失注分析を営業に活かすには|アンケート活用・セグメント分析で精度を高める

営業活動の成果や効率を高めるために有効な失注分析。しかし、データをうまく活用できていないという声も多く聞かれます。ここでは、失注分析はどのように活用すべきなのか、また、分析の精度を高めるためのアンケート活用術やセグメント分析について説明します。

失注分析はどう活用すべきなのか

失注分析はどう活用すべきなのか

失注分析は、失注理由を定量的に把握するために行います。実際に、どのような場面で活用すべきなのか、以下に整理しました。

営業活動の問題点を明確にして改善策を進める

失注分析をすることで、成約に至らなかった理由やその傾向を俯瞰してみることができます。とくに、組織が大きくなるほど失注理由を正確に把握するのは難しくなるため、自社の弱点を捉えるという目的において失注分析が役立ちます。

たとえば、失注理由が営業個人や部署の問題なのか、商談フェーズに何かしらの課題があるのかといった傾向をつかめれば、効果的な打ち手を考えやすくなります。

顧客・競合先の傾向をつかみ対策を講じる

失注分析は、顧客や競合先の傾向をつかみたい場合にも役立てることができます。たとえば、どのような規模・業種・地域などにおいて失注が多いのかを把握できれば、自社が得手・不得手な顧客の傾向がわかります。

また、どの競合先が受注しているのかを把握できれば、他社と比較したときにどんな点が劣っているのか、あるいは顧客ニーズとしてどんなことが求められているのかをつかみやすくなります。

失注パターンを経営判断に活用する

失注分析をすると、自社の失注パターンが見えてきます。営業戦略やプロダクトの変更など、大きく舵を切る判断に役立つほか、場合によっては撤退したほうがよいという経営判断に活かすことも可能です。

営業活動における主な失注要因・打ち手の方向性

営業活動における主な失注要因・打ち手の方向性

失注分析を営業活動に活かすには、失注理由をできるだけ詳細に押さえることが必要です。よく挙げられる失注要因にはどのようなことがあるのか、打ち手の方向性とともに見ていきましょう。

コストの問題

コスト的な問題で失注するケースは少なくありません。主に、以下のような要因が挙げられます。

・そもそも顧客の予算に合わない
・急きょ予算が取れなくなった
・他社の価格のほうが安い

一見、アンコントローラブルな理由に思えますが、たとえば価格訴求型の競合に負けているのであれば、それを超える魅力や付加価値をアピールするなど、営業戦略を考える糸口になります。

商品力の問題

商品力に関する失注要因では、次のケースが挙げられます。

・顧客が求める機能がない
・他社の商品のほうがマッチしている
・すでに他社商品を利用中で、切り替えるほどのメリットがない

この場合、プロダクト自体の改善を検討するほか、顧客へのソリューション提案を見直す対策が必要と考えられます。

納期の問題

納期が遅いことも、失注要因で多く挙げられることのひとつです。商談から納品までの工程を見直すなど、スピードアップするための対策をとる必要があるでしょう。

コミュニケーション不足の問題

営業担当のコミュニケーション不足が失注要因になっているケースもあります。たとえば、以下のような状況です。

・決裁者に会えていない
・顧客の課題をつかめていない
・他社の営業マンのほうがリレーションが深い

要因を把握できれば、営業個人や部署としてのスキルアップに重点を置くなどの判断に役立てることができます。

失注分析の精度を高める方法1:データのセグメント

失注分析の精度を高める方法1:データのセグメント

単に失注理由を集計しただけでは、次の打ち手につなげられる課題を見つけるのは難しいでしょう。失注分析の精度を高めるには、収集したデータをさまざまな角度からセグメントし、要因を深掘りする方法が有効です。ここでは、4つのセグメント分析を紹介します。

営業担当別セグメント

仮に失注理由の多くが「商品力」という集計が出たとしても、営業担当別にセグメントしてみると、個人によってその理由にばらつきが出ているケースは少なくありません。

個別の集計を出すことで、たとえば「営業個人の提案力に起因している」、あるいは「担当する商材によって難易度が変わる」というような仮説を持てるようになり、より深く問題点を探ることができます。

