リモートワーク時代の営業方法|オンライン営業で成果を出すコツと役立つツール

新型コロナウイルスの影響、生産性向上といった課題が挙げられる昨今、訪問が中心だった営業活動においてもリモートワーク化が加速しています。ここでは、訪問営業とオンライン営業のプロセスの違いや非対面での商談を成功させるポイント、役立つツールを紹介します。

訪問営業とオンライン営業との違い

訪問営業とオンライン営業との違い

まずは、訪問営業とオンライン営業との違いをプロセスとメリット・デメリットの観点から見ていきましょう。

プロセスの違い

営業活動の基本的な流れは、以下の通りです。

1.見込み客(リード)獲得・リスト作成
2.アポイント獲得
3.商談
4.クロージング
5.成約・受注

訪問営業とオンライン営業で異なるのは、商談以降のプロセスです。

訪問営業では、商談から成約までのプロセスを実際に訪問して行います。対してオンライン営業では、商談・クロージング・成約まで基本的に非対面で進めます。以下に、オンライン営業の進め方について具体例を挙げます。

<オンライン営業>

●商談~クロージング
・Web会議システムやオンライン商談ツールなどを利用してコミュニケーション
・画面上で資料を共有する
・プレゼンテーション用のデモ動画を活用する

●成約・受注
・電子契約サービスを活用する

メリット・デメリットの違い

訪問営業とオンライン営業のメリット・デメリットは以下のように整理できます。

営業方法 メリット デメリット
訪問営業 ・相手の反応をつかみやすい
・対面コミュニケーションにより心理的な障壁を下げやすい
・信頼を得やすい
・現場でしか得られない目視の情報がある
・移動に時間とコストがかかる
・1日あたりの商談数を増やしにくい
・商談場所の確保やスケジュール調整に時間と手間がかかる
オンライン営業 ・移動にかかる時間とコストを削減できる
・移動ロスがないため商談数を増やしやすい
・スケジュール調整が容易になるため商談までのリードタイムを短縮できる
・営業対象を全国に広げられる
・商談場所の確保など相手先の負担を減らせる
・非対面で信頼感を得るのが難しい
・接続が不安定な場合、商談の途中で中断する可能性がある

オンライン営業でぶつかりがちな課題

オンライン営業でぶつかりがちな課題

オンライン営業には非対面ならではの難しさがあると同時に、通信環境の影響を受けるという課題があります。オンライン営業でぶつかりがちな3つの課題を見ていきましょう。

コミュニケーションを取りにくい

訪問営業に慣れていると、オンラインの商談では相手の反応をつかみにくいと感じることがあります。そのため、つい自社の話ばかりを先行させてしまい、相手のリアクションを確認しながら対話を進めるといった、商談の基本となるコミュニケーションを取りにくいといった課題が挙げられます。

相手からの情報を得にくい

とくに、オンラインでの商談に慣れていない顧客は聞き役に回りがちで、どんな課題を抱えているのかといった商談に必要な情報をなかなか話してくれないケースがあります。また、対面でのコミュニケーションに比べると現実感が乏しくなってしまうことから、話の途中で顧客の集中力が途切れてしまう可能性もあります。

相手の設備・通信環境の影響を受ける

オンラインの商談では、自社だけでなく相手先の通信環境の影響も受けます。対話にタイムラグが発生すると、テンポよく商談を進められないというデメリットが生じます。そのため、オンライン営業では自社の環境を整えることにくわえ、相手先に負担がかかりにくいツールを利用するなどの工夫も必要です。

オンライン営業の商談を成功させるコツ

オンライン営業の商談を成功させるコツ

オンライン営業で商談を成功させるための5つのコツを紹介します。

商談前の準備で印象が変わる

オンライン商談では、相手先が意思決定しやすくなるような情報を短時間でわかりやすく説明することが成約率アップにつながります。また、相手先にストレスを感じさせないスムーズな進行を心がけることも重要です。これらを実現するには、商談前の準備が必要不可欠です。

具体的には、事前に商談用のスライドやデモ動画を準備しておくという方法があります。当日の商談を効率的に進められるうえ、ビジュアル的なインパクトを残しやすいという効果も期待できます。

ビジュアルを共有しやすい点はオンライン営業のメリットです。うまく活用することで、「一方的に説明を受けている」という印象を与えずに、最後まで顧客の集中力を持続させることができます。

ヒアリングは「無駄なく・漏れなく・スムーズに」

オンライン営業で難しいといわれているのがヒアリングです。「自社の商材を説明しているうちに時間が過ぎてしまった」という失敗も少なくないでしょう。ヒアリングは営業担当のスキルによって偏りが生じがちですが、オンライン営業ならでの特性を利用すれば、無駄なく・漏れなく・スムーズに聞き出すことが可能です。

