カスタマーサクセスと顧客ロイヤリティ・LTV の関係
顧客体験(CX)の向上に取り組むことで、顧客ロイヤリティが高まり LTV が向上します。
ロイヤリティ(Loyalty)とは英語で「忠誠・忠義・忠節・義理・誠実」などにあたる言葉です。
元々は国家に対する忠誠心を表す言葉でしたが、現代では企業や商品などに対する愛情や親近感などを指す、ビジネス用語として扱われています。
企業・ブランド・商品・サービスなどのイメージを向上させたいなら、ロイヤリティを高めることが重要です。ロイヤリティを高めることで、愛着や信頼感といったポジティブな印象を顧客に与えることができます。
実際、リピート購入してくれる顧客や愛社精神が強い従業員などは、ロイヤリティが高い傾向があるといわれています。
ロイヤリティを高めるためには
顧客ロイヤリティを高めるためには、顧客理解が不可欠です。以下のような手法が代表的な方法です。
VOC を集め分析する
顧客ロイヤリティを向上させるには、顧客の声を正確に分析することが大切です。取得した顧客データは、商品に対する愛着度などでリスト分けして、マーケティング施策の検討に利用しましょう。リスト分けされた顧客ごとに、適切なアプローチをすれば企業の収益性も向上するかもしれません。
収益指標を用いるときは、顧客ロイヤリティの向上が収益のどの要素に影響を与えているのかを把握することも大切です。顧客ロイヤリティが影響を与える要素を明確にすることで、どのような顧客にアプローチすればよいかがはっきりするからです。
NPS®NPS® トプロモーター・スコア)を活用する
NPS® は顧客ロイヤリティをアンケート形式で計測する指標です。顧客に対し、「この企業(または、商品、サービス、ブランド)を家族や友人に、どの程度すすめたいと思いますか?」という質問を行い、0 点から 10 点までの 11 段階で評価してもらいます。点数によって以下のように分類します。
- 推奨者:9 ~ 10 点を付けた顧客
- 中立者:7 ~ 8 点を付けた顧客
- 批判者:0 ~ 6 点を付けた顧客
この内、「推奨者の割合-批判者の割合を引いた値= NPS®」として、顧客ロイヤリティの算出に利用します。
CX(カスタマーエクスペリエンス)を改善する
CX とは、顧客が商品・サービスに接触する際の一連の体験のことです。商品・サービスを購入して使用するだけでなく、Web サイト・SNS・メルマガなどの情報発信や、店頭での接客なども対象に含まれます。購入検討時のスタッフの対応や購入後のサポートなども同様です。
CX を改善するには、企業活動のうちどの要素が「重要な顧客との接点」になっているかを把握することが大切です。重要な顧客との接点は、顧客の声を分析した結果をもとに顧客ロイヤリティを数値化することで確認できます。
企業が顧客接点を強化していくためには、どのようなことに取り組めばいいのでしょうか。ここではその方法として 2 つ紹介します。
顧客に直接対応する「フロントエンド業務」の改善
フロントエンド業務とは、実際に顧客対応を行う業務のことです。コールセンターやメールの問い合わせへの対応のほか、顧客に対して商品やサービスを提案するなど、直接顧客との接点を持つことになります。
近年では、電話やメールの他にも LINE や SNS などでも顧客と接点を持てるようになったため、顧客が利用しやすいデバイスやコミュニケーション方法をとることが望ましいとされています。
その他、サービスや製品のスムーズな導入に必要なオンボーディングや活用を推進するカスタマーサクセスの定期接触なども含まれます。
顧客と接するために必要な情報を蓄積・分析する「バックエンド業務」の改善
バックエンド業務とは、蓄積した顧客情報を参考に、より付加価値の高いサービスにつなげるための仮説を立案する業務のことです。
例えば、顧客の過去の購買履歴や行動、属性といった情報を分析することで、「誰に対して、いつ、どこで、何を、どのように提案するのか」という仮説を立てられます。この仮説に基づくことで、電話やメールでの問い合わせの際にサービスを提案することも可能になります。
顧客管理基盤である CRM や販売管理を行う EC カートなどのデータを顧客体験と紐付けるなどの仕込みを構築することも重要です。