストの収集では、「やりたくないけどやっていることは?」といった質問の具体的な方法を使うことで、ユーザーの背景と意図が見えてきます。
コーンフレークの例では、ユーザーが理想としている事と現実のギャップをリサーチすることで、新たな価値の創造があるということが挙げられます。こちらもMROCでの声としてコーンフレークを唐揚げに使っているユーザーから、既存の製品だとあまりうまく揚げられない。そのユーザーの背景には、とあるレストランではきちんと揚がっていておいしかった、という体験がありました。そのユーザーのメンタルモデルから、そのために唐揚げ用のコーンフレークを開発できる可能性などが提示されました。朝食用のシリアル、という限定的な商品から、夕食やお菓子などに広がる幅のある商品提供の可能性につながる例となります。
小口さんからは、日本リサーチセンターと千葉工大の安藤先生の研究室が共同で作った、「KA法おためしキット」が本日の参加おみやげとして配布されました。日本リサーチセンターさんとはiPadのオフラインアプリを作った時からのお付き合いですが、UXに関して取り組まれている数少ないリサーチ会社さんです。専門的なところから、「やりたくないけどやっていることは?」といった明日から使える実践的なお話しまでいただき勉強になりました。

デザイン、リサーチとアンケートコミュニケーション

第三部では、クリエイティブサーベイ株式会社の田口が登壇し、コミュニケーのリサーチの話や、CREATIVE SURVEYを利用した事例を紹介しました。

ここ最近でUI/UXという言葉がよく使われるようになりましたが、正しく言葉が使われてないように思います。しかし、UXという言葉がカバーする範囲はとても広く、ユーザーの五感だけでなく、思い出や国籍など、とても感覚的なものも含まれます。UI / UX とはUXの中のUIであるので、間のスラッシュが分数を表してて秀逸なんじゃないかという話からスタートしました。
その後、デザインを出発点としたセルフリサーチツールのクリエイティブサーベイを利用した事例についてご紹介しました。クリエイティブサーベイの2つのテーマであるリサーチとコミュニケーションに注目し、いくつかの事例を紹介させて頂きました。

事例紹介1:転職サイト『DODA』様転職サイトのコンサルタントのウェブサイトの設計におけるデザインリサーチの事例
事例紹介2:海外リサーチも可能になったことで、プロジェクトの海外のユーザーリサーチからUXシナリオを組んだ事例。
事例紹介3:TechCrunchイベントの雰囲気に合わせたデザインで、リアルタイム性やその場でのアンケートやあらゆる接点が可能になった事例。
それぞれデザインに落とし込むときに必要な要素をリサーチレベルで再認識することでCJMやUXシナリオの構築に生かすなどの例です。

リサーチのUXについて

クリエイティブサーベイは、「アンケートコミュニケーションでユーザーを知り共感を生む」ということを重要視しています。そのため、コミュニケーションというユーザーに触れる機会の中でフィードバックや声を聞けるような体験を積み重ねることを提唱しています。その事例として、トヨタカナダでのアンケートキャンペーンサイトが紹介されました。インタラクティブな動画の中から、今の車は?次はどんな車に乗りたい?といった質問をすることで進めていくサイトですが、ここまでやるとリサーチされている感じを与えず、あくまでも参加しているという感覚を与えること、コミュニケーションをしながらユーザーの声やデータをあずけてもらうことが出来ます。今後は、顧客データをベースに、あらゆる場面で取得されたアンケートデータとウェブログやセンシングデータ、購買データなどとの紐付きなども可能性がある分野であり、すでにそういった形での活用が進んでいることも紹介されました。
また、とあるデータによると、83%のユーザーが企業とコミュニケーションを取ることに対して好意的と答えています。インサイトの獲得→共感をつくる→参加・フィードバック→インサイトの獲得の流れが今後さらに重要となり、良いスパイラルを作るということが成長につながる、ということで締めくくらせていただきました。

まとめ

UX関連ということで注目度の高いキーワードと、リサーチというUXをデザインするプロセスの中でも重要な分野についてのイベントとなり、来場していただいた方々も幅広い分野でイベントは大盛況となりました。ご来場いただいた方々、今回応募数が多く来場いただけなかった方、大変ありがとうございました!