具体例を挙げると、商談に入る前に「本日の流れ」を画面上で共有し、その中で「御社にヒアリングしたいこと」という項目を入れておくという方法があります。これにより、唐突な印象を与えることなく相手先からスムーズに話を聞き出すことができます。また、ヒアリングしたい事項を事前に整理しておけば、当日に慌てることもありません。

もう一つの方法として、Webアンケートツールを使って事前に基本的な情報をヒアリングしておくというやり方があります。アンケート結果をもとに、商談時により深い質問を投げるといったことができるようになります。

コミュニケーションのロスを埋める

非対面となるオンライン営業では、コミュニケーションロスが起こりがちです。これを避けるには、以下の4つに留意するようにしましょう。

・声の大きさとトーン(上げ下げ)を意識する
・相手が聞き取りやすいスピードを意識する
・フィラー(ええと、あの、などの言葉)を減らす
・相手の理解度・納得度を随時確認する(ここまででご不明な点はありますか? など)

また、非対面でのコミュニケーションでは対面営業以上に、「言葉そのもの」で意思疎通を図る比重が高くなります。したがって、誤解のない表現やわかりやすい言葉遣いをより強く意識することが大切です。

複数のシナリオパターンを用意しておく

オンライン営業は訪問営業と比較して、その場の臨機応変な対応が難しい場合があります。この課題を解決するには、事前に複数のシナリオパターンを用意しておくという方法があります。パターン別に切り返しの展開や次のアクションをあらかじめ準備しておけば、効率的にアプローチすることが可能になります。

雑談も有効に使う

オンライン営業では雑談は不要と思われがちですが、訪問営業と同様に、雑談からビジネスのヒントをキャッチアップできることもあります。あえて商談の前後に雑談の時間を設けて、相手がリラックスしている状態で会話するのも有効な方法のひとつです。

オンライン営業に役立つツール

オンライン営業に役立つツール

オンライン営業を実施するには、各種ツールを利用する必要があります。ここでは、オンライン営業の体制を整えるうえで役立つツールを紹介します。

オンライン商談に必須のツール

オンライン営業では、顧客とのコミュニケーション手段となるツールの導入が必要不可欠です。主に以下2つのタイプに分かれます。

●Web会議システム
インターネットを介して、映像と音声のやり取りや資料共有を行うことができます。

Zoom
Google Meet
Skype Meet Now

●オンライン商談ツール
映像・音声にくわえ、営業担当側の画面にのみトークスクリプトを表示できたり、ポインターで見てほしいところを示したりと、商談の精度を高める機能が特徴的です。

ベルフェイス
B-Room
Remote Operator Sales

情報管理に役立つツール

オンラインによる営業活動を管理したい場合には、以下のツールが役立ちます。

●SFA(営業支援システム)
SFA(Sales Force Automation)は、営業活動のプロセス管理や目標管理などを行えるツールです。顧客情報と紐づけた商談管理や次のアクションを可視化できます。

Salesforce Sales Cloud
Senses
Microsoft Dynamics 365

●CRM(顧客関係管理)
CRM(Customer Relationship Management)は、顧客情報の管理を主とするツールです。顧客ごとの商談履歴や取引履歴のほか、顧客データの分析ができるものも提供されています。

kintone
eセールスマネジャー Remix CLOUD
Knowledge Suite

非対面営業の効率化に役立つツール

非対面での営業活動に役立つツールには、以下のものもあります。

●ビジネスチャット
営業職を含め、さまざまな職種のリモートワークで活用されているのがビジネスチャットです。メールよりも手軽にコミュニケーションできるという特徴があるため、顧客接点が減りがちなオンライン営業に役立ちます。

Slack
Chatwork

●Webアンケート作成ツール
企業のニーズや満足度をオンラインで簡単に調査できるWebアンケート作成ツールも、非対面営業の質を向上させるうえで活用したいツールの一つです。

Googleフォーム
CREATIVE SURVEY

●電子契約サービス
電子契約サービスとは、これまで紙と印鑑をベースにやり取りされてきた契約書を電子化し、オンライン上で完結できるようにするサービスです。訪問して回収したり郵送したりといった手間を省けます。一定の要件を満たすものであれば、法的な効力は紙の文書と同等です。

BtoBプラットフォーム 契約書
クラウドサイン

まとめ

訪問営業を行ってきた企業や営業担当からすると、非対面のオンライン営業で「本当に成果を出せるのか」という懸念を抱くこともあるでしょう。非対面だからこそ配慮すべきこともありますが、コストや生産性においては大きなメリットがあります。

オンライン営業の浸透・成功のポイントとなるのは、顧客にとって「良質な商談体験」を生み出すことです。現在はリモートワークを推進する便利なツールが各種提供されているので、うまく取り入れながら業績アップにつなげてみてはいかがでしょうか。

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