商談フェーズ別セグメント

営業活動は一般に、「アポイント→顧客へのヒアリング→提案→商談→クロージング」という流れで行われます。どのフェーズで失注することが多いのかを分析することで、フェーズにおける営業活動の課題を特定しやすくなり、自社が強化すべき点が明らかになります。

たとえば縦軸に個人や部署、横軸にフェーズというように掛け合わせて分析すれば、より詳細な失注理由をつかむことも可能です。

また、失注理由を年度ごとに時系列で並べると、たとえば失注理由に大きな変化があった年に、競合が安価な新商品を打ち出しているといった外部要因の特定に役立てることもできます。こうしたケースでは市場の成熟度が高まっている場合が多く、プロダクトとしての方向性を再検討するなどの経営判断が必要になることもあります。

顧客の規模・業種別セグメント

顧客を規模や業種別にセグメントして失注理由を分析すると、自社の得意・不得意が明確になる場合があります。たとえば、同じ商品であっても規模や業界によって受注率が異なるなど、顧客の購買特性が見えてくることがあります。これを整理できれば、次の打ち手につなげられます。

競合別セグメント

失注理由に競合先企業の情報を入れられるようにしておくと、隠れた要因を分析しやすくなります。たとえば、A商品においてはB社の受注率が高いが、C商品ではD社の受注が多いといったことがわかれば、自社商品の問題点や顧客との相性を測ることができるようになります。

失注分析の精度を高める方法2:アンケートによるヒアリング

失注分析の精度を高める方法2:アンケートによるヒアリング

失注分析の精度を高める方法として、おすすめしたいのがアンケートを活用して顧客の声を収集するというものです。Salesforceと連携して効率的に行う方法についても紹介します。

アンケート活用のメリットとは

失注分析は営業担当の目線から理由を特定しているため、ときに顧客の本音を拾いにくいという課題が生じます。これを解消する方法が、アンケートで顧客のリアルな声を集めるというものです。

これまで気づかなかった真因にたどりつけるようになれば、見当違いの打ち手で時間やコストのロスが大きくなるといったことを防ぐことができます。また、営業担当の情報源にもなるので、顧客とのリレーション強化につなげられるというメリットもあります。

SalesforceやCRMと連携したアンケート活用術

アンケートの運用を始めてみたものの集計や分析に時間が掛かってしまい、せっかく集めたデータを活用することができないケースもあります。

Ask Oneは、Salesforceをはじめとした外部システムとの柔軟な即時連携が可能なヒアリングフォームを作成できるインタラクティブなフォーム機能を有しています。そのため、失注理由のヒアリングのほか、決裁者への継続意思確認を容易に行えるなど、営業担当に負荷をかけずに顧客とのコミュニケーションを深められるという特長を備えています。

これにより、失注分析の精度を高めることはもちろん、先回りした営業戦略による受注率や効率性のアップ、顧客満足度向上にもつなげることが可能になります。

気になる方は下記から資料をダウンロードしてご確認ください。

Ask Oneの資料ダウンロードはこちら

失注分析は「より良い顧客体験」を作るための鍵に

失注分析は、受注率や営業効率の向上を目的に実施されることが多くなっています。しかし、顧客の本音を拾い上げることを視野に含めれば、「事後の対策」から「事前のリレーション強化」へと価値を高めることも可能です。

営業活動によって「より良い顧客体験」を提供することが本来の理想的な形であると考え、失注分析をひとつのコミュニケーション向上施策として見直してみてはいかがでしょうか。

Twitter:ツイート Facebook:シェア はてなブックマーク:ブックマーク pocket:あとで読む
あらゆる顧客接点で営業機会を逃さない Ask One 3分でわかる資料ダウンロードはこちら
アンケートツールの最新活用事例をご紹介!資料ダウンロードはこちら